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「なんなのよ…まったく! あんな人がチーフとか、信じられないんだけど!」
自分のデスクに戻るも、ついつい毒づかずにはいられない私に、
「理沙、そんなに怒らないでって。銀河はさ、ああいう性格なんだから、怒ったら負けなんだってば」
隣の席に座る同僚の天馬が、いたわるような笑顔を向けてくる。
「そう…だけど…でも……許せない……」
「よしよし…」と、天馬が私の頭をなでて、
「じゃあ、あとで三日月課長にでも、報告しとく?」
そう言うと、その天使のような愛らしい顔に、にやりとした笑みを浮かべた。
「三日月課長に……? いや、いい……あの課長を怒らせたら、いくら銀河チーフでもかわいそすぎるから……」
やや慌てて否定をする。
天馬の何かを企んでるかのような笑い顔からして、冷徹と名高いあの三日月課長に銀河チーフが怒られることを、まるで楽しんでいるようにしか思えなかった。
「ふぅーん、そうなの? なんだ…理沙ってば、やっぱり銀河のことが好きなんだね?」
「す…好きって、なっ…何よっ!」
思わず大声を上げる私に、天馬が「ふふっ…」と、笑いかける。
「だって、銀河チーフのことかばってあげちゃって。まぁ…気もちに気づいてないんなら、別にいいけどね?」
「だっ…誰が、かばってあげちゃってるのよ…誰がっ!」
否定しながらも、顔がじわりと赤くなってきている私を、
天馬が「ふふん」と、見透かしたような顔で見る。
(違うから! 絶対っ、違うんだから! 私が、あんなケーハク男を、好きなわけなんかないでしょっ!!)
私は、心の中でそう叫んでいた──。