「め…め…」
愛する人が起きた
すぐにナースコールをし、愛する人は検査をされるようなので、俺は一旦、病院のロビーに行くことにした
そこには、マネージャーとメンバーがいた
「目黒…?」
舘さんに問いかけられ、
「はい?」
「泣いた…?大丈夫…?」
勘が良くてメンバーのことを普段からよく見てる舘さんは、俺の少しの変化も見抜いたみたいだった
「ほんまや…泣いた跡ついてる」
康二に顔を覗き込まれ泣き跡を指摘される
「ほら、ここ座って」
ふっかさんが自分の座っていたところを譲ってくれる
そこに座る
すると、背中を無でてくれる人がいた
「大丈夫。大丈夫だからな。」
岩本くんだった。
ずっと、何も言わずに背中を撫で続けてくれた
涙の訳も聞かずに
すると、目の前にスーツを着た男の人が立った
30代ぐらいだった
「お話を、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
どうやら、警察のようだった
警察には関わりたくない
「ごめんなさい…思い出したくないので…」
そんな言葉を並べて断る
「警察の頼みを断るんですか!?」
「警察に協力をしないなんて……」
「テレビで見る”目黒蓮”は猫被りだったってわけね〜」
「わざわざ、そんなことを口に出さなくてもいいと思うんですけど」
言葉を遮るように少し大きな、でも、重みのある声で阿部ちゃんは警察に言う
「そんなことまで言って捜査に協力させようとするんですか?」
「本人が無理なら無理。それでいいじゃないですか」
阿部ちゃんの言葉にふっかさん、舘さん、康二、ラウールと続く
「警察の方はトラウマという言葉をご存知ないのですか?」
「彼にも大切な人が死にかけたというトラウマがあるんです。」
「それでも、まだ答えを聞きますか?」
「……分かりましたよ」
警察の人は、悔しそうな顔をして去っていった
「めめ?」
「どしたん?」
康二が優しく聞いてくれる
「いや、なんでもない」
なんでもないわけない。
でも、言えなかった
“嬉しかった”この言葉が出てこなかった
ある人に呼び出された
『よく来てくれたな』
「もちろんです」
『もう1人は刺されたと聞いたが、大丈夫か?』
「えぇ、まだ目が覚めていませんが、命に別状はないそうです」
『そうか。お前ら2人どっちかが欠けたらこっちも何も出来ないからな』
「そんなに大きい存在ではないですよ」
『いや、お前らは2人で1人だ。そうだろ?』
「えぇ、まぁ、」
『例えば、どちらかが死んだとする。』
『そうしたらきっと、もう1人も死ぬだろ?』
『それが、困るんだ』
「そうならないよう、気をつけながら生活しています」
『そうだな』
『それで、調査は完了したか?』
「えぇ、このとおり」
束になった紙を差し出すと手が伸びてくる
その間、顔を上げずにずっと下を向いていた
“あの方”の顔を見る事が許されているのは僅か1人しかいないから
『よくやってくれた』
『もう1人が目覚めしだい、こいつを始末しろ』
「いいえ。今日、私が始末します」
『1人でいけるのか?』
「1人、指示役を出してくれればやれます」
『出さなければ?』
「こいつを始末することはできません」
『なぜ、断言出来る?』
「書類に記載されている通り、やつは今日、アメリカへ向かいます」
「アメリカで暮らす予定になっているので、もし、そうなった場合、見つけることは不可能に近いかと」
『さすが……漢字が弱い割には頭の回転がいいな』
「ありがとうございます」
『よし、1人出そう。』
『もう帰っていい。いい報告を待ってる』
「必ず、やり遂げてみせます」
『期待してる』
頭を下げ、そのまま出口に向かう
この部屋はいつも薄暗い
さっき、資料を取ったのも、”あの方”ではない
でも、”あの方”が実際にいることは確信している
外に出て少し歩くと明るい日差しが見えてくる
その先には、内部の人間と思われる人物が1人、立っていた
男だった
「海岸付近の廃墟ビルに20:00集合」
「了解」
「ターゲットを発見」
『了解』
『これより作戦を開始する』
「準備完了」
『銃を構えよ』
『3・2・1』
バァァァァン
大きな音が鳴り響く
銃弾は1発で目標に到達する
「任務完了」
『ご苦労様』
「報告しに行ってくる」
『分かった』
「報告させていただきます」
「無事、ターゲットを始末いたしました」
『よくやった』
『ご苦労様』
「失礼致します」
そのまま、誰もいない家に向かって歩いていった
『おっけー!!』
『目黒くん、大丈夫?』
と、声がかかった途端、俺の所へ人が寄る
俺は、珍しくNGを連発していた
例えば、ボスがいる所から外へ出る時
「必ず、やり遂げて見せます」
『期待してる』
頭を下げ、扉へ向かう
……が、壁に衝突
頭を思い切りぶつけた
「だッッ!!」
『ん”ふっ……』
と、2人とも笑ってしまったので、やり直し
『よく来て…ふっ』
と、ボスがツボってNG
俺の顔を見て笑った
まあまあ傷つく
3テイク目、今度こそ決めたい
順調に進み、扉へ向かうところ
「必ず、やり遂げて見せます」
『期待してる』
そのまま、扉へ向かう
『あ、』
スタッフさんがなにかに気づく
と、撮影は止められる
『目黒くん、頭下げないと』
「あ、」
完全に扉を開けて外に出ることを意識していて忘れていた
もう1回
これで、ようやくおっけーが出た
で、全て撮り終えて、この始末
スタッフさんに留まらずメンバーもいじってくる
今日の俺は調子が悪いみたい
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!