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明けましておめでとうございます!!
本編をいつもより少し長くしました!!
エンダーがすぐ後ろに立っていた
月見が苦しそうに逃げ出そうとしている
アカシックが静かな声で言い放った
「エンダー……すぐに彼女を離せ。俺はスピリットロード(精霊王)だよ?君の命も握っている」
彼の手の上には彼女の核が浮いていた
それを見たエンダーは笑い始めた
「私を殺すおつもりですか、レコード様?貴方様は安易に人を殺さないとそう仰っていたのに?」
彼は無表情で彼女を見上げた
「……以外はね」
「え?何と仰いましたか?」
「禁じられたことをした者以外はね」
彼はそう言うとナイフのような鋭利な物を取り出し、彼女の核を押さえた
「君は……俺以外の他の精霊達が出したルールを破った。主に『人間には絶対に手を出さない』というルールをね。1回目は見逃してやったが……同じ過ちを犯すとはいい度胸だ……?さっきまでの威勢の良さはどこへ行った?」
それを聞いてエンダーの表情は強張った
段々と自分が今置かれている状況を理解し、震え始めた
上位精霊達を怒らせた……
いや
最上位の存在である精霊を直に怒らせた……
彼女はやっとの思いで声を絞り出した
「待っ……待って………助けて……この人間は離すから…………命だけは…………」
アカシックはその声を聞いて冷ややかな視線をエンダーに向けた
「君は……いや、お前は……俺を舐めているのか?……そもそも、チャンスはあったはずだ。一度過ちを犯した後は2度と俺たちに近づかなければ良かったはずだ」
追い詰められたエンダーは恐怖で叫んだ
耳を塞ぎたくなるような悲鳴だった
「助けて!!お助けください、ライム様ーーーーーー!!!!!!!!!」
その名を聞いて、アカシックは首を傾げた
(ライム…………?だれだ?)
???「全く、自信がたっぷりあるような顔をしてたから頼んだというのに……返り討ちにされているとは何事だ?」
いきなり声が響いた
「ライム様ーーー!!!!」
とエンダーが男に飛びつこうとした
それを男は避けた
「…………エンダー」
そう静かに言い放った
「はい!何でしょう?」
「……お前には失望した」
「え?」
「聞こえなかったのか?失望した、と言っているのだ」
「そ……っ!そんな!?!?私はこれまで貴方様の忠実な……部下だったじゃないですか!?」
「……私の忠実な部下だと、今ここで証明してみせろ。アカシック・レコードを含めて、全員殺せ」
「!!」
エンダーは瞬時に理解した
主人にとって自分はもう用済みなのだと
もう……私は……いらない…………
いらない……子なんだ…………
彼女は絶望を味わった
アカシックを殺せ?
無理だ。
相手は、あの幻の精霊……特異種の中の特異種だ
しかも、彼の仲間全員?
そんなの無理に決まってる。
「む……………無理です」
と彼女は声を絞り出した
「…………そうか」
と男は目を細めた
「ならば……死ね」
男は指をパチっ!!と鳴らした
彼女の核はアカシックが持っていたはずだが、いつの間にか男の手の中に移動していた
パチン!!
2回目の音が鳴った
彼女の核にヒビが入り始めた
「やめてください……お願いです……命だけは……どうか……もう一度……!!」
ヒビが入るにつれて、彼女の声は弱くなっていく
そして数秒後
彼女の核は完全に砕け散った
砕けた瞬間に、彼女は大粒の涙を流しながら
「ラ……イム様………」
と言い残して息絶えた
ライムはエンダーの核の欠片を踏み付けた
その光景を一部始終見ていたアカシック達は呆然としていた
同時に困惑もしていた
あのエンダーをそんなに苦労もせずに殺した……!?
彼女は特異種だったはず
特異種を簡単に殺せるこの男は……一体何者だろうか……?
いつの間にか男は彼の前に現れた
ライム「アカシック・レコード……可愛い特異種の精霊……幻の精霊……いや、災厄を引き起こす化け物と言った方がいいか」
次回をお楽しみに!