テラーノベル
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目覚めた時、あまりにも胸が痛くて、咳き込むと激痛が走り、息が詰まった。
頭がくらくらする、何が起こったのかさっぱりわからない。え? 俺、生きてる?
千歳の泣く声や他の誰かの声が聞こえた気がして、揺さぶられてまた胸が痛かった。
いろんな人の気配がして、千歳がまた近くに来た気がした。
『和泉、和泉、今救急車来るからな、大丈夫だからな』
あ、じゃあ俺、本当に助かったんだ……。
何か言おうとしたけど、胸が痛くてうめき声しか出なかった。
「うう……」
『痛いか? ごめんな、本当にごめんな、心臓マッサージしてたら肋骨折っちゃった、本当にごめんな』
俺、千歳の心臓マッサージで助かったの? いや、術式焼ききらないと心臓動かないって聞いたけども? あ、千歳以外の人もいるっぽいから、霊力間に合ったのかな……。
「う、つう……」
しっかりしろ俺、目を開けろ、千歳を見ろ!
俺はなんとか目を開け、千歳の顔が涙でぐしゃぐしゃになってるのを見た。
「千歳……ごめん……」
なんとかその一言だけ言って、俺はまた目を閉じた。貧血みたいに頭のくらくらが続いていて、何にも考えられない。
緑さんが千歳に何か言ってるのや、狭山さんの声なんかをなんとなく感じていたら、サイレンの音が聞こえてきて担架か何かに乗せられた。救急隊員らしい人に名前や生年月日を聞かれて、答えることは答えたのだが、息を吸う度に胸が痛くてもうダメだった。千歳が泣きそうな声で救急隊員に何か説明しているのも聞こえた。
また担架で運ばれて、意識確認をされながら体のあちこちにセンサーか何か付けられ、それで胸を押されたので俺は「痛い!」と叫んだ。
「ああ、肋骨だいぶ折れてるかなこれは。和泉さん、わかりますか?」
医師らしき人が俺を覗き込んだ。
「い、痛いです、息する度に痛いです」
俺はなんとか喋った。
「ああ、状況わかってるね、腹式呼吸ならそんなに痛くないですよ」
「は、はい……」
俺は必死で腹式呼吸に努め、血圧を測られたりCTを取られたりして、病室らしきところに移された。
看護師さんが点滴をつけながら説明してくれた。
「今のところ容態は安定していますが、しばらくICUで管理します。もし可能でしたら、入院の手続き書類を記入していただきたいのですが」
え!? 俺さっきまで心臓止まってたのに、そんなことしなきゃいけないの!?
頭はくらくらするものの、多少の書き仕事なら大丈夫そうだ。でも、起き上がろうとすると胸に激痛が走って全く起き上がれない。そう伝えると看護師さんはベットを電動で動かし、俺はリクライニングシートに座ってるみたいな格好になった。べ、便利……。
書類を書きながら、俺は看護師さんに聞いた。
「あの、救急車で一緒に来た人、私の同居人なんですが、今どうしてますか?」
千歳を泣かせてしまった。俺はバカだ、本当にバカだ。千歳の眼の前で死ぬなんて、千歳がどれだけショックを受けるかを全然考えてなかった。
「今病院の受付スペースでお待ちいただいてますよ。入院書類は和泉さんに書いて頂けてるので、同居人さんには入院に入り用なものを持ってきていただけないかとお願いする予定です」
「そうですか……」
「あと、和泉さんの服のポケットにスマホ入ってましたのでお渡ししますね」
「あ、ありがとうございます」
俺はスマホを受け取ったが、胸は痛いわ頭はくらくらするわで、とても画面をつける気になれなかった。
「あと、胸が痛かったら鎮痛剤入れますが、どうしますか?」
「入れてください」
俺は食い気味で答えた。
千歳、ごめん、本当にごめん。もうちょっと元気になったら、ちゃんと謝るよ。でも今はちょっと、休ませてくれ……。
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コメント
1件
読みました〜!💦 もう心臓がばくばくした…。目覚めた瞬間から「生きてる…!」って思えた安心感と、千歳さんの顔見て真っ先に「ごめん」って言う主人公が切なすぎる😭💔 心臓マッサージで肋骨折っちゃったって謝る千歳さんも、泣きながら救急隊員に説明してる千歳さんも想像しただけで胸が締め付けられる…。でも「もうちょっと元気になったらちゃんと謝るよ」って最後の言葉に救われた気持ち。早く二人がちゃんと話せますように…!🐰💕 続きが気になりすぎます!