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#性悪聖女
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――ORVAS本部・ブリーフィングルーム
モニターに映る三人。
公太、唯我、一祟。
畑中は椅子に座り、腕を組む。
隣にはジュリー。
少し不安そうな顔。
「ねぇ、畑中」
「本当にあの三人で大丈夫なの?」
視線はモニターへ。
「特にあの二人……」
「チームとして機能すると思う?」
沈黙。
「……無理だな」
即答。
「今はな」
ジュリー、ため息。
「やっぱり」
畑中、鼻で笑う。
「実力もバラバラ」
「チームワークもゼロ」
「特に公太と唯我は――水と油だ」
「じゃあ、どうするの?」
畑中、煙草を取り出す。
火はつけない。
指で転がす。
「……心配すんな」
「一祟がいる」
ジュリー、目を細める。
「そんなに期待してるの?」
沈黙。
天井を見上げる。
「……あいつはな」
「ただの坊主じゃねぇ」
「初めて会った時――」
「俺は気配を完全に消してた」
「それでも、一瞬で見抜かれた」
ジュリー、驚く。
「あなたの気配を?」
「普通、無理よ」
「だろ?」
畑中、ニヤリ。
「だから確信した」
「あいつは“本物”だ」
「戦場を知ってる目だ」
沈黙。
ジュリー、静かに聞く。
「でも、それだけで?」
畑中、苦笑。
「……賭けだな」
「今は、それしかねぇ」
ジュリー、少し笑う。
「あなたが“賭け”なんて」
「らしくないわね」
畑中、小さく息を吐く。
「俺だって万能じゃねぇ」
「導ける保証なんてねぇよ」
一瞬の本音。
だがすぐに――
「それでも」
「一祟なら止められる」
「公太と唯我をな」
ジュリー、目を見開く。
「そんなに……?」
モニターに映る映像。
衝突寸前の二人。
そして――
一祟。
一瞬で割り込み、動きを止める。
「……信じられない」
「まるで、動きそのものを封じてる」
畑中、立ち上がる。
「公太はパワー」
「唯我は技術」
「一祟は――間合いだ」
ジュリー、頷く。
「なるほど」
「まとめ役ってことね」
「まぁな」
ニヤリ。
「ガキ共だが……鍛えりゃ化ける」
ジュリー、苦笑。
「教官向きじゃないわね」
「自覚してる」
モニターを見つめる畑中。
その目にあるのは――
計算と、わずかな期待。
次の日。
――ORVAS基地・トレーニングルーム
広い。
無機質。
床には焦げ跡。
壁には傷。
ただの訓練場じゃない。
“戦場”だ。
三人が並ぶ。
その前に、畑中。
「今日から実戦訓練だ」
公太、あくび。
「どうせ軽い相手だろ?」
「早くやろうぜ」
唯我、冷たい目。
「無駄な時間は嫌いだ」
「内容を話せ」
一祟、静かに。
「よろしくお願いします」
畑中、ニヤリ。
パチン
指を鳴らす。
ジュリー登場。
リモコン操作。
ゴゴゴ……
床が揺れる。
壁が開く。
現れる影。
――10体。
漆黒のロボット。
武装、各種。
「……は?」
公太、目を見開く。
唯我、剣に手をかける。
「なるほど」
「実戦想定か」
一祟、観察。
「手加減はいりませんね」
畑中、腕を組む。
「AI兵士だ」
「実戦データ搭載済み」
「倒せなきゃ――本番じゃ死ぬ」
公太、ニヤリ。
「いいじゃねぇか」
「ルールは?」
「10分」
「全滅させろ」
「1体でも残ったら――失格だ」
沈黙。
「チーム戦かよ……」
一祟、頷く。
「了解です」
カチッ
ロボットの目が赤く光る。
ウィィィン……
動き出す。
――戦闘開始
「来いよ!!」
公太、突っ込む。
ドンッ!!
拳一撃。
ロボット、吹き飛ぶ。
「弱ぇ!!」
背後――
ガキン!!
唯我、一閃。
関節破壊。
「遅い」
公太、不満顔。
「それ俺の獲物だろ」
「なら早く倒せ」
火花。
だが止まらない。
別方向――
一祟、消える。
「——合掌」
ドンッ!!
衝撃波。
ロボット粉砕。
ジュリー、驚愕。
「え……破壊力、4倍?」
「誤差じゃないの!?」
畑中、笑う。
「誤差じゃねぇ」
「あれが“間合い”だ」
戦闘は続く。
連携は――
徐々に、噛み合う。
「そっち行ったぞ!」
「分かってる!」
「後ろ、危険です!」
三人、動く。
残り1体。
最終兵。
全方位レーザー展開。
「チッ!」
回避。
だが――
一祟、前へ。
静かに。
「止まりなさい」
一歩。
一瞬。
ドンッ!!
拳が貫く。
ロボット、停止。
沈黙。
――訓練終了
「……お前さ」
公太、呆れ顔。
「マジで坊主か?」
「はい」
にこやか。
唯我、見つめる。
「……本気は?」
一祟、微笑む。
「分かりません」
沈黙。
ゾクッ
二人の背筋に寒気。
畑中、笑う。
「形にはなってきたな」
ジュリー、苦笑。
「ちょっとだけ教官っぽい」
「言うだけな」
三人を見る。
その目は――
まだ未完成。
だが確実に――
強くなっている。
戦いは、まだ始まったばかり。