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轟焦凍のサイドキッカー

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轟焦凍のサイドキッカー

4 - 第4話誰にも取られたくなくて。

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2022年07月20日

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ケガも数日で治り、巡回やTV出演・日舞の稽古の合間を縫った、打倒爆豪の特訓をこなす涼。

「やっぱり熱いのは苦手!!」

「それでも近接に持ってかないと、アイツ倒せないぞ。」

「左手しか使ってないのに、轟君にも敵わないなんて!!」

「そうやってムキになってると。」

組倒され、2人の頭をあの光景がよぎる。

「…轟君。」

「顔赤いぞ。」

「轟君の顔が近い、から。」

「…ダメだ。」

「え??」

「あれからずっと、爆豪に組倒された涼の姿が頭から離れねぇ。男装して活動するから、涼のことは男だと思って接してきたのに…。」

涼を見おろす轟の顔は嫉妬に満ちていた。

「あんなの見せられたら、もう…。」

「轟君。痛い…。」

涼の両手を握っている手の力を緩め、間髪いれずに。

「今日、涼の家行っていいか。」

「へっ!?い、良いけど…。とりあえず、離れて??」

轟は手をさしだし、涼を起こした。特訓を切り上げ、一旦お互いの家に戻る。集合場所は、涼の家の最寄り駅。

「待ったか??」

「大丈夫。買い物していこ。ざるそば買って帰る??」

轟は頷いたので、ざるそばやお菓子を購入し家へと向かう。

「お邪魔します。」

「そんな広くないけど、ゆっくりしてって。」

「手伝おうか??」

「うん。じゃあ少しだけ。あ、この日本酒飲む??」

「飲む。」

「わかった。」

食事も片付き、グラス片手にTVタイム。

「お風呂、沸かすね。」

そう言って立ち上がる涼を後から追いかける。

「もう。我慢できねぇ。」

「っつ!?」

涼を壁に追いやり、被さる。

「俺、涼が好きだ。誰にも取られたくない。だから。いいか??」

とキスを迫る。

「わ、たしでいいなら。あげるよ。轟君に私の…身体。」

その瞬間から、歯がぶつかる程のキスの応酬。お互い初めての経験で、かくしてサイドキッカーの一線を越えた。

「しょうと君…。」

涼は疲れたのか眠ってしまった。

「…やっちまった。」

目元を覆い、ため息をつく。これからのことは今考えても仕方ない。汚れたお腹をティッシュで拭い、後ろから抱きつくように自分も眠った。

轟焦凍のサイドキッカー

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