あの日以来、いつも犯罪と死が隣で私のことを嗤っていたのです。
一歩間違えたら絞首台や朱色に染まった見世物小屋、一歩間違えなくてもすでに泥沼でした。
でも、慣れって本当に人を狂わすのですね。初めのうちはまだ怖くて怖くて毎日怯えっぱなしだったというのに、徐々に恐怖心は一種の薬になっていました。そんな自分に疑問も抱かず、いや、抱くことすら許されず、 ただ淡々と仕事をこなしていました。
本当、今思えば怖いですよね。
まあ、そんな怖い自分に別れを告げる出来事が起こりまして。ある日の任務の対象が親友というか、あの頃の私が唯一心を開けていた人だったんですよ。仕事熱心だった私はそれに気づかず・・・。
あっ、ごめんなさい、今でもあの出来事は鮮明に思い出せるので・・・。それから頑張ってなんとか足を洗いました。手は汚れましたけど。
命からがら逃げていたら、気づいた時にはここにいました。この辺の記憶はどうも曖昧で・・・。
いや、本当にすみませんねさっきから。
でも、私が話せるのはこれぐらいしかありません。なんせ、一昨年の話なので。
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一昨年…一体誰なんだ?