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「幼稚園卒業したくないよぉ」
かおりが親友の青宮はるにいった。
「そうだね。」
はるは浮かない顔で答える。
(心配だなぁ…)
「でも…小学校楽しみだね!」
(空気が重い…吐きそう。この空気は世界で一番、いや宇宙で一番嫌い。)
「友達沢山できるかなぁ」
息が詰まる
「ねぇ。なにか、あったの?」
はるの顔がパッとこっちを向く。
「それがね…」
はるというやつはまるで自分が悲劇のヒロイン気取りで幸せ自慢をしてくる。私はこいつが大嫌いだ。
「うん…辛かったね」
私は背中を擦る。
(今にでも泣き出しそうな顔してる…はるは頑張ってるんだなぁ)
幼稚園の卒業式が終わり母と家に帰る。
「卒業式くらい来いよ」
母が小声で言う…吐きそうだ。
「かおりちゃん…かおりちゃんはお母さんのこと大好きだよね?」
怖い顔をしている。
「うん!お母さんが一番だよ!」
精一杯の笑顔で答える。
「そ、そうだよね!急にこんなこと聞いちゃってごめんね~」
安心した顔をしている。
(よかったぁ…)
家に着いた。リビングのソファにはテレビを見ながら座っている父がいた。
「あら、帰ってたの?」
「帰ってきて何が悪い。ここは俺の家だぞ?金払ってるのはこっちなんだけどなぁ」
二人とも冷たい声で喋る。
(この空間にいたくない…呼吸が詰まる。)
かおりは自室に逃げた。
―数時間後―
静かになった…
ドタドタ
大きな歩く音がきこえる…母のだろうか?
大きな音を立てて玄関の扉が締まる音が聞こえた…
「本読も…」
(本を読むといっても私は読んだりしない。じっ眺めるだけ。誰かのために眺めるだけだ…)
ガチャ
父が立っている。
「どうしたの?お父さん」
「お父さん。お母さんと離婚することにしたんだ…」
嫌な予感がする。気持ちが悪い。
「最後にお父さんとあ…
私は思いっきり脳幹にしがみつきかおりの小さな脳を少し圧縮した。
意識の主導権は私に代わった。
私は父にされるがまま…
我が子によくこんなことできるな…気持ち悪い…
腹の上に液が垂れる。
お父さんはすぐさま家を出た。私は処理をして元の位置に着く。そして脳への圧縮をやめた。
「んんぅ…あぁれ?おとーさんは?」
部屋を見渡す。
「んん!!!私寝ちゃってたみたい…帰ってきたらちゃんと謝らなきゃ」
知らないほうがいい。
かおりの中でお父さんはきれいなまま…