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それからというもの、私たちの関係は少しずつ、確実に変わっていった。
平日はお互いに仕事が忙しくてなかなかプライベートな時間は取れなかったけれど
週末になると、どちらかの家でキスの練習をしたり
一緒にお出かけをしてデートの雰囲気を味わったりした。
初めはぎこちなかったキスも、少しずつ唇を合わせる時間や角度が分かってきて
互いの温もりを感じるのが当たり前になってきた頃───
「最近、宇佐田先輩ってなんか色っぽくなったよね……」
「そうそう!恋してる女子って感じ。やっぱり、素敵な彼氏さんでもいるのかなぁ」
オフィスの給湯室で同僚たちのそんな噂話を耳にするたび、私の心臓は小さく跳ねた。
叶人くんとの「秘密の練習」は、確かに私に確固たる自信を与えつつあった。
でも、まだ彼との関係はキス止まり。
どうしても、最後の一歩を踏み出せずにいた。
そんな、ある日の昼休み
「先輩!お昼、一緒にどうですか?」
背後から声をかけてきたのは、後輩の佐藤くんだ。
「あ、佐藤くん。いいの?いつも他の女の子たちと食べてるのに」
「あれは先輩たちが強引に誘ってくるから、断りづらいだけで……俺、久々に先輩と2人でランチ行きたいんです!」
「そう?なら、行こっか」
◆◇◆◇
社員食堂にて
パスタをフォークに巻きながら
他愛もない仕事の愚痴や雑談をしていたとき、佐藤くんが唐突に切り出してきた。
「先輩って、今、彼氏とかいるんですか?」
「うっ──ゲホッ、ゲホッ!」
あまりにも直球な質問に
私は飲みかけたコーヒーを本気で吹き出しそうになり、激しくむせ返った。
「っ…い、いないよ!?急にどうしたの?」
「いや、なんとなく気になって…最近の先輩、すごく綺麗になったなって思ったので。男の影でもあるのかなって」
「そ、そうかな?気のせいだよ、変わってないって」
まさか、週末ごとに幼馴染とキスの練習をしているおかげだなんて死んでも言えない。
内心冷や汗をかきながら誤魔化すように笑うと佐藤くんがさらに身を乗り出してきた。
彼の瞳が、心なしか真剣な光を帯びている。
「じゃあ…明日の夜とか、空いてますか?」
「あ、明日?特に予定はないけど……」
「なら、良さそうなイタリアンのお店を見つけたので、そこ一緒に行きませんか?」
「いいけど……私と2人でいいの?」
「はい!先輩が美味しそうにご飯食べてる顔を見ると、俺まで幸せな気持ちになるんで」
「もう、佐藤くんってば上手なんだから」
私は照れ隠しに冗談めかして笑った。
「それと…この前、飲み会で俺の代わりに無理して飲んで助けてくれた、そのお礼もちゃんとしたいので」
#TL
瀬名 紫陽花
14,533
#BL
多 動 症 .
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