文化祭本番を無事終え、打ち上げムードの教室。
喫茶店は大盛況、B組は今年も“団結力”で賞を取った。
なのに――
「打ち上げどうする?って話してんのにさ、あのふたり、また勝手に教室抜けてたんだけど」
「いや、涼太が翔太に水あげてるの見たよ。まるで夫婦だった」
「こっちは“まだ付き合ってないらしい”に限界感じてるんだが?」
クラスメイトの不満が沸騰しかけたそのとき。
静かに立ち上がったのは――うちのクラスのまだ付き合ってないカップル推しの阿部ちゃんこと阿部亮平。
💚「……ふぅん。俺はさ」
ふいに口を開いたその声に、全員が注目した。
💚「まぁ、最初から知ってたけどね。あのふたりが、互いに“本気”って」
「えっ、マジで?」
「いつから!?」
阿部ちゃんは微笑む。
💚「翔太がね、去年のバレンタイン、渡す側なのに、机の中に涼太からのお返しが入ってたって話…… “あれ、ちょっと嬉しかったかも”って言ってたの、俺聞いちゃったんだ〜」
「聞いてるー!!!」
「証言者いたー!!!」
その瞬間、教室のドアがガラッと開いた。
💙「おい、お前らまた騒いでんのかよ」
帰ってきた翔太が、怪訝そうに眉をひそめる。
後ろには、例の涼太も。
❤️「で?何の話?」
💚「“まだ付き合ってないカップル”の話だよ〜〜」
ニコッと笑って言うと、翔太は固まり、涼太はその横で笑いを堪えている。
💙「おい……マジで勘弁してくれ……」
そんな翔太の袖を、涼太がそっと引っ張った。
❤️「……じゃあ、言っちゃう?」
💙「は?」
❤️「もう、付き合ってますって。今日から」
教室が、静まり返った。
翔太はカッと顔を赤くして、涼太の方を向く。
💙「おい、俺まだ返事してな――」
❤️「え、翔太、断る気あるの?」
💙「……うるせーな、あるわけねーだろ」
❤️「じゃあ、決定だね」
ふたりが見つめ合い、目の前で“恋人”になるその瞬間――
教室が、爆発した。
「うわあああああああ!!!」
「ついにこの日が来た!!」
「ありがとう文化祭!!!」
「ありがとう阿部ちゃん!!!」
阿部ちゃんは教室の隅で静かに呟いた。
💚「ジャスティス…」
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続きが楽しみです✨