🖤蓮side
話し合いは物別れに終わったが、お互いに無視することはやめるよう岩本くんに命令された。
俺たちは表面上、元通りになった。
時間をかけて、やがてしょっぴーとまた軽い冗談くらいは言い合えるようになり、ラウールも少しは安心してくれたようだ。
しょっぴーは何か相談事があると、俺ではなく阿部ちゃんに話しているようだった。
近頃二人でよくいるところを見掛ける。
寂しいけど、自分で蒔いた種なので仕方がない。
そう思っていたら、ある日、阿部ちゃんから電話がかかって来た。
💚めめ、今からちょっと出て来れない?
🖤構わないけど、どうかした?
💚うん。ちょっと
聞いても阿部ちゃんは濁すだけで肝心なことを答えない。
俺は指定されたカフェに向かった。
奥まった席に阿部ちゃんがいた。
テーブルの上の参考書とノートを閉じる。
相変わらず努力家なんだなと感心していたら、阿部ちゃんがいきなり本題に入った。
💚翔太のことなんだけど
🖤………
💚悪いけど、全部聞いた
🖤そう…
💚めめは、翔太のこと、もういいんだよね?
🖤もういいってなに?
💚もう付き合いたいとかそういうのは
🖤付き合いたい
💚………
🖤好き、愛してる、絶対に諦めない
💚めめ……
阿部ちゃんは困ったようにため息を吐き、頷いた。
こうしてしょっぴーの心が離れてからも、俺はずっとしょっぴーのことを忘れることはなかった。
どんなに寂しい夜も、一人で耐えた。
しょっぴーの涙を見たから。
もう、他の男と寝たりなんかしない。
遅すぎた気づきだったけど、もし許してくれる可能性があるのなら、俺はもうしょっぴーだけでいい。
💚翔太が近くにいるんだけど、会う?
🖤会いたい
俺は考える間もなく、答えた。
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