ペア対抗競技大会の発表があった翌日、イレブンとセーニャは新たな課題に挑戦することになった。学校の広い校庭で行われるこの大会では、ペアで協力してさまざまな競技をクリアしていく。全ての競技がチームワークを重視したものばかりで、二人の絆が試される瞬間だ。
「今回の大会、みんなすごく気合いが入ってるみたいだね。」
イレブンがセーニャに言うと、セーニャも頷きながら少し緊張した様子で言った。
「はい、でもイレブン様がいれば、きっと大丈夫ですわ。」
セーニャの言葉に、イレブンは微笑みながら答えた。
「僕もセーニャと一緒なら、何だって乗り越えられるよ。」
競技が始まると、最初の種目は「二人三脚」。ペアでしっかりと連携しながら走るというシンプルな競技だが、足並みを揃えるのは意外と難しい。
「よーし、行くよ!」
イレブンがセーニャに声をかけ、二人三脚のスタートラインに立った。
「気をつけてくださいね、イレブン様。」
セーニャも少し緊張しながら、足を合わせる準備をする。
「せーの!」
スタートの合図と共に、二人は一緒に走り出した。最初はうまくいったが、途中でセーニャが少し足を引きずってしまう。イレブンはすぐに気づき、優しく言った。
「セーニャ、大丈夫?無理しないで。」
「すみません…ちょっと足元が不安定で…」
セーニャが心配そうに言うと、イレブンはすぐにペースを調整して、彼女を支えながら走り続けた。
「僕がしっかりサポートするから、安心して。」
イレブンの言葉にセーニャは心強さを感じ、少しだけ足元が安定してきた。二人は互いに励まし合いながら、全力で走り続けた。
ゴールラインに到達したとき、二人は息を切らしながらも嬉しそうに顔を見合わせた。
「やったね、セーニャ!」
「イレブン様、ありがとうございます…おかげで無事にゴールできました。」
二人は喜びを分かち合い、次の競技へと進んだ。
次の競技は「お互いに向き合ってのペアボール投げ」。この競技では、ペアの二人が息を合わせてボールを投げ合い、何回キャッチできるかを競うというものだった。
「今度は僕がしっかりキャッチする番だね。」
イレブンが言うと、セーニャも頷いた。
「ええ、私が投げますから、イレブン様、しっかりキャッチしてくださいね。」
セーニャが投げたボールは、最初は少し強めだったが、イレブンはしっかりとキャッチした。二人は順調に回数を重ねていったが、途中でイレブンが手を滑らせて、ボールが空中でバウンドし、セーニャの方に向かって飛んでいった。
「あっ!」
セーニャは目を見開き、反射的にボールをキャッチしようと手を伸ばしたが、間に合わず、ボールが地面に落ちてしまった。
「ごめん、セーニャ…」
イレブンはすぐに謝ったが、セーニャはにっこりと微笑んだ。
「大丈夫ですわ、イレブン様。焦らずに次を頑張りましょう。」
二人はその後、最後の競技に挑戦することになった。その競技は「ペアで協力してパズルを解く」というもので、時間内に完成させなければならなかった。
パズルは意外に難しく、二人は最初から最後まで息を合わせて一つ一つ解いていった。イレブンがパズルの片方を、セーニャがもう片方を担当し、互いにヒントを出し合いながら解決していった。
「こっちが合うんじゃない?」
「ええ、それでいきましょう。」
時間が迫る中、二人は最後のピースをはめ込むと、見事に完成した。周りから拍手が湧き上がり、二人はお互いに笑顔を交わした。
競技大会が終わり、結果発表が行われた。イレブンとセーニャは全体で見ても上位にランクインし、好成績を収めていた。二人はその成果に満足し、誇らしげな気持ちを共有した。
「セーニャ、今日は一緒に頑張って本当に楽しかったよ。」
「私もですわ、イレブン様。これからもずっと、こうして支え合いながら歩んでいきたいと思っています。」
その日、寮に帰る途中、二人は夕焼けを見ながら歩いた。今まで以上に強く感じる絆に、互いの気持ちが確かなものになったことを実感しながら。
次回予告:
第8話では、学校の大イベント「文化祭」がやってきます!イレブンとセーニャは出し物を決め、ペアで準備を進めますが、思わぬ困難が待ち受けている…。二人はどう乗り越えていくのか?
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