「桔梗」(ききょう) 前篇
えーっとですね、今日は、太中のシリーズを4話?位更新しようかなぁと思っていますので、良ければ期待して下さると嬉しいです!最後の2話はバッドエンド編とハッピーエンド編です!因みにベッドシーンは無いです。あ、でも匂わせは有ります。
Attention⚠
・仲良しな太中が出てきます、全く喧嘩しません。
・↑の為、十五歳の設定ぶち壊します(おい
・作者は文ストアニメしか見ていない上、文ストわん!も見て居ない俄かなので、少々間違っていてもご容赦下さい。
・リアル太宰治描写が有ります。
・ゲイしか居ません
・過去捏造してます
※以上のものが苦手な方は回れ右っ!
『桔梗』
――其れは14才の頃だった。
中也が買い物の帰りに人通りの少ない径を歩いて居ると、何時も見かける橋の手すりの向こうに、同い年程だろうか、髪が少し長い黒髪で、全身黒色の背広を着、片目や首、手首に包帯を巻いている、如何にも厨二病ですと言わんばかりのとんでもない美少年が寂しそうに無表情で坐って居た。何うやら自殺しようとして居るらしい。―本当なら止める気など一切無いのだが、何となく(まぁ顔が良いからだろうが)助ける気に成ったのだった。
「なぁ、手前、何うしたよ?」
其の美少年に話し掛けると、其の美少年は振り向き、此う言った。
「何でも、無いよ」
余りにも短い言葉に吃驚した。が、其んな亊は置いて助けなければ成らない、という気持ちのほうが強かった。
「一寸待て。手前みたいな美少年は生きて居た方が良い。」
仕方なく、暴論で自殺に対抗した。すると暫く経ってから、
「…君、とても面白い止め方をするね。」
と、笑って、其れから橋の手すりの向こうから、此方へ降りた。何うやら今は自殺する亊を辞めた様だ。中也はホッとして、其の美少年と話す亊にした。
「手前、名前何て云うんだ?」
「僕?…僕は太宰治だよ。君は?」
「俺は中原中也だ。」
「ねぇ、何で中也はあんな止め方をしたんだい?」
急な美少年からの名前呼びに吃驚しながらも、話を続けた。
「あー、手前の顔がタイプだったんだよ。」
「………成程ね、…あんまり、其う云う亊は直ぐに云わない方が良いよ。」
美少年――もとい太宰は云った。其時の中也は此の言葉の意味が何も解らなかった。あまりゲイである事をひけらかす訳でもなく、差別されるわけでも無かったからだ。
此処で、話が止まってしまったので、話題を変えた。
「なぁ、手前の身体、傷だらけなのか?其の包帯は何だ。」
すかさず太宰は答えた。
「んー…君には言って良いのかなぁ?…でも、君。”羊”のトップでしょ?ならいいや」
いきなり所属している班とその階級を当てられて吃驚した。真逆当てられるとは思わず、中也は身構えた。すると太宰は云う。
「いや、其んなに身構え無くても良いよ。僕はポートマフィアの最年少幹部なのだから。危害を与えようとは微塵も思って無いよ。何より、命の恩人なのだしね。」
中也は迷った。果たして此の言葉を信用して良いのだろうか。もし嘘だったとしたら、”羊”の危機に成り兼ね無い。
「いや、だから其んな考え無くて良いんだって。莫迦だなぁ。」
太宰は笑った。中也は、まぁ、確かに嘘だったとして、相手に利益が無いと思い、太宰を信用する亊にした。
「わーったよ。ところで手前、帰らないのか?」
「僕?僕は、暇なだけだよ。良ければ、中也に付いて行っても良いかい?」
中也は迷った挙げ句、諦めた。
「あー、どうせ羊の拠点にゃぁ関係無ぇんだ。来るんだったら来い!」
「やったぁ、じゃあ君と十分に話せるね!!」
太宰は、まるでさっきの寂しそうな無表情をして居たと思えない程、目を輝かせた。
結局、本当に家まで付いて来た。何うやら今日は泊まる処が無いらしい。仕方無く泊めてやる事にした。
翌朝の亊だった。隣から聞こえる、誰かの咳で目が覚めた。当り前だが、其の咳の主は太宰である。隣を見ると、辛そうに目を伏せた太宰が居た。中也は放って置く亊も出来ず、声を掛けた。
「おい、手前、大丈夫か…?」
だが返事をする亊も無く、只、辛そうな目を開けて此方に救いを求めて居る様だった。中也は何をすべきか解らず、太宰の汗をタオルで拭いて居るだけだった。
「…み、…………み、…ず、………」
「水、か?」
コクッと太宰は頷いた。中也は太宰を起き上がらせ、水を飲ませる。すると咳は止まったが、コヒュー、コヒュー、と辛そうな呼吸音が聞こえて来た。太宰の顔が赤い。何故だか解らないが、其の顔に少しだけ興奮を覚えて仕舞った。が、中也は気にせずに太宰の看病を続けた。
昼頃、太宰はもうすっかり元気に成って居た。中也の看病が功を奏したのだろう。あの後寝ると治ったのだった。
「迷惑掛けやがって…」
中也は怒ったが太宰はお構いなしに御免御免と謝った。其して泣き乍ら云った。
「御免御免、一寸ストレスが何うたら此うたら何だよ、許して?ね?(攻めです)(愛嬌)」
中也は興奮を隠し乍らも、大きな溜息を付き、云った。
「今日だけだかんな…」
太宰はニコッと(泣き)笑い、有難うと云った。もう二度目は無いと告げると、此れから仲良くしてくれるんだね、と、多分、喜んだ。
其れから二人は仲良くなって、お互いに惹かれ合っていった。
前篇 了 (中編へ続きます)
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