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本部に戻るなり掃除屋の装備を担当するオーガストがルドのフルフェイスが出来たと騒いでいた
「うるせぇなオーガスト」
「ねーちゃん!ねーちゃんのも出来てるよ!!!」
「そうかいそりゃ良かった」
「冷たい!!!」
「兄さん!!」
「なんか…距離バグってる?」
「オーガストはラムの事大好きだからな。」
騒ぐオーガスト、それを止めようとするエイシア、そして虚無顔のラムレザル。一体どういう関係なのかは誰も知らないのが掃除屋七不思議の一つである
「はいこれ!ねーちゃんのフルフェイスとグローブ!!!!!」
ラムレザルに手渡したのは重圧感があり厚手のグローブとラムの性格を元に作られた獣寄りのフルフェイス
車の止めてある地下に足を運ぶ途中、人繋縄でルドと通信出来るようにした。
「(交換出来た…!)」
「嬉しそうだねルド」
「!べ、別に…」
「照れんなって!嬉しいのは丸わかりだからよ」
「俺でも交換してもらうのに半月かかったのに…」
「いやぁ、親子って便利だね!」
ラムレザルの人繋縄は、限られた人としか交換しておらず掃除屋の中ではルド含めた5人、プライベート用で数人程交換している
「飽きるほど行ったペンタに行くのか…もう疲れたよ」
「お前、前も行ってたよな?」
「なんなら仕事の大半が禁域巡りだわ」
助手席で足を組み偉そうにふんぞり返るラムレザル。彼女にとって禁域に行くのは日常なのだ
「相変わらず殺風景…いや、それはどこも同じか」
「これ、塵になった廃棄物か?」
「そ。あんま触んなよ汚ぇから」
禁域に着くなり遠くから地響きが聞こえてきたメンバーはその方向に顔を向けた。
「さっそくお出ましだぜ」
「ラムさんあれ大きいの?」
「デケェ上に数で押し切ってくるタイプの統率力ある系パワー型。厄介な奴。めんどくさい」
「まずは手馴らしよ!!!」
「楽しくなってきたね」
各々が感想を口に出しそれぞれの人器を構える
「大掃除開始!!!」
「とは言ったものの…」
「これじゃ大人数で来た意味無いね」
「普段はラム1人でこいつら倒すんじゃ。出来ないわけないやろ」
少数対多数、のはずだがラムレザルは1人で斑獣を相手にしていた。
自分の身長程の斧を振り回し次々にサソリ型斑獣を薙ぎ倒すその様はまるで鬼神。
エンジン達は吹っ飛んでくる斑獣の破片を避けるだけとなっていた
「ラストッ!!!」
鈍い音がしたかと思うとエンジンの足元にサソリの頭が転がってきた。
「ふう〜…ま、こんなもんだろ」
「ラム!オレらの分まで取るなよ!」
「ちゃっちゃと倒さないお前が悪ぃんだよ」
数名が騒ぐなか、ルドは1人だけある一点を見つめていた。
「(今、そこに何か…)」
「ルド、こっち来い。デルモン達と合流…」
ルドを呼ぶラムレザルは台詞を全て言い終わる前に口を閉ざし、砂煙の向こうを睨み始めた。
そんなラムレザルを不審がったエンジンはラムレザルと同じ方向を向く
視線の先には1人の少女がいた
「やっぱり…そうだぁ…」
少女はブツブツと呟きながらこちらに歩いてくる
「あなたたち、アモに会いに来てくれたんでしょ?」
「(あも?こいつの名前か?)」
ルドを後ろに隠しつつラムレザルは口を開いた
「お前いつからここにいた?気配すら感じなかった」
「?」
「…まさかあの女…」
少女との距離は約5m弱。敵意は今のところ感じられない。
“そもそも何故禁域に少女がいるのか?”
選抜メンバーがヒソヒソと話す中、ラムレザルは声を出した。
「”天界と下界を行き来してる女” を探してる。心当たりは?」
少女は少し考えたあと《ある》と答えた。
「探してた奴かもな。どうする?」
「…まぁ運が良かったって事で話聞いてとっとと帰「あのっ…」
エンジンの言葉を遮り少女は話し出した。
「ここ臭い…肺に悪いの…お話するんだったらアモの家でしない??そこならマスクなんていらないし…っ」
「「((じゃあマスク付けろよ))」」
「歩いてすぐだからね?ね?」
少女の家に行くか否かを決めかねている時、リヨウが《話聞きに行こうか?》と提案した。
しかしその提案に対してラムレザルはNOと返した。
「極力話し合いで済ませたいから全員で行くぞ。」
「話で済むといいんだけどな…」