テラーノベル
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「ん…」
白い……天井…?あれ おれなにして……‼︎
「やっっべ!俺、あのまま寝ちゃってた??」
寝落ちする前のことを思い出しあたふたとしていたところでカーテンが開いた
「四季くん、起きたね」
「チ、チャラ先!」
「そんなに焦んなくても大丈夫だよ」
「今日はもうゆっくりしてな」
チャラ先が目を細めて優しい目でこっちを見ながら言った、嫌じゃない……
俺、少しずつ変わってきてる
「…ちょっと、外の空気吸ってくる」
「あ!ちょっと、一人で出ちゃダメだよ!」
その時、保健室の扉が開く。ムダ先だ
「…起きたか」
やばい、あんなことがあってからちょっと気まずい
「丁度よかった!ダノッチ、四季くんが外の空気吸いたいらしいからついて行ってあげて」
まじか
「……落ち着いたか」
背後から話しかけられ、振り返る
「…うん……」
「ちょっと青空が見たくなって…」
嘘だ、本当は
“あの感情”を考えるため
「よく眠れたようだな」
「そうだな」
短く返す
少しの沈黙
「お前はもう少し周りを頼れ、一人で無茶をするな」
呆れたような声
でも、その奥にあるものを……俺は………ている
受け入れるのが怖い。うまく言葉にできない
「…なんでそんなこと、言うんだよ」
ぽつりと呟く。
ムダ先は目線だけこちらに向ける
「…俺めんどくさいよ、こんなヤツ放っておけばいいのに………」
「…なんで、おれなんかに…」
いいかけて、とまる
「なんで…なんで、そんなに気にすんの」
風が吹く
風の音に紛れそうなくらい小さい声だった
ムダ先はため息をついていた
こっちに近づいてくる
「っ…」
それが、少し怖かった。
また捨てられる
もう慣れていたはずなのに
…こわい
「…お前は、本当に分かっていなかったのか」
風が強く吹いているのにムダ先の声はしっかりと聞こえた
「は?、当たり前でしょ」
即答する
「…でも」
言葉が続く
「前よりは、まぁ……分かってきたと思うよ?」
胸に手をあてる
あの時から消えない胸のざわつき
あの言葉を思い出すたびに
胸の奥が熱くなる
「…アイツらがいなくなんのは嫌だ」
それは初めて…いや久しぶりの感情だった
不思議と怖いとは思わなかった
「やっとか」
その言葉は揶揄うでいて、どこか安心したような響きだった。
空気が少しだけ変わる
いつもは表情を変えないムダ先が少しだけ顔を緩めた
「…この感情がなんなのかまだ分からないけど」
でも
「悪い感じじゃないよ」
それはハッキリとした言葉
「むしろーーー」
少し迷って、
でも、今度はちゃんと口にする
「…あったかい」
その瞬間
胸の中の”名前を忘れてしまった感情”に、輪郭がついた。
ムダ先の指が、俺の目の下の泣きぼくろをなぞる
突然のことにびっくりしたのと、くすぐったさで肩がびくっと揺れる
「んっ、ムダ…先?……どしたの?」
「四季」
「”好きだ”」
「…えっ?」
心臓が大きくはねる
今まで好きなんてたくさん言われた。
何も感じないか、胸が痛くなるくらいで、こんなに胸がドキドキすることなんてなかった
なに…
「…」
「お前が”愛”を理解できないことはわかっている」
なに
「…だから、理解できるまで何度も言う」
「お前が好きだ」
なんで
「…なんで、嫌だと思わないんだ」
「ムダ先、この感情は…」
ムダ先はまっすぐ俺の目を見て言った
「それが”愛”なのかもな」
…”愛”
そうなのか
思い…だした
皇后崎達にも抱いたことのある
今までそれを受け入れるのが怖かっただけで
本当は…
本当は分かっていた
それが”愛”ということなんて
ずっとビビって逃げていただけ
もう、逃げない
「…理解できるまでじゃなくて」
少しだけ目を細めて笑う
「もう、分かったよ」
無陀野は目を見開いてこっちを見ていた
「まぁ、でも完全にってわけじゃないから」
今度は満面の笑みで
「…返事はまだ待っててね‼︎」
ムダ先は少し口角をあげて言う
「あぁ」
コメント
3件
初コメ失礼します! すごく面白いです! まだ最終回じゃないのに感動して泣きそうでした笑 続き楽しみです!