テラーノベル
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※このお話を読むときのポイント💡
情景や、登場人物達を自分の自由に想像しながら物語を読むと、より楽しめますよ♪
花火___それは人夏に灯る一番明るい光
___僕にとってはそうだった……
しかし、花火とは一瞬で散ってしまう華……
あの日、僕の華は蕾を閉じてしまった___
電車の中、揺れる車内に身を任せ、僕はあの日のことを思い出す
あの日___あの場所で僕は一瞬で消えるような恋をした____
第一章 春の風
教室の窓
春の風が暖かく吹き込み僕は目が覚める
そして、また一枚一枚ページをめくっていく
僕はこの何気ない日課が好きだ。
だが、最近この日課が脅かされている__
『あ!いたいた!』
『も〜、どこ行ったのかって探してたんだからな〜』
黒髪で少し赤みがかった瞳のあいつが向こうから小走りでやってきた
このうるさいのは、僕の同級生で親友__だと、本人は言っている。
僕はわからない。
こんなうるさいのが僕の親友?
あり得ない
___まあ、僕自身何もすることがないのでこいつの茶番に付き合っている
こいつの名は、清水 涼(しみずりょう)
___名前だけは爽やかなヤツだ
僕はと言うと___、
『おい、聞いてんのか?』
『琉生(るい)』
おっと……先に言われてしまったな、
そう、僕は早海琉生(はやみるい)
今年で高校3年生になる
そして、こいつとの付き合いも丁度3年だ
わかりやすくていい
まあ…、僕の感想だが……
そんなことを考えていたら清水が何か話してきていることなどすっかり忘れてしまっていた
それがこの後の事を大きく揺るがすのであった。
第二章 花火大会
なんでこんなことになった……
僕のゆっくり、静かに過ごす平穏な生活が……
あぁ、あの時ちゃんと話を聞いていれば___
『おい、行くぞ〜!』
「はーい、」
無難に返事をしながら僕は神社の鳥居をくぐった
ただ、鳥居はいつもの見覚えのある落ち着いた鳥居ではなかった
だからこそ僕は落ち着けないまま清水に連れられるままだった
鳥居をくぐった先はたくさんの人で溢れかえっていた
「うげ……」
『ほら!行くぞ!』
僕は正直こんなところに入っていくなど吐き気がするほど嫌だ
でも清水が浴衣の裾をつかんで離してくれない
そのまま清水は、僕の浴衣の裾を掴みながら前へ前へと進み出す
「はぁ…、今すぐに帰りたい」
____などと声を上げられるはずもなく、僕は呆気なく引きずられるように屋台を回った
そんなことを考えて歩いていたからか、僕は清水とはぐれてしまった
まずいぞ……、コミュ障で陰キャな僕がこのキラキラ世界で生きていけるはずがない……!
今すぐに清水を見つけなければ____!
____数十分後
「はぁ…、はぁ……、」
む、むりだ……、体力もない僕がこんな人混みの中に入れるわけ無い
入れたとしてもごった返しで揉みくちゃにされてミンチの出来上がりさ
そんなこんなで人混みのないところから探すことにした
ただ人混みのない所なんて草がたくさん生えているところなどしかない
僕は虫も苦手だ
触れないことはないが、どうもあの形状が無理なんだ
でも、あのキラキラ世界には入っていけない
だからこの草むらを行かなければ___
よし、目を瞑って、走っていこう
ザッザッザッザッザッ___
「はぁ、はぁ、はぁ……」
もう疲れた
走りたくない
____パッ
やった!やっと草むらから出られる……!
