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一生悪友

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一生悪友

8 - そして、ふっかさんは幸せになった

♥

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2025年03月02日

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それからしばらく俺と口をきくのは、照くらい、という日々が続いた。メンバーにとって腫れ物扱いのような毎日が続き、俺のメンタルもずっとどん底のまま。

俺はそこから抜け出すことができずにいた。

あんなに楽しかった毎日がただただ苦痛でしかなくなってしまったことが信じられなかった。

自分で招いたこととはいえ、俺は自分でもどう決着を付けていいか分からなかった。



そして、ある日とうとう、グループ仕事の合間に照と話すことにした。



💛本気か?ふっか



俺は頷く。

俺の決意は固かった。



『俺はSnow Manを辞める』



もうそれしか解決策が思いつかなかった。

照には考え直すように諭されたが、気持ちは変わらなかった。






その日の帰り。

俺は会社から出ようとして、一人の見慣れぬ女性が出入り口に立っていることに気づいた。

ぶつぶつと何かを呟いている。

危険な感じがして、声を掛けようとした時、ちょうどなべが出て来た。



「渡辺くん!!!」



その女は、ものすごい勢いで、なべに向かって突進して行った。

手元に光るものを見て、俺は咄嗟にその女の前に立ちはだかった。



「何すんのよ!」



一瞬の出来事だった。

女が両手で握りしめていた出刃包丁が、俺の腹に深く突き刺さった。



💜いっ…てぇ……



女は悲鳴を上げるとその場にしゃがみ込んだ。

失われていく意識の中で、耳に女の「渡辺くん渡辺くん渡辺くん」という呪文みたいな気持ち悪い呻き声と、ふっか!!!と叫ぶ愛しいなべの声が聞こえていた。







目を覚ますと、まるで鼓動みたいに規則的なずきずきとした鋭い痛みが腹のあたりを熱くしていた。

傷口が焼けるように痛い。

腕には点滴が刺さっている。

俺はまず、痛み止めが効いてねぇなと思った。



💜なべ……?



俺の太腿のあたりでなべがもたれて寝ていた。

窓の外はもう真っ暗だ。

何時間もここにいて、眠ってしまったのだろう。

俺は腕を伸ばして、なべに触ろうとしたが、傷が痛んで声が漏れてしまった。



💜いてぇっ!!


💙……ふっか…?



なべが目を覚ました。

暗くて見づらいけど、なんだか泣いているように見える。



💙ふっか…よかった。目が覚めた…


💜なべ……



俺も涙が込み上げて来た。

本当は死ぬほど怖かったから。

マジで死ぬと思ったから。

もうなべに会えないと思ったから。



💙ごめん…


💜なんでなべが謝るんだよ


💙あの人、俺のファンだって…。本当にごめん…


💜そんなのなべのせいじゃないだろ


💙それと…グループ辞めたいって聞いた。それもごめん…ほんとに


💜それも俺の勝手だから


💙嫌な思いさせて、ごめん



違うんだ。

違うんだよ。

俺はもう喋れないくらい、泣いていた。


なべが心配そうに俺の顔の方に近づいて来た。

泣き顔なんて見せたくないのに。



💜おれ…っ、なべのことが好きだったんだ…っ


💙…えっ?


💜目黒に嫉妬した、阿部や佐久間が羨ましかった


💙えっ…えっ??


💜全部俺のせいなんだ……っ



…言ってしまった。

俺は涙でぐしゃぐしゃになりながら、今まで言えずにいたことを洗いざらい全部ぶちまけた。



もう嗚咽で何の言葉も出なくなった頃。

なべが優しく言った。



💙俺も、ふっかがいなくなったらと思ったらもう無理だと思った


💜………


💙好きになってくれて、ありがとう


💜なべぇ……んぐっ……ひっ!


💙お前、今すげぇブサイクな顔してるぞ


💜うる…せぇよ……おおーん…っ


💙化け物みたい(笑)


💜いま…言うこと…かよぉっ……



なべは、ゆっくりと俺に近づき、優しく額にキスをした。



後で聞いてみたら、顔中が鼻水と涎でとても顔にはキスできなかったと言っていた。



……最後まで締まらないな、俺。



なべはあの時の目黒からの告白は断ったそうだ。

俺につれなくされてから、なべの中で俺の存在がどんどん大きくなっていってたらしい。



すべて俺の作戦通りだ。

押してダメなら引いてみろってな!(笑)



俺の名誉の負傷は全治3ヶ月というまあまあな重傷だったが、そんな痛い思いと引き換えに、俺はかけがえのない最高の恋人を手に入れた。

これからも絶対に幸せに付き合っていきたい。

そして同じアイドルとして、光り輝き続けていきたい。


俺たちは、最高で、最強の恋する悪友だ。





おわり。


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