ある医者が言った
「あともって2週間くらいやな…」
ある総統が言った
「なるようにしかならんのか…?」
ある仲間が言った
「お前が死んだら俺等はどうなんのや…?」
「死なんといてください、」
「俺のせいや…」
「クソッ、、、」
「なんでお前なんや……」
実際、俺自身の死には興味がなかった。
だけど、そんな顔されたら『もっと生きたい』って思ってまうやん。
なぁ、だからそんな悲しそうな顔せんとって
ほら…笑ってや……な?
あと2週間って言っとるけど俺めっちゃ元気やで
死ぬなんて…嘘かもしれんやん
、、、、、そんなわけないんやけどな
自分のことは一番自分がわかってる
《これは本当に死ぬやつだ》
本能がそう言っている
仲間が死ぬことは悲しいこと、それはそうやねんけど
あと2週間、ずっとそんな顔を見続けなければいけないこっちの身にもなってくれ意外と、辛いんやで?w
だから 笑って
『泣かんでや、まだ2週間もあるんやで!』
『俺はまだ元気やし目一杯遊ぼうや!』
「でも…いいんですか?」
「もっと酷くなったりとかは?」
「…いいよ、でも元気なのは一週間ぐらい、、その後はほとんどベッドの上で生活することになるよ」
『一週間もあれば充分遊べるで!』
『じゃああと2週間よろしくな!みんな!!』
その後はすぐ病室を飛び出して鬼ごっこをした
次の日は仲間達と内ゲバをして昼飯のときにいっぱい食害をした
そんなふうに楽しく日々を過ごしていたが裏腹に
なんとなく体全体に力が入りにくくなるのを感じた
そしてちょうど一週間がたった日
俺の足にはほとんど力が入らず立てなくなってしまった
そこから始まった病室生活
痛みこそないが、俺の体はまるで俺のではなくなるかのように動かなくなっていく
5日も経てば喋るのと呼吸で精一杯
意識も長くは保てずほとんどがねて過ごす日々に変わっていた
そして迎えた命日
今日はみんな仕事をほっぽいて俺がいる病室に集まる
病室は自分も合わせて十四人もの人が居るというのにとても静かだ
いつもうるさい彼らだって黙って俺の方を見続ける
そんな沈黙を破るように総統が口を開いた
「すまない、俺はお前を守れなかったッ」
悔しそうに彼はそういった
『んふっ何言うとるん』
『俺等はお前を守るのが仕事やで?』
だからお前は俺を守らなくてもいい
というか守られる立場ではない
総統とその幹部という関係だ
幹部が総統を守るのは当たり前だろうが
総統が幹部を守るなんて聞いたことがない
そんなことしてる総統はだいぶ変わっていると思う
「じゃあ誰がお前を守るんや」
『え?』
突然真剣な眼差しを向けられ言われたこの言葉
確かにと思ってしまった
今までは守ってばっかりだったから
「人は守り守られ生きていくものだ」
「俺はみんなから守られている代わりにみんなを守っているつもりだったんだ」
「今回お前に調査をしにいけと命を出したのは私だ…守れたはずなんだ、お前を」
「だから……すまない」
そうか人は守り守られ生きていくもの
まさか死に際で大事なことに気付くとは思いもしなかった
総統の言葉に驚いているとあとを続くかのように
仲間たちがいっせいに俺に向けて謝罪をしてきた
『待ってや俺は最期にお前らに謝罪をされながら死にたくあらへん…』
『笑ってって何回言えばわかるん…』
俺の言葉に書記長が呆れたようにでもって悲しそうに
「でも仲間の最期に笑うのは、ちょっと…いや だいぶきついんや」
『じゃあ最期って思わなきゃええやん…』
なぁ、
『俺は守られた経験があんまないねんやから…』
約束やで??
「クッわかッた」
涙をぼろぼろ流しながらえがおの総統は初めて見た
気づいたら仲間たちの目にも大粒の涙が溢れていた
そんな顔を見たら俺の目からもポロポロと流れ始める
だが大粒の涙を流していてもみんな笑顔だった
俺も最期にみんなの笑顔を見れて、嬉しくて、、口が緩んだ
『ありがとな…』
俺の意識がなくなるだんだん目の前が暗くなってゆくだが最後の最後までみんなの声は途絶えることはなかった
パチッ
目を開けるとそこは白くてきれいな場所だった
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