テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#性悪聖女
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
-–
――ORVAS基地・ブリーフィングルーム
青白い光。
浮かぶ世界地図。
三人が並ぶ。
公太、唯我、一祟。
その前に――
「実戦訓練、お疲れ様」
ジュリー。
「次のステップに進むわ」
「次のステップ?」
公太が眉をひそめる。
唯我は無言。
ただ、ホログラムを見つめる。
「……ミッションか」
畑中、ニヤリ。
「察しがいいな」
「初任務だ」
ズーム。
日本。
東京。
「最近、このエリアで失踪事件が多発してる」
データ表示。
顔、名前、日時。
ズラリと並ぶ。
「不自然だな」
唯我が呟く。
「偶然じゃない」
「その通り」
ジュリーが頷く。
「共通点があるの」
一瞬の間。
「“身体能力が高い人間”だけが消えてる」
空気が変わる。
「……狙われてるってことか」
公太の低い声。
畑中、頷く。
「敵の可能性が高い」
「“アビス”だ」
沈黙。
「人間じゃない……ってことか」
唯我の声。
「確証は?」
ジュリー、操作。
映像再生。
ノイズ。
決定的瞬間だけ――消える。
「全部こうなるの」
「偶然じゃない」
「クソめんどくせぇな」
公太、舌打ち。
畑中、一歩前へ。
「だから――」
「お前らに任せる」
ホログラム切り替え。
夜の東京。
「囮だ」
沈黙。
「……は?」
「お前らが狙われろ」
「そして、正体を暴け」
「なるほどな」
公太、笑う。
「オトリ役かよ」
唯我、冷静に。
「出てくる保証は?」
畑中、肩をすくめる。
「お前ら見たら、無視できねぇだろ」
「確かにな」
ニヤリ。
一祟、目を閉じる。
「了解しました」
だが――
「……気をつけて」
ジュリー。
一瞬、影が差す。
「無茶はしないで」
「前回みたいな失敗は……」
空気が重くなる。
「……前回?」
沈黙。
「……気にしないで」
目を逸らす。
何かを隠している。
唯我、わずかに目を細める。
(前回……何があった?)
その疑問を残したまま――
任務が動き出す。
――ORVAS基地・装備室
白い光。
冷たい空気。
テーブルの上。
装備一式。
「これが今回の装備よ」
ジュリー。
「囮とはいえ、防御は必要」
インカム。
時計。
戦闘スーツ。
「うおっ、すげぇな」
公太、目を輝かせる。
「ヒーローみてぇじゃん」
「真面目に聞きなさい」
鋭い視線。
「これ、全部最新装備よ」
「捕まっても、位置とデータは送信される」
一瞬――
影。
だがすぐ消える。
唯我、スーツを手に取る。
「最低限の装備か」
一祟、分析。
「戦闘は避けるべきですね」
「その通りだ」
畑中、短く答える。
「目的は情報収集だ」
公太、不満顔。
「戦うなって言われると燃えるんだけどな」
ジュリー、ため息。
「敵の目的を探るのが最優先」
「誘拐か、それ以外か」
唯我、頷く。
「……了解」
「ま、やるしかねぇか」
公太、肩を回す。
「終わったらメシな」
準備完了。
三人、出発。
――夜・東京
ネオン。
だが――
一部だけ、不自然に静か。
異様な空気。
三人、分散。
囮開始。
「……釣れんのかよ」
公太、ストレッチ。
唯我、壁にもたれる。
動かない。
狩人のように。
その時――
「……風が変わった」
一祟。
次の瞬間。
チカチカ……
街灯が点滅。
「……来る」
唯我、目を開く。
影。
黒い影。
人の形。
だが――
歪んでいる。
音もなく近づく。
包囲。
「……厄介ですね」
一祟、低く。
その時――
背後。
公太の後ろ。
「チッ!」
拳。
しかし――
スカッ
当たらない。
「……は?」
影が揺らぐ。
霧のように。
「当たんねぇぞ……?」
触れた瞬間――
ビリッ
「っ……!」
腕を押さえる。
「感覚が……鈍る……?」
唯我、分析。
「神経に作用しているな」
冷静。
その中に――
一体。
異質な影。
動きが違う。
「……あれだ」
一祟、目を細める。
次の瞬間。
一斉に動く影。
襲撃。
包囲が狭まる。
暗闇。
蠢く影。
そして――
戦いが始まる。
初任務。
その幕が、静かに開いた。