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錆の都支部に足を踏み入れる鋼谷。
建物の外観は以前と変わらず、再生された街並みの中でどこか安心感を与える佇まいだった。しかし、支部内に入るといつもと違う雰囲気が鋼谷を迎えた。
受付には誰もおらず、いつもは慌ただしい空気に満ちているオフィスも妙に静まり返っていた。
鋼谷は眉をひそめながら、デスクの並ぶ奥へと足を進める。
「おい、誰かいないのか?」
返事はない。ただ、奥の部屋から微かに響く振動音と光に気づいた。
ポケットに入れていたスマホが突如として震え出す。鋼谷は驚きつつ画面を見ると、上司からの着信履歴がズラリと並んでいた。
未読メッセージの数は99+、すべて上司からだ。
「…鬼電ってレベルじゃねぇぞ。」
鋼谷は急いで電話を取る。すると、電話口から怒声が飛び込んできた。
「お前、何やってんだ!今すぐ本部に連絡しろって何度言わせるんだ!」
「本部?なんの話だよ。」鋼谷は困惑を隠せない。
「冥王会が動き出した。」
その言葉を聞いた瞬間、支部の奥で突然警報音が鳴り響いた。鋼谷は電話を握りしめたまま、警戒態勢に入る。
「…どういうことだ?」
上司は怒鳴るように言う。
「支部が狙われてる!冥王会は全面攻勢に出るつもりだ!」
警報音に混じって、建物全体に異能特有の振動が広がる。鋼谷の体が本能的に異変を感じ取り、鋭く目を光らせる。
「待て、俺が何とかする!」
電話を切り、鋼谷はすぐさま行動を開始する。支部内の状況を確認しつつ、敵の気配を探る。
支部が狙われている理由は何なのか?冥王会の全面攻勢とは一体?
鋼谷の戦いが再び動き出す。