テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ガチャ🚪
「…何してんだ」
「あっ」
皇后崎が帰ってきてしまった。…今は顔を見たくない。でも、なんで……いかないでほしい、そばにいてほしいと思ってしまう。………ごめんなさい
「…別に、ゲームに負けただけ」
「チッ、さっさと寝ろ」
「あいあい」
夜はあまり好きじゃない
暗くて なにも見えなくて 何もかも思い出してしまう
「…」
眠れない。
あの頃の感覚と空気、声だけが頭の中に響く
ーーー優しい声
それが一番嫌いだった
「いい子だね」
その言葉のあとになにをされるか、全部しってる
その優しさは、いつも何かの前触れだった
やめてと言っても、逃してくれない、聞いてくれない
おれはその時から何かがきれた
何も感じない
味がしない
でも、胸の奥がずっとざわついてる
誰かに体を売って、金をもらって、それだけでよかった
誰かに必要とされる。…愛してくれている。
そう思ったほうが楽だった。
でも……
「最低っ!そんなヤツいんの⁉︎」
「えっ…?」
高校の友達に言われた
体の関係を持つことが”愛”なんだと思っていた
友達は怒っている様子なのに、顔は真っ青な状態で言った
「そんなの”愛”じゃないッ‼︎」
胸が 痛くなる
息が 呼吸が できない
じゃあ あれが”愛”じゃないなら なに…?
俺は不登校になった
もう誰とも連絡を取らないようにした
死のうと思った…でも、邪魔が入った
「何をしている」
ムダ先だった。俺は自分が鬼であり、さらに鬼神の子ということを聞かされ、ほぼ無理矢理 羅刹学園に入学させられた
もうどうでもよかった
皇后崎たちは冷たくて、なかなかに仲間意識がない奴らだった
ちょっとだけ安心した。
でも……なんでだろう………ちょっと胸が苦しいな
シーツを握りしめる
なんで今更あんなこと思い出すんだろう
胸が苦しい、怖い、それを誰かに言うことはない
言ったとこで何も変わらない
拒絶されて、俺を愛してくれない
朝がくれば、全部無かったことにできる。
いつもの四季になれる
ずっと笑って、普通にしていればいい
それが一番…楽
「…結局、あんま寝れなかったな」
早くいつもの調子を取り戻さなきゃ、
「四季」
名前を呼ばれて、肩がびくっと揺れる
「…ムダ先」
振り返るとそこにいたのは無陀野だった
「どしたのムダ先!なんかあった?」
いつもどうり、笑う
だけど、ムダ先は少しだけ眉をひそめた
「…顔色が悪いぞ、体調管理はしっかりしろ」
「…別にいつもどうりだよ、気のせい気のせい」
「そうか…」
それ以外なにも言わない
ただ、それだけなのに……どうしてだろうか
“何もしてこない”
ただそれだけ…
それが怖かった。
いつもなら、何かしてくる
優しさには、意味がある
そうじゃないとおかしい
自分は望んでいたはずなのに
…それがこんなに怖いとは思っていなかった
無陀野はただ立ち止まっていた
「…」
無陀野は四季に初めて会った時からずっとわかっていた
四季の笑顔は偽物だと
でも、何回か本性で笑っているのを見た時…今まで感じたことのない感情を抱いた。
胸が痛い。
心臓の動きがいつもより早い
少し経って、ようやく気づいた
俺は四季のことが好きだ
四季のことは入学する上で色々と調べていた
学生の身で体を売っているのは知っていた
もう一生辛い思いなどさせない
だから、 だからもう泣くな
ムダ先はただ黙ってこっちを見てる
「…なに、それ」
じわり、と視界が歪む
違う。泣くな。
こんなの大したことじゃない
今までのほうがよっぽどーーーーー
「…っ」
そこで、言葉が止まった
“よっぽど”?
何が
息が詰まる
胸が痛い
まずい
何かが、溢れ出しそうな
ーー優しくされるのが嫌い
いや、怖かったんだ…
また、裏切られるのが
「なんで……」
ぽつりと零れた言葉と一緒に
一滴、涙がこぼれ落ちた
それだけでもう、ダメだった
止め方なんて知らない
「…四季」
ムダ先が俺を抱きしめた
「やめろよ……やめろって」
ぐしゃっと顔を歪めながらも、ムダ先を押すはずだったのに、手が動いてくれない
こんなふうに泣くのは久しぶりだった
もう、覚えていない
思い出したくない
ただ一つハッキリとしているのは…
「……こわい」
ムダ先は何も言わずに俺の頭を優しく撫でてくれた
「四季くんっ⁉︎」
「!チッ、おい無陀野、オメェ何してんだ」
チャラ先と真澄隊長だった、2人ともギョッとしたような顔をして、俺達のもとにきた
「…ダノッチ、まさか四季くんを泣かせたの……?」
「まさか、お前がやらかすとはな、いつまでも抱きついてないで離れろ」
殺気がこまれた目で見られる
真澄隊長に肩を掴まれたて、ムダ先から離そうとしていたが、なんでか、泣いている顔をあんまり見られたくなくて
ムダ先にしがみついた
「あ゛ぁ?」
「…」
「…四季はこのままがいいそうだ」
「…四季くんは、ダノッチがいいの?」
チャラ先が静かに俺に聞いた、いつもより真剣にまっすぐこっちを見て聞いてくる
「……」バッ🙌 ギュッ
「‼︎」
「⁉︎」
ずっと見られるのは嫌いだ
だから、3人まとめて抱きしめた
あったかい……
「!おい一ノ瀬」
「四季くんから…ハグ……」
「…」
真澄隊長はぐちぐちと言う割には俺から離れない
…息ができる
色が見える
「……離れないで」
小さく、でもハッキリと告げる
「…うん」
「チッ」
「……四季」
四季は寝不足のせいか、そのまま眠ってしまった
「…四季くん、大丈夫かな」
「チッおい無陀野、ちゃんと見とけよ。コイツのこと」
「あぁ、勿論」
コメント
2件