テラーノベル
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ずっと大好きだった
母の顔も知らない私にとって
きっとそれは母という存在に一番近かった
私に目もくれない父とは違い
いつもいつも優しく美しい人だった
翡翠「ヒッグッ…ポタポタッ…」
私が泣いていると駆けつけ
歌を歌いながら小さな折り鶴を折ってくれた
憂炎「~~~♪…シュー…パキ…」
翡翠「ッ?」
私は知らなかったから
何も知らない無知な少女だったから
彼女が既に私を大切にしてくださっていたことに
憂炎「ほらw美しいだろう?w」
気づけなかった
翡翠「はいッ…!ニコッ」
あぁ…愚かだ
翡翠「~~~~!w」
どうして愛してしまったのだろうか
憂炎「~~~…w」
ヒスイ「……」
醜い…なんて醜い少女なんだ…
そしてまた”悪夢”が終わる
地面に呑まれ
体が動かない
でも抵抗もする気もない
これは夢なのだから
そう…
憂炎「……久しいな…ヒスイw」
ヒスイ「ッ…」
また今回も
ヒスイ「憂炎ッ…様ッ…!ズリッ…」
gr「……」
いつもならもっと
自分の判断ミスを見つめ直そうと勝手に思考が回るのに
あれだけは…
あの日だけはどうも俺が意思的に目を背けている
分かっているはずなのに
人生最大と言っても過言ではない判断ミスをしたのに
トト「……マッ…マぁ゙ッ…ツー」
gr「ッ!」
あの時
トトの首を絞めなければ
ローアン「……ドロッ…」
あの時
自分の持っていたトリガーをひかなければ
ヒスイ「ぁ゙あぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あぁ゙ッッ!!!」
あの時…
あの時さえ…
俺が…
憂炎「泣いても笑っても、過去の過ちが消えることはない」
gr「……」
私の右腕である奴の見た目をした
中身は別人の誰か
瞳は炎のように燃え上がっている
憂炎「…例えどれだけお前が罪悪感に埋もれていたとしても」
憂炎「お前とお前の父親の罪も…」
憂炎「きっと今後一生恨まれるだろう」
gr「……そんなのッ…私も分かっているッ…グッ…!」
憂炎「……ふぅ…」
憂炎「だがな若造…」
憂炎「そのために御前ができることは無いわけじゃない…コト」
gr「本当なのッ?!かッ…?」
憂炎「あぁ、もちろんニコ」
gr「いッ、一体それは何なんだッ!」
gr「俺は一体何をs((((」
gr「はッ…?」
憂炎「だってそうだろう?そうすれば翡翠との戦いもなく終わる…」
憂炎「実際問題…君たちフュ−ラ−家のやってきたことは」
憂炎「今まで数え切れないほどの罪だ」
憂炎「私もお前達が嫌いだ、私の大切な宝…愛しい人達を…」
憂炎「大勢奪ったのだから…ジトッ…」
gr「……ぁ゙ッ…ぉれッ…はッ…ジリッ…」
彼女の言っていることは正しい
例え私が祖先の大罪の話を知らなくとも
悪行を働いたことは分かっている
それで彼女は…
ヒスイ「……」
俺を見るときのその瞳は
いつもどこか悲しそうで
怒りに満ち溢れていた
gr「……ヒスイ…か…ペラ」
絶対に忘れるはずがないのに
”知らない記憶”で塗りつぶして
自分に言い聞かせていたんだ
なんとも馬鹿らしい話なんだろうか
憂炎「ま…それは冗談だ、スクッ…」
憂炎「私はお前のことなど興味はない…カツカツ」
憂炎「罪滅ぼしならば…」
gr「ッ!!」
でも今は俺なりの
彼女に対する謝罪を
gr「ヒュオ~…」
これで示すしか無い
憂炎「”朱雀炎光”ブオンッ!」
ヒスイ「ッ!!カキンッ!」
ヒスイ「(一撃一撃が全て重いッ…」
ヒスイ「(トントンの斬撃と異なりすぎてッ…!」
憂炎「どうした翡翠、そんな遠くからでは私に近づけないぞ?スタスタ…」
ヒスイ「ふぅ゙~…スッ…」
ヒスイ「”一の段 温風ッ”ビュオッ!」
憂炎「なるほど…目には目をというやつかwバッ!」
ヒスイ「どうしてッ…どうしてッ?!」
ヒスイ「貴方が望むのは平和なのでしょうッ!」
ヒスイ「これが終わればッ!」
憂炎「……変わってしまったんだな…翡翠…」
ヒスイ「変わってしまったのは貴方ではありませんかッ!カキンッ!」
憂炎「お前はそんな子じゃなかった…」
憂炎「お前はただ”世界のため”という逃げを作っているだけだ」
ヒスイ「違うわッ!」
憂炎「本当は夫息子を奪われた復讐心のために動いているだけだ…」
憂炎「お前はそれを…」
ヒスイ「貴方にッ…」
ヒスイ「私の何が分かると言うのですかッ!ポタポタッ…」
憂炎「人の憎悪など!量っていいものではないのだ!バッ!」
憂炎「なぜ苦しいものに順をつける?!ブオッ!」
ヒスイ「貴方は実際何もしらないじゃないッ!パキッ!」
ヒスイ「私をッ…知ったふうに言うのは一体ッ!」
憂炎「知った風に言うのはッ!」
憂炎「せめてでもそれを相手の気持ちを考えてのことだッ!」
ヒスイ「それがッ…私はッ…ドロッ…」
憂炎「まさかッ!!」
憂炎「よせッ!翡翠ッ(((」
ヒスイ「ブオンッ!」
憂炎「翡翠ッ!!」
gr「?!」
os「何事やッ!」
ps「やばいよッ~!こっちの通信回線切れたッ!」
gr「なんだと!バッ!」
os「一体何がッ…」
pk「ゾワッ!!」
mb「今の音はッ?!」
mb2「位置的にヒスイ様かとッ…」
pk「ヒスイッ…?クルッ!」
心配だ
彼女が消えてしまう気がした
それだけが恐怖だ
今の俺にとっての宝物は
ルネ「?!」
rd「ぉ゙わッ!」
ルネ「地面が揺らいでッ…!」
rd「ルネッ…?花が…」
ルネ「え?」
ルネ「嘘ッ!私のお花がッ…!」
枯れていく花々
まるで生命を吸われているようだった
rd「!!」
rd「ルネッ!急いで自分と花を切断しろッ!」
ルネ「ぅッ、うんッ!バサバサッ!」
rd「おいおいッ…全員殺すつもりかぁ゙~…?w」
ヒスイ「……」
考えれば考えるほど
頭に残るのは彼等の最後の姿だけ
愛している人はもういない
もう眠りたい
もう最後にしたい…
憂炎「なんということだッ…最悪の方が起きてしまったッ…ズリッ…」
ヒスイ「カツカツ…」
憂炎「ッ…!」
憂炎「若造達よッ…すまないがッ…グッ…」
憂炎「翡翠はもう助けられないかもしれないッ…!」
次回➳深 く 暗 い 闇 の 底
🔷ぷちめも🔮
奪命喰い
それは生命すべてを奪う最大の”呪い”
蛟の一族はその呪を発動することで、少しずつ世界を侵食していく
だがその対価に、当事者の命は全て刈り取られる
地獄でも天国でもない
寂しく辛い闇の深い場所で魂は彷徨い続けているんだとか…
NEXT➳♡2100
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