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めめこじ
向井 視点
自販機で買ってきたばかりの、冷えたサイダーのペットボトル。
手のひらに広がる冷たさとは裏腹に、俺の顔は火が出そうなほど熱くなっていた。
めめ「康二、顔赤いけど大丈夫?」
横から覗き込んできた目黒の顔が、ありえないくらい近い。
すっと伸びた鼻筋も、優しく細められた目の奥の光も、全部が心臓に悪すぎる。
康二「な、なに言ってんねん!別に普通や し!めめこそ、距離近くて熱いねん!」
めめ「……ふーん。ならいいけど」
そう言って目黒はふっと口元を緩めると、俺の頭をぽんっと一度だけ叩いて、自分の楽屋席へと戻っていった。
康二(あかん、また誤魔化してもうた……)
喉の奥がキュッと締まる。
胸の中で、冷たいサイダーの泡みたいにシュワシュワとパニックと焦りが弾けていく。
ほんまは、「好き」って、喉まで出かかっているのに。
「ただのメンバー」で「仲の良いペア」。
その安全な枠組みから一歩踏み出すのが怖くて、俺はいつもお笑いに逃げてしまう。
めめ「ねえ、康二。今日このあと時間ある?」
片付けを終えた楽屋で、二人きりになったタイミング。
目黒が真っ直ぐな瞳で俺を見つめてきた。
康二「え?まあ、予定は特にないけど…」
めめ「じゃあさ、ちょっと付き合ってよ。二人で話したいことあるから」
いつもより少しだけ真剣な目黒の声に、胸のサイダーがまた激しく弾ける。
二人で入った静かな公園のベンチ。
夕暮れ時の風が少し冷たいはずなのに、目黒の隣に座っているだけで体温が上がっていくのが分かった。
めめ「康二ってさ、俺の前だといつも冗談っぽく誤魔化すよね」
康二「っ…そ、そんなことないって……」
めめ「嘘。俺のこと見てる目、時々すごく切なそうなんだもん」
不意に重なった視線。逃げようとする俺の手を、目黒が静かに、でも力強く包み込んだ。
めめ「俺は、冗談でこんな近くにいるんじゃないよ。康二のことが、メンバーとしてじゃなくて、好きだから」
夕空の下で投げかけられたその言葉は、俺がずっと喉の奥に押し込めていた気持ちと全く同じだった。
一瞬、頭の中が真っ白になる。
でも次の瞬間には、抑え込んでいた想いがあふれ出していた。
康二「……ズルいわ、めめ。俺から言いたかったのにっ」
ぽろっと零れ落ちた涙を誤魔化すように、俺は目黒の胸に顔を埋めた。
康二「俺も……ずっと好きやった。初恋みたいに胸が痛くて、どうしようもなかったんやから」
目黒の手が、優しく俺の背中を抱きしめる。
サイダーの泡みたいにはじけた甘酸っぱい片思いは、夕暮れの空の下で、二人だけの特別な宝物に変わった。
「初恋サイダー/Buono!」
コメント
1件
うわ、めちゃくちゃ良かったです……! まず「サイダーの泡みたいに弾けるパニックと焦り」っていう比喩が、向井さんの心情をピッタリ表しててすごく好きです。シュワっとした切なさが読んでるこっちにも伝わってくる。 それに、目黒さんの「メンバーとしてじゃなくて、好きだから」って告白、真っ直ぐすぎてこちらまでドキドキしました。 お互いに「安全な枠組み」から踏み出そうとしてたのが、夕暮れの公園でやっと重なった瞬間、すごく尊かったです……!続き、絶対読みます!