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◆深夜・目黒のマンション前
ライブ後の帰り道。
身体は疲れているのに、頭の奥が妙に冴えていた。
マンションの前に立つと、
薄暗い街灯の下に、人影がひとつ。
佐久間だった。
でも、驚きはなかった。
むしろ……来てほしいと思っていた自分がいる。
「……待ってたの?」
「うん。蓮に会いたくて」
いつもより静かな声。
その優しさの裏に、絶対離さないという意思がある。
胸がきゅっと締まる。
「……入る?」
迷いながら言った言葉は、
完全に“誘っている”ものだった。
佐久間はわずかに目を細めて笑い、
軽く頷いた。
⸻
ドアが「カチリ」と閉まる音。
同時に、佐久間がゆっくり近づき、
目黒の頬に触れた。
人差し指で、線をなぞるように。
「……蓮。今日、俺のことずっと見てたでしょ」
「っ……見てない……」
否定すると、佐久間は首を傾けて微笑む。
「じゃあ、ステージであんな顔する?」
思い出しただけで、頬が熱くなる。
ぐっと腕を掴まれ、
後ろの壁に身体が吸い寄せられた。
「離したくないんだよ、蓮。」
唇が触れそうな距離。
呼吸が混ざる。
触れられてる場所が、全部熱い。
⸻
気づけばソファに背中を預けていて、
佐久間が上から覗き込んでいた。
いつもの笑顔じゃない。
もっと深くて、濃い、
“俺のものだ”という色をした瞳。
「ねぇ……逃げないで」
囁きながら、目黒の手を取って指を絡める。
絡んだ指を、そのまま胸元に押しつける。
「蓮の全部、俺が触れていい?」
息が止まるほど近い。
答えられないまま、喉が鳴った。
その反応だけで、佐久間の目が熱を帯びる。
「……可愛いよ、蓮」
ゆっくりと首筋に唇が触れた。
軽いキスじゃない。
意図を持って、印をつけるみたいに落とされる。
目黒の指先がソファを握りしめる。
逃げない。
逃げたくない。
こんなにも求められる感覚に、心が溶けていく。
コメント
2件
ちょびさんのコメントに頬を緩ませてる場合じゃなかった!!Σ(゚ω゚ノ)ノ なんですか、なんなんですか 良き所てお預けなの~ぉ(´Д⊂ヽ ドキドキして、続きが気になりますね もう、うまいんだから💕
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