なんかパッと思いついたのを書きます。
Rはないです。
死ネタです。苦手な人はホーム画面へ。
↓
ky視点
俺には好きだった人がいる。
同じ職業の先輩。
レトルト、という人だ。
俺はこの人に憧れてこの職業についた。
それはゲーム実況。
レトさんの動画を見て衝撃を受けたのを今でも覚えている。
面白いし、実況わかりやすいし、何より声が可愛い、、、!と思った。
それから初コラボ、イベント開催、、、色んなことを共にしてきた。
――あの頃までは。
あの日のことは本当に鮮明に覚えている。
レトさんが事故に遭い、2日間意識不明だったこと。
足は複雑骨折、身体の壊死状態。
ここまで酷い怪我はないと医者も言っていた。
この事故のせいでレトさんは余命宣告を受けた。
せいぜい、あと持っても1年だと。
せっかく出会えたのに、せっかく仲良くなれたのに、せっかく“恋人”になれたのに。
余命宣告されてから1週間。
レ「、、、、、きよくん。」
「なぁに、どうしたの?」
レ「、、、ごめんね。」
レ「せっかく大好きになったのに、すぐ死んじゃってごめんね、、、」
その言葉を聞いた瞬間、俺は涙が止まらなくなった。
「、、、レトさん、、、」
レ「きよくん、、、俺、、死にたくないよ、、、」
「俺も、、、他の奴らも、レトさんに死んで欲しくないよ、、、」
レ「、、、実はね、俺、小さい子を連れた、お腹に赤ちゃんがいるお母さんを助けたんだ。」
「、、、、、そっか、助けてあげたんだね、、」
「えらいえらい。」
レ「えへ、、、ありがとう、、、」
なんてなだめているけど、やっぱりなんでレトさんが事故に会わないといけなかったのかなと思ってしまう。
余命宣告されてから3週間後。
今日は、レトさんに告白しようと思っている。
「レトさん、、、」
レ「なに?」
「、、、結婚しよ。」
「レトさんを、俺に守らせてくれない?」
レ「、、、無理。」
レ「だって、、、俺が死んだらきよくんは、、、」
レ「きよくんは、、、、、、っ」
レトさんが泣き出す。
それだけ俺の事を思ってくれているんだなと改めて感じた。
「っごめん、、、無理な話だったね、。」
「、、、忘れて、、、っ」
レ「、、、うん、、、ごめんね、、、っ」
やっぱり結婚は重すぎたかもしれない。
仕方ないか、、、
ごめん、と言いながら頭を撫でる。
悲しいけど、レトさんの気持ちを尊重したい、レトさんに無理させたくない、と思った。
余命あと1ヶ月。
一般の人はこれからレトさんの部屋に入れなくなる。
だから今日、レトさんに会う、最後の日。
「レトさん、、、最後の日だね、、、」
レ「悲しい、、、」
レ「きよくん、、、ごめんね、、、」
レ「一緒にいてあげられなくてごめんね、、、」
レ「きよくんと、ずっと一緒に居たかったよ、、、」
レ「怖い、辛いよ、、、俺、きよくんに会いたくなったらどうしたらいいんだろう、、、」
「レトさん、、、」
レ「きよくん、、、俺の、最後の願い、聞いてくれる?」
「うん、、、なんでも言って、、、」
レ「きよくんは、絶対、結婚してね。」
レ「結婚して、幸せに暮らしてね。」
レ「俺の代わりに、その人を一生幸せにすること。」
レ「じゃないと俺、幸せになれない、、、」
レ「安心、できない、、、」
最後のお願いにも俺の幸せを願ってくれていて、思わず泣いてしまった。
レ「だから、、、ね、、、?」
レ「俺の最後のお願い、、、叶えてくれる、、、?」
本当はレトさんを愛したかった。
本当はレトさんと結婚したかった。
だけどそれは、叶わぬ夢。
レトさんの願いならと、俺は承諾した。
「レトさん、、、大好きだよ。」
「俺が違う人と結婚しても、ずっとレトさんのこと好きだからね。」
「俺を、好きになってくれてありがとう」
レ「こちらこそ、俺を好きになってくれてありがとう。」
俺らは最後のキスをした。
「さようなら。」
レトさんとは、もう会えない。
悲しい、悔しい、そんな言葉が頭をよぎる。
レトさんともう二度と会えない悲しい気持ち。
なんでレトさんがという悔しい気持ち。
俺はこの日から毎日、家で声をあげて泣いていた。
レトさんが、亡くなったと聞くまで。
ーーーーー
レトさんが亡くなって2ヶ月後。
俺はレトさんの実家に行き、リン棒を鳴らす。
俺は全てのことをレトさんのお母さんに話した。
レトさんが亡くなった経緯、俺がレトさんと付き合っていたこと。
途中でどうしても泣けてきて、俺は泣いてしまった。
泣きながら話した。
何度も何度も、お父さんとお母さんに謝って。
ごめんなさい、と。
でも、レトさんの両親は優しかった。
レトルトのことを愛してくれてありがとう、レトルトを守ろうとしてくれてありがとう、と言って、俺の涙を拭ってくれた。
優しい両親だなと思った。
実況者仲間と支え合い、仲間が慰めてくれた。
レトさんが亡くなってしまったことはまだ受け止めきれてない。
だけど、徐々に受け止めていきながらレトさんの分まで実況を頑張って行こうと思った。
なかなか結婚することができない俺。
まだレトさんのことが大好きで、彼女としっかり向き合って行ける自信がなかったからだ。
だが、やっと、心から愛せると思える人を見つけることができた。
レベファイの、イベントスタッフさん。
レトさんのこともよく知っているし、レトさんが亡くなったことも知っている。
この人しかいないと思った。
レトさんとは結ばれなかったけど、レトさんの分も、この人を愛そうと思った。
だってそれが、レトさんの望んだ事だから。
レトさんが亡くなって4年ほどたった今。
俺らは子供に恵まれ、前よりも幸せに過ごせている。
たまに帰るレトさんの実家で、必ずこう話しかけている。
幸せだよ。
それを言った瞬間、レトさんが微笑んだ気がした。
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推しが死ぬ設定はほんとに悲しい、、、。
でもなんか書こうと思ってしまった、、、
レトさん、ごめんなさい🙏
コメント
4件
うぅ(ToT) 死んじゃうの悲しすぎる 思わず泣いちゃいました やっぱ、推しが死ぬのって悲しいって改めて知ったわお話描いてくれてありがとうございます!
見終わったら涙出ててびっくりしました、、笑感動しました😢
めっちゃ感動(T ^ T) 推しの死ネタって書くの辛いよね。めっちゃわかる キヨがいかにレトさんを誰よりも愛してたかって言うのがめちゃくちゃ伝わった 神作品をありがとう👏