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「こんな所にお父さんと二人で退屈じゃないかい?インターネットもテレビもないのに?」
「インターネットは学校に行けば調べものとかできるし、テレビも見る習慣がないからとくに何も困らないわ」
「学校って?」
「ここから歩いて一時間ほどの所にスクールバス停があるの、そこからさらにバスで一時間よ」
「そんなにかかるのか?」
隆二は驚いた、まさにここは秘境だ、リーファンがまた、あの美味しいお茶を淹れてくれた
気が付くと、二人でお茶を飲みながら、暖炉の前のリビングですっかり話し込んでいた、リーファンの目の前で隆二が寝っころがって肘をついてリラックスしている
「君は日本人なのにどうして「リーファン」と呼ばれているの?」
「日本の名前はちゃんとあるわ、でも現地の人は呼びにくいみたいで、日本の名前にちなんで中国語で呼ばれているうちに「リーファン」で定着したの、いわば、「ニックネーム」ね」
「へぇ~・・・」
二人の横でブルテリアのウーロンが木の板を咥えて、がむしゃらに振り回している、いかにもエネルギーが有り余っている風に見える
「あの犬は君のボディーガードかい?いかにも乱暴そうだな」
クスクス・・「この人里離れた所にボディーガードなんて必要ないわ、でもその必要があれば喜んで役目を引き受けてくれるでしょうね、ウーロンは狩りの名人なの、この間なんかあなたの車のタイヤほどある穴熊と格闘していたわ、それに人に噛みつくのも大好きよ、初めて会った時にあなたは気絶していてラッキーだったわね」
「うわ~!怖いな」
二人は今や大あくびをしているウーロンを見て笑った
「もうすぐ私18歳の誕生日なの、来年から日本の大学に通うのよ!もう推薦も受けてるのよ!」
「へぇ!それはすごいな!日本に来るの?それじゃここはお父さんだけになるの?」
隆二が目を丸くして聞く
「日本の大学で学ぶことは父のいたっての願いなの!父は有名な陶芸家で成功したけど、結婚生活では失敗したと思ってるわ、気の強い母に浮気されて父は人間嫌いになって・・・こんな所まで私を連れてやってきたけど、私には日本に行って良い人間関係と素晴らしい人生を歩んで欲しいって思ってるの」
「うん・・・お父さんは正しいな、絶対その方がいいよ、人見知りしない君は多分とても良い人間関係が出来るよ」
―特に男が君を放っておかないだろうな・・・
隆二は心の中でそう思った、彼女が美しすぎて言ってる事に相槌を打つのが精いっぱいだった
可愛い声で沢山おしゃべりしてくれる、コロコロ変わるその表情を、どうしても何時間もうっとり見つめるのをやめられなかった、彼女の隣にいてウーロンの様にデレデレと舌を伸ばしてしまいそうだ、それでも彼女の声を聞いているのはとても心地よくてなかなか「おやすみ」が言えなかった
クスクス・・・
「あなたは本当に38歳に見えないわ、まるで大学生みたい」
―こんなに美しい娘は見たことがないなぁ―
リーファンの作ったクッキーを頬張りながら、さわやかな夜風を受け・・・本当にここはこの世ではない様な気がしていた、日本での生活や・・・経営者で抱えている仕事とは今はかけ離れて、まるで桃源郷で天女といる様だった
隆二はいつまでもこのまま二人でいたいと思っていた
「若く見えるけど、18歳の君からしたら、僕はおじさんだよ」
「おじさんなんかじゃないわ・・・」
リーファンはドキドキしながらじっと隆二を見つめた、くつろいでいる風呂上がりの彼からバラの石鹸の香りが漂って来る・・・同じ石鹸を使っているのに、どうしてこんなにも違うのだろう・・・
しばらく二人は無言でお互いを観察し合った、初めて会った時からこんな風になる予感はしていた、リーファンは隆二に運命の様なものを感じていた
そっと彼が身を寄せて来て、薔薇の香りが濃厚になった、リーファンは凍り付いたように動けなくなってじっと待った・・・
やがて彼の滑らかな唇が彼女の唇にふれた
最初は優しく、それからしっかりと、そうしてリーファンの閉じた唇を開かせる、彼の口は温かくてベルベットの様に柔らかで
舌と舌が触れ合った途端、体の中を激しい欲望が駆け巡った、リーファンも夢中で彼の舌と唇を吸った
「おっ・・・おやすみ・・・」
「・・・おやすみ・・・」
ハッとして、照れた隆二が言い残して部屋に引き下がった、リーファンも自室に下がってパジャマに着替えることにした、
リーファン・・・18歳・・・彼女にとってはじめてのファースト・キスだった
「・・・素敵なキスだった・・・」
着ていたジーンズとTシャツを脱ぎ捨てて、生まれたままの姿で彼の前に立った、そしてさっきのキスを思い出しながら、目を閉じて夢想の世界に入って行った
隆二が横にいて燃えるような目で自分を見つめている、夢想したままそっと自分の乳房を触った、乳首が硬くなるのがわかった・・・
指先が下に滑って行き、平らな腹部を撫でた、夢想の中で隆二の手が彼女の手に取って代わった
―私・・・隆二が好き―
・:.。.・:.。.
隆二の手はさらに下に伸びていき、彼女の脚の付け根に達すると、そこを優しく撫で、押しさすり、次第に早く強く反復を続けた
リーファンは歓喜の渦に飲み込まれ、息を弾ませながら、隆二の名前を小声で叫ぶと、ベッドの上に転がった