TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

テラーノベル(Teller Novel)
シェアするシェアする
報告する

注:誤字・雑字等があるかもしれません。ご了承ください。





午後10時。

「ハァ…ハァ…」

暗い闇の中、リオが全速力でで通学路を駆け抜けていく。

「ヤバイ。ヤバイヤバイ!門限過ぎちゃったよ。このままじゃあ殺される!」

リオの家の門限は午後9時。1時間も過ぎている。

母ちゃんは怖い。ちょっとした事ですぐ怒る。門限を過ぎたらなおさらだ。

頭の中で門限を破った言い訳を考えながら、ただただ走る。

家が見えてきた。ゴクリとつばを飲む。叱られる覚悟はできた。

「あっ!」

リオは声をあげる。

暗闇で見えなかったが、直ぐ目の前に電柱があった。このままでは電柱に激突してしまう。

急いで止まろうとしたが、もう遅かった。

ゴンッ…と音を立てて電柱にぶつかる……はずだった。




「痛っ…てあれ。痛くない」

電柱にぶつかったはずなのに痛みがない。おでこを触ってみる。たんこぶもできていない。

勢いよくぶつかったはずなのに痛みがないのも不思議だが、それ以上に不思議なことがあった。

「なっ、はぁ!?」

まぬけな声を上げ、リオは立ち尽くした。

通学路にいたはず…なのに。

そこは壁も床も天井も黄色い、異質な空間だった。

天井には蛍光灯がついていて、常時耳障りな不快な音がなっている。

不安と恐怖ともにどこか懐かしさも感じる。この空間はいったい……?

「なんだよここ…なんか、気味が悪いし…」

さらに不安や恐怖が倍増する。

「ど、どうしよう。歩いてみるか…?」

ここでずっと立ち尽くしているのも得策ではない。戸惑いの色を見せながらもリオは足を進めた。


何時間経っただろうか。いや、まだ数分、数十分しか経っていないのかもしれない。

未だ出口は見つからない。まず出口があるのかもわからない。

「のど…乾いたな」

どこかに飲み物が落ちていないかとあたりを見回してみる。

(まぁこんなところに飲み物なんて…ん?)

この黄色い空間にポツンと一本ペットボトルが置いてある。

恐る恐る近づいてみる。普通のペットボトル。中に何か赤い液体が入っている。

「これ、飲み物かな?でもなんか赤いし…」

ペットボトルを目の高さに持ち上げ、まじまじと見てみる。

「変な色してるし…ラベルも海外のものみたいだし…どうしよう」

うーん。と唸っていると。

ペタ。

…背後から、足音が聞こえる。

ペタ、ペタ

ゆっくりと何かがこちらへ向かってきている。

(なんだ…?)

……嫌な予感がする。

そして、そいつは姿を表した。

「……え」

それはつるのような手を持ったよくわからない生き物だった。

何の生物にも例えられない。それはまさしくエイリアンだった。

「@/1i1○→7×」<○〆1÷4〒1÷」

そのエイリアンがよくわからない奇声をあげる。

そして私に向かって走ってくる。

「う、うわああああああああ!!!」

リオは間一髪のところでそのエイリアンの突進をかわす。

「あ、ああ、に、逃げないと」

リオは立ち上がり全速力で走り出した。それとともにエイリアンもリオを追いかけ走り出す。


「ハァッハァッ…」

どれだけ走ってもそのエイリアンは息切れする様子もなく、相変わらずよくわからない奇声をあげながら追いかけてくる。

細い通路に飛び込む。そこは行き止まりだった。…が

(……あ、穴がある!)

床にポッカリと穴が空いていた。後ろにはエイリアン。前には穴。

もうこの穴に落ちるしか逃げ道はない。

もしかしたら死んでしまうかもしれない。だが、このエイリアンに殺さるよりはマシだろう。

リオは意を決して飛び込む。

冷たい風が頬に当たる。かなりの速度で落ちているようだ。



「うわっ!!」

バランスを崩し、その場に倒れ込む。どうやら無事逃げ切れたようだった。

腰を抑えながら立ち上がると、そこは


倉庫のようなコンクリートに囲まれた空間だった。


この作品はいかがでしたか?

31

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store