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わたしが指輪に魅入られていると、突然、ばんっと音が鳴るほどに激しく礼拝堂の扉が開かれた。
――な、なに……?
わたしはその鋭い音と衝撃に体が飛びあがるほど驚いて、あやうく手に持っていた文箱を落っことしそうになる。
あわてて箱を抱えなおして後方を振り向くと、そこには、夜の月あかりを受けて体を青くふちどらせたレインが、息を切らした様子で戸口に立ち尽くしていた。
彼のくっきりと黒い陰が、堂内の通廊にまっすぐに伸びている。
誰が来たのかと不安だったわたしは、レインの顔を見るなりほっとして胸をなでおろした。
「レイン!もう会議は終わったの――」
立ち上がって、レインに向かってほほ笑みかけたそのときだった。
彼が、わたしの言葉などまったく耳に入っていない様子で、足がもつれそうなほどの勢いでわたしに向かって駆けだしたのだ。
そうして目の前まで駆け寄った彼は、わたしの腕をつかむと、ぐいと***********
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