尊さんがご飯の話をしたのが十七時半ぐらい、そのあとイチャイチャしてお店は十九時の予約だったので、セーフだった。
ホテル内にある和食レストランに向かうと、尊さんは日本酒のスパークリング、私は梅酒を頼んだ。
「これで一区切りついたから、ちょっと景気よく食うぞ」
「はい!」
ご飯はカニのコースらしく、私は部屋を出てレストランに着くまでしっかり食い気スイッチを入れておいた。
飲み物が運ばれて乾杯したあと、私たちは先付の毛蟹を黙々とカニスプーンでほじる。
「明日からどうします?」
「成人の日が絡む連休だし、のんびりする」
「うちの会社は仕事始めが九日で楽~。そこはありがたいです」
そう言った私は、ほじり溜めをしたカニの身をお箸で摘まみ、ちょんちょんとカニ酢につけて口に入れる。うまい。
私はカニを食べながらも、これから会社が大混乱になっていく事を予想して、微妙な気持ちになった。
もしも尊さんが言っていたように、亘さんが辞任して、風磨さんが社長になったらどうなるのかな……。
尊さんが部長止まりになっていたのは怜香さんの圧力があったからだ。
風磨さんはむしろ尊さんに、もっと高いポジションになってほしいと思っている。
尊さんが亘さんと親子関係にあるって周知されたら、彼を見る皆の目が変わってくるはずだ。
加えて、仮に彼が部長より上の役職になったら大騒ぎになるだろう。
(彼の事を狙ってたお綺麗どころの先輩、どうなるかな……)
私は考えながら、ひたすらカニをほじり続ける。
「はー……、やっぱりカニって無言になりますね」
ようやくカニを食べ終えたあと、色とりどりの綺麗な小皿に、一口で食べられる料理が載せられた旬菜が出され、|壬生菜《みぶな》のお浸しや海老の|芝煮《しばに》、小さな寒鯖の炙り寿司などを、じっくり味わいながら食べていく。
「もし〝御曹司〟だと知った、先輩や他部署の人が迫ってきたらどうします?」
「そんなん相手にする訳ねぇだろが。くだらねぇ事考えるな」
尊さんは心底呆れた顔をし、綺麗な箸使いで茶振りなまこを食べる。
茶振りなまことは、なまこをお茶で湯通しし、臭みを消す下ごしらえをした料理だ。
「…………私がいるからフッちゃいます?」
ニヤニヤして尋ねると、尊さんはお箸を止めて、めっちゃ真顔で私を見てきた。
「な、何ですか、その顔は。『浮かれてる』って呆れてます? いいじゃないですか、ずっと前から両思いなんだし、今は運命のラブラブ恋人ですし……」
焦って言い訳すると、彼はフハッと笑った。
「……お前、可愛いな。アホの子みたいで可愛い」
「アホの子は余計です!」
私はプリプリ怒るふりをしながら、思いっきりニヤついていた。
豪華な和食を満喫したあとは、手を繋いでゆっくりと廊下を歩く。
何も言わずとも、部屋に戻ったらまた愛し合うと分かっているからか、二人ともどこか緊張して無言になっていた。
部屋に戻ったあと、二人で夜景を見下ろすジェットバスに入り、そこでも尊さんに指と舌とで達かされた。
バスタブに手をついて彼にお尻を向けた私は、長い指で蜜孔をほじられ、尻たぶに幾つも噛み痕をつけられる。
じわぁっと歯を立てられると、子宮にキュンキュンと甘い疼きが宿り、滴るほど愛蜜を零してしまった。
秘所に彼の綺麗な顔があると思うだけで恥ずかしいのに、尊さんはわざと音を立てて私のお尻にキスをする。
さらには後孔をネロネロと舐められ、私は羞恥と快楽とで愛潮を飛ばし、痙攣して果ててしまった。
コメント
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これから会社の体制も変わるし、御曹司の尊さんに群がってくる女性も増えそうだし、色々大変でしょうけれど....💦 運命の絆で結ばれたこの二人なら、乗り越えて行けるね!💝✨
こーゆー感じの2人の会話もとっても好き🥰朱里ちゃんのニヤつきがカワイイ💗尊さんの気持ちわかるわ〜!
夜景を見下ろすジェットバス、入ってみたいわぁぁ~( *´艸`)