____ヒュゥゥゥゥ…………ドンッ!___
「え……、?」
僕は何が起きているのか理解するまで少し時間がかかってしまった
目の前が満天の星空のように
ピカッと急に光りだしたのだ
それはそれは驚くことだろう
ただ、僕は頭だけはいいからこれが”花火”だということに気づくのにあまり時間はかからなかった
「わ………すごい、………」
今の僕はただただ”すごい”という一言しか出てこなかった
僕が感動に囚われていた、その時
後ろから誰かに肩を叩かれた気がした
僕は肩をビクつかせ恐る恐る後ろを振り向いた
〈君、どうしてこんなところに?〉
すると、そこには妖精かと見間違えるくらい美しい女の人が立ってこちらを話しかけていた
「えっ、えっト!!」
僕は緊張のあまり声が裏返ってしまった
なんてことをしているんだ………
そりゃそうだろう
僕なんて女性耐性など付いているわけもなく、ただクラスの端で読書をしているような陰キャなのだから
〈キョトン…〉
ほら、ポカンと目を丸くしてこちらを見ているじゃないか
やってしまった………
なんて後悔をしていたら女の人が口を開いた
〈君!wおもしろいねぇ!ww〉
「は、?」
僕はあまりの驚きに情けない声が出てしまった
〈だってさぁ?そんな緊張して話し始めた人早々いないんだもん!ww〉
そりゃそうだろう
この人は何を言っている?
僕は超陰キャのコミュ障なのだ
僕だって直せるものなら直したい
だがこの口が上手く動かない
うまく言葉が出ない
___だから会話は嫌いなんだ……
〈ねぇ!君もここに花火を見に来たのかい?〉
「え?」
それは違う
僕は人混みが嫌でこちらに偶然来てしまっただけだ
そんなことがなければこの人と会うこともなかった
「い、いや…ち、ちがう…けど……」
〈そんなおどおど話すことないよ〜w〉
〈気軽に!ね?〉
「そんな事が出来たら苦労なんかしてないよ」
__なんて…言えたらよかったな
僕には言えない
自分が嫌になる
そして沈黙の林の中2人で最後の花火を見た
〈あ!君!名前は___〉
「教えたくないです……、」
__もし、教えてしまったらこの先もずっとこの人と話すことになりそうだからだ
でも、少し冷たすぎたかな……、?
あぁ、清水みたいに爽やかに断ることができたら
どれほど良かっただろう?
こんなに悩むことすら無いのだろう
僕は軽く手を伸ばしかけている彼女を置き去りに
一足先に林から走り抜けた
人々が神社を去った後の鳥居は静かで落ち着きのあるいつもの鳥居に戻っていた
そこで僕は清水を待っていた
すると、遠くから清水の声がした
『お〜い!どこ行ってたんだよ〜!!』
『花火終わっちまったぜ〜?』
「知ってる。僕も見てたよ」
『そうなのか!?どうして一緒に見ないんだよ〜』
「だって…、どこにいるか分からなかったから…」
『そうか〜、琉生は人混み苦手だもんな〜w』
「苦手じゃなくて、嫌い。」
「そこのとこちゃんとしてよね」
『はいはーい』
そんな他愛もない会話を続けながら家への帰路に付いた
『』 清水涼(しみずりょう)
「」 早海琉生(はやみるい)
設定
早海琉生
男性
好き: 一人が好き、料理、読書
嫌い :虫、草むら、人混み、うるさい人
得意 :料理、絵
苦手 :清水涼、人と話すこと、学校
清水涼(しみずりょう)
男性
好き :早海琉生(友達として)運動、話すこと
嫌い :モテる男子、一人でいること、勉強
得意 :初対面で話すこと、運動
苦手 :モテる男子、グイグイ来る奴
いきなり始めてしまいましたが、新連載です!
チャットじゃないから見ない。なんて言わないで!
できる限りいい話にできるようがんばるから!
見てて、応援してほしい!!
これは、私が好きな作品を見て、それを参考に作っています!
おすすめ!
『余命一年、向日葵みたいな君と恋をした』
です!
マジで泣ける!!これも、そんな作品にしたい…!
だから、見てほしい!
多分みんなノベルだから見てないって人多いと思う…
これを気にノベルでも楽しめる小説をお届けするよ!
長々とごめんね💦
では!
NEXT➸♡20 第三章 謎の女性
コメント
4件
うはっ( ゚∀゚)・∵. 最高かよ...
うちノベルも好きだよ!? せいらのノベルうまい✨