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作戦部屋
シクフォニの面々が揃っていた
空気は妙に張り詰めていて
LANとすちが資料を並べ
みことはじっと椅子に座っている
そこにいつもより早く──
そしていつもより明らかに“怒った”顔の
いるまが入ってくる
ー
LAN、みんな揃ったし始めるか
ー
淡々と会議が進む
終わりかけて解散直前のとき
ー
いるま、一ついいか
LAN、ん?、なに
いるま、お前ら─
最近なつにちょっかい かけすぎ
LAN、……は?
いるま、なつ、泣いてんだよ
お前らが来たあと、毎回な
LAN、それは……たまたまじゃないん?
いるま、たまたまじゃねぇから
言ってんだろ
LAN、てか今関係あるか?その話
いるま、あるから言ってんだ
ー
ズバリと切り捨てるように言ういるま
その声には、いつものダルさはない
怒りの熱が混じっていた
ー
いるま、つーか、お前──もうなつに
ついて調べなくていい
すちも同じく調べんな
これ以上何もしなくていい
LAN、いや……は?
お前のためにやってるわけじゃねぇけど、
すっちーも俺も、
善意でやって たんだけど?
みこと、らんらん、落ち着いて……
いるま、みことは黙ってろ
お前もこの前なつ泣かせたの知ってんだよ
“サイコパス”がよ
ー
沈黙
場が一気に凍る
LANが立ち上がる
ー
LAN、今の言葉、取り消せよ……
サイコパスってのはみことが自虐で
笑い話にしてる
だけで──エンタメの範囲だろ
言葉の端に乗っかって弄んでんのは
そっちだろ
いるま、なつの泣き顔見て笑ってた
お前らに 俺が何も思ってねぇと思うなよ
こさめ、こさ、ただいるまくんのために…… 聞き込みとか、してただけなのに
いるま、……そういうのがキモいって
言ってんだよ 俺の問題だから
勝手に入ってくんな
ー
静かに、でも確実に突き刺さるような
トーン
すちが、こさめの前に立って守るような
ポーズをとる
ー
すち、いるまちゃん、
それは言いすぎだって
こさめちゃん何も悪気ないよ……
いるま、……関係ねぇ
こさめが聞き込みしてるって知った時点で、なつはまた誰かに追われるって
思ったんだよ
──わかるか?
お前ら、善意で人追い詰めてるだけ
ー
部屋に、重たい沈黙
LANも、すちも、みことも、こさめも……
何も言えないまま、ただいるまを見ていた
その目は、怒りと悔しさ、そして何より──なつを守ろうとする決意で、真っ直ぐだった
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
その後
いるまはふと、監禁部屋の扉の小窓を見た
──なつが、うつむいて座っている。
目元が少し赤い
いるまの目が細くなる
先ほどの激しい口論の後、
一度は静まり返った作戦室
だけど、LANの目はどこか決意に
満ちていた
椅子に深く腰掛けていたその体を起こし、
ポケットから小さなデバイスを取り出して
データを開く
ー
LAN、…お前に言われて黙るつもりはない
いるま、……
LAN、俺がすっちーがそしてこさめも
みことも“なつ”を調べてるのは
何回も言うが──別にお前のためじゃねぇ
ー
いるまの眉がピクリと動く
LANの声は冷静で、それでいて、
心の芯を感じさせる響きだった
ー
LAN、他の……孤児院にいたやつの
ためだよ
その手記に書かれてたやつら
“選別”に選ばれたか、
“どこかに消えたか”─
もうほとんど、行方知れずだ
ー
LANが画面を操作し、いくつかのファイルを表示する
昔の資料、痕跡のない過去、血塗られた選別記録
ー
LAN、こういうクソみてぇな裏まで
届くから捜索してんだよ
いるま、お前……今、何て言った
LAN、だから俺はお前のためにやってねぇ
お前の記憶の奥にいる名も知らねぇ奴らの
ために動いてる
誰かが手伸ばさねぇと、あいつらはもう
思い出されることもねぇんだよ
いるま、人殺しが何言うかと思ったら……
“孤児院のやつのため”?
バカ言ってんじゃねぇよ
──お前ら自分の仕事忘れたのかよ
ー
その言葉には明確な怒気が乗っていた
ー
いるま、──俺たちは“マフィア”だろ
ー
部屋がまた、凍りついたように静まる
いるまの瞳は、まっすぐにLANを射抜く
ー
いるま、俺たちの仕事は、“情”じゃねぇ
“任務”と“秩序”だ
なつを探るなら、それなりの覚悟を持て
今のままじゃ──ただの遊びだろ
LAN、……じゃあ、俺ら“情”で動いてる分
だけマフィア失格だな
いるま、そうだよ──でも
俺はあいつを泣かせたくねぇ
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🍍👾の配信よかったな
ありがとう。
後関係ないんですけど一度描いてた小説
全部消えててしぬ…、。
毎日投稿目指してるのに萎える😭