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柚彦は黙って彼女の言葉を受け入れ、やさしく微笑んだ




「鈴子ちゃん、僕は待てるよ、鈴ちゃんの自分のペースでいいんだ。僕がここにいることは変わらないから」




彼の言葉は、鈴子の心の傷を少しずつ癒すように感じられたが、それでも傷は深かった



柚彦と一つになりたいという気持ちはとても強いのに、俊哉から受けた性的傷のトラウマが恐怖と愛の間で引き裂かれていた




柚彦君は優しいけど・・・こんな事が続けばいつかこの人も私から離れてしまうだろう




鈴子は柚彦の胸で泣き続けた




愛しい彼を受け入れてあげたいのに、元夫の俊哉に傷つけられたものは未だに恐怖として、自分を縛り付けている





そう・・・どうしてこんなことになってしまったのだろう




暴力的で宗教に狂っていた、俊哉とのあの地獄の様な結婚生活が忘れられない




自分の過去から逃れられない悲しさに苛まれて鈴子は泣いた




それは、再び愛する力を取り戻すまでの長い、そして辛い道のりだった






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