「あ、起きた?翔太」
「んぅ?あべちゃん?」
「うん、俺だよ」
「んー?うれしいけど、なんでー?」
「翔太が離してくれなかったんじゃん」
「んー、そうだっけ…?」
まだ目覚めきってないのか、ぽやぽやとした声で返事が返ってくる
その間もぼーっと見つめられている、というか俺だと嬉しいんだ
瞬きが増えてきて、瞳の焦点が合ってきた
「………!?え?あべちゃ!?…なんで?!」
自分がしがみついていたくせに、急にズササと後ろに下がって距離を取られる
「お目覚めですか?プリンセス?」
冗談めかして聞いてみるものの、翔太は大パニックで、それどころではない
「え、え、なんで?え、ここどこ?なんであべちゃん?」
「ここは俺の家。翔太疲れて楽屋で寝ちゃったでしょう。その時に俺にしがみついて離れてくれなかったから、連れて帰ってきたんだよ。ちょうど俺だけ明日の仕事は夕方からだったし」
「うそ!」
「メンバーが証人だよ」
「みんな見てたの?!」
「だって、佐久間がなんとかシャワーから連れ帰ってきたと思ったら、急に、抱っこ、とか言って飛び込んできたんだから」
「……だっこ……」
「なんで俺だったのか、みーんな不思議そうにしてたよ?」
「いやそれは、…………っ/////」
ぶわわわっと一気に頬が赤くなる
「や、えと、それは、その…」
(めちゃくちゃ様子がおかしいけど可愛いな)
「えと、あの、とにかくごめん!あの、その、、……俺キモかったよな……ほんとにごめん」
「別にキモいとかは。むしろ大変に可愛らしかったよ?」
素直に感想を述べれば、今度は赤みが顔全体に広がる
「かわいっ………////って……///、、、っあ!お、おれ!帰るな!ごめん!迷惑かけて」
「え、もう遅いよ。泊まって行きなよ」
「いや!だって!急だし、邪魔だろ?」
「邪魔なんかじゃないよ」
「いやでも!これ以上はっ!」
「翔太、落ち着いて、大丈夫だから。ほら、一旦深呼吸しなさい。」
立ちかけている翔太の両肩に手を置いて、ソファに座らせる
「はい、吸ってー、吐いてー」
「……すぅー、はぁー」
ここで素直に言うこと聞くところがちょっとおバカさんで可愛い
「落ち着いた?」
「うん、ごめん。なんか、いろいろと全部」
「いいから、気にしないの」
「はぁ〜、やっちゃった……」
しゅんと落ち込む様子は子犬のようだ
コメント
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大変可愛らしいです