投稿頻度がどんどん遅くなっていきましたね~
言い訳は最近多忙だから、ということにします
許してください
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーキリトリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「俺さ、犯人の見当、ついちゃったかも」
その一言。それだけ。それだけで地下がどよめくには充分すぎた。
聞こえる声は大方、フランシスの言動についてだろう。
「ーあの、それで…犯人ってー」
フランシスの隣、マシューが声を発したと同時に、 全ての視線がフランシスに向いた。
「…そうだな。そろそろ話すかぁ…」
重々しく、されど彼を思い出すようにゆっくりと、話し始めた。
「…2ヶ月…いや、1ヶ月半ぐらいかな。
アーサーが俺の家に来たんだ。 」
「前日の夜に連絡が来て、朝にはもう玄関で待ってたな。
あいつが直前に連絡してくるなんて珍しいし、なんかあったのかな、とは思ったけど…。
チャイムの音でお兄さん起きちゃってさ~、ほんと困っちゃうよね~」
国体にとって1ヶ月とは、極めて短いものである
だからフランシスは、事細かにその日を語った。
「まぁ本当にたわいも無い話しかしなかったけどね。
俺が作った料理食べて、アーサーが淹れた紅茶飲んで、喧嘩して…
そんなんをするためにアーサーが俺んとこ来るなんて有り得ないんだよ。
だから聞いたんだ。なんかあったのかって…」
「そしたらさ、アーサー言ったんだよ。
『兄上が、怖い』って。」
視線が集まる。
彼の写真を囲む、地下の端。
『…いーくんが、なんだって?』
「俺達は、アーサーと話すことはあれど、1対1で話す機会は多くない。
それは、そもそもの『国』が違うから。」
「でもさ。お前達はどうなんだよ。
家が一緒だから、あいつを殺す隙なんていくらでもある。
言ってみれば、今一番疑わしいのは、お前らなんじゃないの?」
フランシスが詰め寄る。
ある国体は息をのみ、ある国体は一歩後ろへ。ある国体は、目を見開いて。
「…随分と言ってくれるじゃねえか。」
スコットランドの国体であり、彼の兄。体躯が良く、茶髪の髪と、彼に良く似た瞳を持つ。
『たしかに、俺らが一番怪しいのかもね。すっごい不愉快だけど。』
ウェールズの国体であり、彼の兄。彼より僅に身長が低く、彼と良く似たブロンドの髪を持つ。
[うわ、また凄い憶測だね。フランシス?吃驚したじゃん。]
北アイルランドの国体であり、彼の兄。朱の髪と、彼に良く似た瞳を持つ。
いかにも兄弟らしく、一人、また一人と言葉を口にする。
されど、ポルトガルのように疑いが晴れることはなかった。
「…何か弁明があるんなら、話した方が良いぞ。」
『…さっきも言ったけど、すっごい不服だよ。これ。
俺がいーくんを殺すとか…意味分かんないんだけど。』
[まぁ推理としては妥当なんじゃない?家が一緒、間違ってはないじゃん。]
「このままじゃ3人揃って犯人だ。さっさと話すことだな。
こんなクソみたいな取り調べ、無意味にも程がある。」
写真は、彼の育てた薔薇とその中で微笑む彼を、写していた。
コメント
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あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! そう来るのか…!! 相変わらず文才とストーリー性が 爆発してる…!!(?) 続きが楽しみです!