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「久堂 蓮。……美容外科医であり、僕の学生時代からの腐れ縁です」
凪さんが紹介してくれるけれど、久堂さんの視線は私を観察するように固定されたままだ。
まるで顕微鏡で細胞を見るような、感情を排した鋭い目。
「あなたが、白河結衣さんか。広告代理店の『氷のオブジェ』。……凪のような夢想家が、あなたのような頑丈な氷を扱えるとは思えないが」
「……久堂さん。凪さんの仕事は、夢想ではありません。確かな技術に基づいています」
私が淡々と反論すると、久堂さんはフッと口角を上げた。
「技術、ね。……その割には、君の顔にはまだ迷いが見える。医学的に見れば、君の美しさはまだ未完成だ」
彼はそう言い残し、冷たい風を残して去っていった。
私への興味というよりは、凪の「作品」としての私を批評しているような、そんな不遜な態度だった。