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「ねぇ太宰、」
「今度は一体何でしょう?」
「そろそろ克服したら?」
「はい?」
「だーかーらー、トラウマを克服したら?」
「い、いや、でも、そう簡単に克服できるものでは、」
「お前なら出来る。今までどんな壁を乗り越えて来たと思ってんだ。」
「それは大分逆境ですけど、」
「トラウマぐらいすぐ克服できるさ、だって、お前は『太宰治』なんだからさ。」
「、、」
私だから克服できる?私はそんなに強くない。強さを偽って来ていただけ。
何があろうと平気なふりをして、何があろうとも乗り越えて来た。
その方が楽になれると思ったから。
ひたすら辛いと実感するよりも、自分は大丈夫だと思って生きた方が何倍も楽だったから。
楽だと、思っていたから、、、
もし、そうやって私自身に嘘をついていたとしたら?本当はものすごく辛かったら?
だとしたら、私は今まで何を見てここまで来たんだろう、
悪夢しか見てこなかったのかもしれない。
自分の思い通りに行くたびに心が軽くなる、そんな偽りの悪夢を。
人を殺すのが快感だったあの日々。大事なものを失ったあの日。
もういっそ、この人生が全て夢だったらいいのに……。
「…太宰。これ食べろ。」
「むぐっ、らんほうでふよらんほはん(乱暴ですよ乱歩さん)」
「お前は探偵社の大事な社員。それを自覚して、ちゃんと克服してこい。自殺愛好家。」
「酷いですね、もう、」
「それとも僕が巻き直そうか?包帯、」
「それは、、遠慮したいです、」
できるならそうしたい。だけど、私の個別の事情に首を突っ込んでほしくない。
乱歩さんには迷惑はかけられない。
それに、この姿を見たら、引かれてしまう……
「大丈夫、引いたりしないよ。僕がやりたいって言ったのに引くなんて、そんなのただの我儘だ。」
「わ、私は…、もう、何度も見て来たので、大丈夫デス……。」
「どうやら大丈夫じゃなさそうだね。よぉし!仕事は上がりだし、どうせ太宰サボるし家にお邪魔させてもらうよー‼︎」
「えぇ⁉︎」
変なこと言ったかな、私。