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「んで、どこにどんなの描いてほしいの?」
「おい」
あれから一通り騒ぎ倒したレムリンはスッキリした顔で初の依頼を受けていた。
「ぅおい!!この顔のはなんなんだ!!!」
「あきゃっ!あきゃっあきゃきゃきゃ!」
「ん何笑ってんだ!!」
ゲラるレムリンに怒るルド。そのやり取りを見てラムレザルは何となくだが、どんな奴がまじない屋に選ばれるかわかった気がした
「あらためて僕はレムリン!!新しい”まじない屋”として遊…頑張りマス!!」
「つぅか何代目なんだまじない屋って」
「こいつらにとって絵が記録だから文面に残してないんだそういうの…ラムレザルなら分かりそうだが?」
「ワタシも詳しくは知らん。ただ、先々代の頃から世話になってた」
買ってきたスナック菓子を食べながらラムレザルは先々代の時のことを思い出していた。
「でさあのさ さっき気付いたんだけどさ。僕、人に描く時は “許可” とらないと能力出ないっぽいんだよね。外の町でも許可とってから壁に描く事多いから多分それと同じ!」
「ゴブの時もだったよなそれ。能力もそのまんま受け継ぐのか?」
「歴代似た感じの能力だがビミョーに差が出るんだってよ。深く考えたら頭痛もんだから深く考えないことだな。うん」
前に能力の事、受け継ぐ条件その他諸々を説明されたが頭が情報処理出来ずにパンクしただけだったので彼らの事について深堀しないと誓ったラムレザル。
「”大ダメージを1回だけ緩和する” ってのを身体に描けばいいんだね!うけたまわりィ」
「世話になったな町長、レムリン」
「いやいや。こっちこそバタバタして悪かったな。さすがにこの子も9人分描くのはキツかったようだがな」
「あきゃ…」
「初めてなのによくやってくれたよありがとう」
フラフラのレムリンを支えながら町長はラムレザルに視線を移した
「ラムレザルのは本当にいいのか?」
「こればっかりは諦めるしかねぇよ旦那」
「これから禁域に行くんだろう?大怪我でもしたら…」
「描こうとする度に拒絶反応が出るんだ。無理に描く必要はないし拒絶反応が出る原因も見当はつく」
「お前のもう1つの人器か?」
「多分な」
「レペル…だっけか?」
「ああ。こいつは護りに特化してるもんだからか知らんが”外からの護り”とはとんでもなく折り合いが悪いんだ」
ラムレザルの心臓は人工心臓で本人の意思関係なく常時能力は発動状態で能力としては内傷を治すというもの。有難いのか何なのか分からない問題児である。(※ちなみにこれを無視してかけたのはたった1人しかないとか)
「レムリン、今度ワタシの育った町に来いよ。この町に引けを取らないレベルで楽しいからよ」
「ラムの育った町!今度行く!」
町長とレムリンに別れを告げラムレザル一行は拠点へと戻った