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華が咲き、散るたびに 赤い模様が地面を彩った。
怒りと後悔と恐れで不思議な感情になった。
でも復讐への高揚感からか、罪悪感は感じなかった。
泣き叫ぶ人々、その声が美しく途切れるたび、私の周りを彩った。
そこは、その場所だけは美しかった。
夢「もう、私はなにも恐れない。全部全部壊れるまで。」
みんなを殺した人間も、助けてくれなかった人間も、私をおいて殺された人間もみんな嫌いだ。
私のこの気持ちを、この残酷な記憶を消して隠していた魔王達も嫌いだ。
私を産んだやつらも嫌い、私を捨てたやつも嫌いだ。
この悪魔がぁ!!
ギャァァァァ
死にたくないよぉ!!
どうして魔人が…!!
女神だって言ってくれたのに。お嬢さんって言ってくれたのに。
悪魔だなんて、魔人だなんて
酷い
ふと、赤く染まった水たまりに醜い姿が映った。
羽はボロボロで、顔も服も汚れていて、最悪な顔をしている。
夢「これ…私?」
違う!違う!私の羽は綺麗で、みんなが褒めてくれるくらい綺麗で…!!ギィ達に貰った服はもっと素敵で……。
そんな中でも華は咲き、乱れ、まるで舞のように花びらと死を振りまいていた。
嫌な予感がする。
今まで必死にしてきたものが崩れるような音がする。
今日はいつもより雪が少なく、景色が綺麗だった。どうしても真っ白な雪をみると夢を思い出す。
真っ白に輝く、絹のような髪に肌、服までも白く統一されていた。
それはまるで彼女が純粋で汚れていないことを示すかのように。
ギィ「なん…でだ…?!」
夢の、夢に使っていたスキルが途切れた。夢の記憶を隠すスキル。
ギィ「まずい…!!」
リムル「はぁぁぁ…」
シオン「どうかなされたのですか?」
リムル「いや…祭りの後始末はやっぱ大変だなって…。」
ディアブロ「リムル様を煩わせる奴らなど、私が始末してきましょうか?」
にこにこの笑顔で言うディアブロ。
リムル「いや、やめてくれ!!余計仕事が増える!!」
シオン「そうですよ!ディアブロ!!」
ディアブロ「クフフ…そうですか」
告。個体名ソウエイから思念伝達。
ソウエイ「リムル様!!夢様の護衛につけていた者から連絡がありました。」
リムル「夢?なにかあったのか?」
ソウエイ「それが、なにかを伝えようとした途端途切れました。」
リムル「途切れた…?!」
告。個体名夢のオーラの増大を確認。
リムル「暴走状態をってことか…?」
否。普段の暴走状態とは比べものにならない魔素量です。
リムル「シオン、ベニマルに防衛の準備をしろと伝えてくれ。」
シオン「どうかなさったのですか?!」
ディアブロ「これは…夢様の…」
リムル「不味いことになった。」
リムル「俺以外は街で待機だ。ベニマルに筆頭に街の防衛を頼んだ。」
シオン「リムル様お一人で…?!」
ディアブロ「このディアブロ。是非ご一緒に…」
リムル「駄目だ。夢のことに国は巻き込めない。」
リムル「今回は俺の一存で動く。これは命令だ。」
シオン「…承知しました…」
ディアブロ「お気をつけて。」
リムル「あぁ」
ギィ「なぁ、夢。どうしちまったんだよ」
夢「…。嘘つき。」
ギィ「…俺はお前に嘘をついた覚えは…」
夢「人間なんて生きてちゃだめだ。全部壊さなきゃ。あの子達に報いなきゃ。」
ギィ「あの子達も人間だろ?こんなことして…!」
夢「うるさい!!」
夢「邪魔しないで!!」
ギィ「お前がこれ以上続けるなら俺もお前を止めなきゃならねぇ。」
夢「もう5年前の私じゃない。ギィには負けない。」
ギィ「たかが、5年で俺に勝てるとでも?お前は5年前からなにも変わちゃいねぇ」
夢「うるさい!!」
告、個体名夢の第二次成長の成功を確認。
ギィ「世界の言葉…。」
体が痛い。全身が痛い。
もう。後には戻れない。
リムル「夢!!ギィ!!」
ギィ「リムル?!!」
リムル「何してんだよ!!お前!!」
夢「あぁ!!もう!!」
ギィもリムルも私に向けて牙を剥く。
前まではあんなに怖かった二人が、今はもう怖くない。
とっさに自分の体に華をつけ、向かってくるリムル達を待った。
リムルの刀が、ギィの手が。
私に体を触れようとした時。
私の体の華は散る。
リムル「ツッ…」
ギィ「やっぱりお前の究極能力は厄介だな…。」
リムル「夢の究極能力…?」
ギィ「相手の魔力を乱し、防御系のスキルを崩すスキルだ。まさに神業だな。」
リムルとギィを相手しながら周りの人間を着々と殺していく夢。
その時だった。