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7月中旬
突然の雨、駅のホームの端っこ。
私は、東 紗綾(あずま さや)今年で高校1年生
絶賛絶望中です。。。。。。。
(どうしよう傘もないし、家はここから遠いし、まぁ走ればいけると思うけど両手には明日のテストの範囲が詰まったファイルがあるから濡れたら嫌だしもう最悪!!!!!!!!!!!!)
絶望真っ最中のその時、、、
「あ、これ、使いますか?」
差し出されたのは、紺色の折りたたみ傘だった。声をかけてきたのは、クラスメイトのクラスの西くん。あんまり喋ったことないけど時々ふとした瞬間に目が合う、そんな男の子。
「え、でも、西くんが濡れちゃうよ」
「僕はいいんです。家、すぐそこだし。…それに、君のノート、濡れたら大変でしょ」
彼は私の腕に抱えられた、明日のテスト範囲が詰まったファイルを見て少しだけ笑った。その笑顔が、雨の湿気で重たくなった空気を、一瞬で軽やかに変えていく。
「…ありがとう。明日、ちゃんと返すね」
「うん」
彼が雨の中に駆け出していく後ろ姿を見送りながら、私は手渡された傘を開いた。
(明日、お礼の何かと一緒に返そう)
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