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一夜の内に一部の離月の場所で魔物が消滅した。
そこでは、地脈の乱れによって凶暴化かつかなりの数がいたが、何故かぽっかりと穴が空いたように何も無くなっていた。
もしかしたら、新たに強い魔物が現れたと考えると、放って置いたら離月に被害が出るかもしれない。
そう考えた岩神は、自らその場所へ向かった。が、そこにあったのは、生い茂る木々と何かの布の塊だけだ。、、、、?
布の塊?何故こんなところに?
訳のわからないまま、恐る恐る近づいてみると、それが服なのだと分かった。上着の部分はもっこりとしていて、中に何かがいた。観察してみると、かすかに動いているのが分かった。
勇気を出して上着をめくると、そこから夕焼け色の艶みのある毛玉がでてきた。
刺激を与えてしまい、毛玉が動き出した。
びっくりして、服から手を離してしまった。服の中から小さな手が伸ばされる。その手は獣の様な手ではなく、人の形をしていた。ますます混乱する岩神だか何もせずにただそれの観察を続けた。
「み、」
み?
「,,,,み,,,おみず,」
パタリ、伸ばしていた腕が落ちた。
しばらくしても、動く気配もない。それを見た岩神はハっとし、急いで近くの水辺に水をくみにいった。
「ぷは〜〜」
毛玉は、水を勢いよくのみほしたと同時に口を大きくあけた。
よくみると人の子供の様にみえるが、顔と左程変わらない獣の耳や尻尾に、深海の様に深みのある綺麗な瞳をしていた。だが、其の瞳には一切の光は日入っていない。
(毛並みからして狐だろうか?)
服は、着ておらず、というより服のサイズが全く合っていない。元々、ブカブカの服の中にいたのだ。
それでも、其の服は成人男性向けの服で、この子供は最高でも七、八歳くらいに見える。取り敢えず落ちていた赤いシャツを着せ、保護することにした。
「貴殿の名は何という。」
モラクスの問いに少し考えた様子をみせてから、「,,,アヤックス!」と答えた。
それにうなづいてみせたモラクスは、アヤックスを抱き、自らの洞天へ移動した。