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ケガも数日で治り、巡回やTV出演・日舞の稽古の合間を縫った、打倒爆豪の特訓をこなす涼。
「やっぱり熱いのは苦手!!」
「それでも近接に持ってかないと、アイツ倒せないぞ。」
「左手しか使ってないのに、轟君にも敵わないなんて!!」
「そうやってムキになってると。」
組倒され、2人の頭をあの光景がよぎる。
「…轟君。」
「顔赤いぞ。」
「轟君の顔が近い、から。」
「…ダメだ。」
「え??」
「あれからずっと、爆豪に組倒された涼の姿が頭から離れねぇ。男装して活動するから、涼のことは男だと思って接してきたのに…。」
涼を見おろす轟の顔は嫉妬に満ちていた。
「あんなの見せられたら、もう…。」
「轟君。痛い…。」
涼の両手を握っている手の力を緩め、間髪いれずに。
「今日、涼の家行っていいか。」
「へっ!?い、良いけど…。とりあえず、離れて??」
轟は手をさしだし、涼を起こした。特訓を切り上げ、一旦お互いの家に戻る。集合場所は、涼の家の最寄り駅。
「待ったか??」
「大丈夫。買い物していこ。ざるそば買って帰る??」
轟は頷いたので、ざるそばやお菓子を購入し家へと向かう。
「お邪魔します。」
「そんな広くないけど、ゆっくりしてって。」
「手伝おうか??」
「うん。じゃあ少しだけ。あ、この日本酒飲む??」
「飲む。」
「わかった。」
食事も片付き、グラス片手にTVタイム。
「お風呂、沸かすね。」
そう言って立ち上がる涼を後から追いかける。
「もう。我慢できねぇ。」
「っつ!?」
涼を壁に追いやり、被さる。
「俺、涼が好きだ。誰にも取られたくない。だから。いいか??」
とキスを迫る。
「わ、たしでいいなら。あげるよ。轟君に私の…身体。」
その瞬間から、歯がぶつかる程のキスの応酬。お互い初めての経験で、かくしてサイドキッカーの一線を越えた。
「しょうと君…。」
涼は疲れたのか眠ってしまった。
「…やっちまった。」
目元を覆い、ため息をつく。これからのことは今考えても仕方ない。汚れたお腹をティッシュで拭い、後ろから抱きつくように自分も眠った。