vnrd🍨🧣:①
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MADな街の話。
読み切りのはずが続き物になった初作品。
ハッピーエンドとバッドエンドに分岐します。
無理矢理は解釈違いな人は回れ右してネェ…
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「セリーごはーん!」
「イイヨー!乗ッテ!」
階段前で食事離席するらださんがセリーに声をかけて背負われてるのを眺めていると
ひなのさんとうるはさんがヒソヒソと囁きあってる声が聞こえてきた。
「らっだぁさんまた甘えてんねあれ…w」
「ウチらにはあんま言わんのになww」
「まぁウチら女子だしね。でも仲いいよね、いい感じにつつけばメロついたりせんかな…w」
「やーめーてーwwwwだおのメロついてるの何か見たくないわwww」
「でもらっだぁさんの恋愛話って見ないじゃん。1回くらい見たくない?」
らっだぁさんのそういった話って確かに全然見ないよね。
熱い目線が男女問わず、結構あちこちから送られてるはずなのに。
「わかるけどさぁーwでもだおが対応甘いのって基本男じゃない?wwモンドとかさぁ」
「モンドww確かになぁー。でもセリーもらっだぁさんに結構懐いてるよね。」
「この前だおが殺された時に凄い勢いで敵討ちしてたもんねww」
「なんか思いついた相手が男しか居なくない?ww」
「女相手だとノ、ンデリになっちゃうからじゃない?ww」
「…この街にとろさんがいれば別だったかもだけどさぁ。」
いつもの仲の良い光景なはずなのに、話を聞いてると胸の中が傷んだ気がした。
俺はらっだぁさんの事が、そういった意味で好きだ。
でもあの人は多分、
誰かから送られるそういう空気を察すると意図的に避けている感じがして
俺は気付かれないよう避けられないようヘリの話題をするくらいだった。
ボディアーマーを取りに署内に入ったがどうにも先程の二人の会話が脳裏から消えなかった。
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「なるせー、連れてってー。」
「しょーがねーなぁらっちゃん~。」
またある時は、事件対応が始まるタイミングで食事を始めていたらださんが
現場に向かうなるせさんに声をかけて連れて行ってもらう姿が見えた。
別に連れて行くのは俺だっていいのに
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「やろうやー!」
「やろうよー!」
なるせさんとらっだぁさんがお互いに声を掛け合い、
まるでペアダンスを踊っているかのようにヘリで向き合って
アタックの練習をしている姿を地上から見上げていると、
どこからともなく会話が聞こえてきた。
「まーたあの二人いちゃついてない~?w」
「いちゃつき…wwww」
「まぁ付き合ってても不思議じゃない空気あるよねあれ…w」
「熟年夫婦みあるわかる…」
確かになるせさんとらっだぁさんは特に仲が良くて、
しょっちゅうじゃれ合っていたり距離がとても近く
外見的にも付き合ってたって違和感がない。
「はい、またまた隙の糸~!ww」
「ハァ~?!見せてませんー!?ちょっとまだ感覚戻りきってないだけですし~!?」
「まっ、俺の余裕勝ちってことで…」
「ッカァーーー!覚えとけよ次ぜってぇ殺るからな!!」
墜落してダウンしたなるせさんを両腕でしっかりと抱えて歩くらっだぁさんの
その姿を見ていると
胸に秘めていた暗い気持ちがどろりと溢れ出していくのを感じた。
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「事件収束~、お疲れ様でーす。」
『『お疲れ様(です)!!!』』
今日の客船は中々手強かったなぁ~。
ヘリ4台相手でライ君とりりむさんの助けがなかったらやばかったかも。
そう思いながらヘリポートに帰ってきた弟子二人に
「ライ~、りりむ~!さっきの客船ヘリアタックよかったよ~!」
と声をかけると笑顔を輝かせ、駆け足で近付いてきた。
この子犬みたいに駆け寄ってくる二人を見ると、可愛くてつい和んじゃうな…。
「「らっだぁさん!!」」
「あのねあのね、いいむね、ヘリ1台落としたしブレードキルも出来たの!!」
「らっだぁさん!俺は途中で煙吹いて離脱しちゃったんですけど、犯人は回収出来ました!」
わちゃわちゃと懐いてくる二人を褒めて撫でていると、背後から声がした。
「…らっだぁさん、少し話があるんだけどいいかな。」
振り返ると珍しく、少し俯いたバニがいて
何かシリアスな話なのかな…と思いつつ、
弟子の二人に一旦別れを告げてついていくことにした。
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署の奥、テレポートを使って北署まで行くことになり
ここまで人気を避けて一体何の話をするんだ…?警察一旦クビか俺…?!と考えていると
「…こっち。」
腕を掴まれ、誰も来ない寂れた資料室へ連れ込まれた。
「バニ?どした?こんな所まで来て一体なんn――ッ!」
ドン!と壁に押さえつけられ、驚きと痛みで目を開きながらバニの顔をみると
じっとりと湿度のある、熱が煮詰まったような瞳が見えて
まずい、と思った。
今までの世界でも何度か見たことのある目だった。
時には院内で、ある時は敵対ギャングに、またある時は身内のギャングに。
そういう目で見てくる相手は気付かないふりで大抵上手く躱していたはずなのに
いつから、いつからお前 そんな目で俺をみてた?
「らっだぁさん、俺、らださんのこと好きだよ。」
「ずっとさ、好きだったけど、らっだぁさんはそういう事を避けてるのがわかってたから」
「このまま仲が良いだけの関係でもいいって思ってたんだよ。」
「でもさ」
「他の人との仲で外堀埋められそうになってる姿を見ちゃうとさ」
「俺でいいじゃんってなるよね。俺のほうがずっと見てたよ。らっだぁさんのこと。」
「らっだぁさん。」
「俺を見て。俺だけを、愛してよ。」
そう言うとバニは俺の項にするりと手を伸ばし、
口布を引き下ろし露わになった整った顔を寄せてきて――――――
コメント
2件
🍨🧣はほんと神です、、。 マジで最高です👍𝑩𝑰𝑮𝑳𝑶𝑽𝑬…