注意報ー次回は警報ー
(夜。万事屋の前。町は静かで、屋台の提灯がちらほらと灯っている)
銀時「……んじゃ、散歩でも行くか。」
彩音「いきなり何だよ。夜だぞ?」
銀時「昼間あんだけツンツンしてたヤツの顔が、まだ思い出し笑いのネタに使えそうだからな。」
彩音「殴っていい?」
銀時「やめて、今日ツッコミじゃなくて散歩回だから。」
(少し間があって、並んで歩き出す)
彩音「……静かだな。」
銀時「ああ。珍しく誰も暴れてねぇし、平和な夜ってやつだな。」
(風が吹き、彩音の髪が揺れる。銀時がちらりと横目で見る)
銀時「……お前さ。」
彩音「ん?」
銀時「あんま我慢すんなよ。」
彩音「は?」
銀時「昼間のアレ。『別に興味ない』とか言ってたけど、
あんなん、どう見ても気にしてんだろ。」
(彩音、少し俯いて)
彩音「……別に。気にしてねぇ。」
銀時「へぇ。じゃあなんで耳まで赤かったんだ?」
彩音「うるせぇ!!!」
(顔を逸らして、歩幅を速める彩音)
銀時(苦笑)「まったく。可愛げってやつを覚えやがって……。」
(沈黙。橋の上に差し掛かる。月が水面に映っている)
彩音「……銀時。」
銀時「ん?」
彩音「……ありがとな。」
銀時「何がだよ。」
彩音「なんか、わかんねぇけど……あの時、少し安心した。」
(小さく微笑む)
(銀時、少し驚いて、目を細める)
銀時「……おう。」
(ポリポリ頭をかく)
銀時「……やっぱお前、拳よりそっちのほうが効くな。」
(彩音、照れて小さく拳を握る)
彩音「殴るぞ。」
銀時「ほらきた、即物理〜!」
(風がまた吹き、二人の影が重なる。
その様子を遠くから見ていた神楽と新八。)
神楽「……青春アルなぁ。」
新八「あの二人、進展してるようでしてないようで……でもなんか、いいですね。」
神楽「いや進展ゼロアル。ツンとツッコミでプラマイゼロアル。」
(橋の上、銀時が彩音の頭を軽くポン、と叩く)
銀時「……ほら、帰んぞ。夜風で風邪引く。」
彩音「ああ。」
(少し笑って歩き出す。月明かりの下、二人の背中が並んで消えていく)
ふぃー
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