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にわめとーこー
あ…かきだめしてるから早いだけだからね!?(残り10話分)
夕方。
家に帰る道を、らんは一人で歩いていた。
さっきまで一緒に帰っていた、いるまの後ろ姿を思い出す。
(やっぱり…)
らんは少しだけ考え込んだ。
「なんかあるよな。」
いるまは笑うことはある。
でも、どこか無理している感じがする。
時々、ふっと表情が消える瞬間があるのだ。
まるで——
心に壁を作っているみたいに。
「……気になる。」
そうつぶやいて、ポケットからスマホを取り出す。
あるグループチャットを開いた。
そこには、らんのよく話す仲間たちの名前が並んでいる。
らんはメッセージを送った。
らん:今日さ、学校で気になるやつできた
すぐに返信が来た。
「また新しい友だち?」
「らんらしいな笑」
らんは少し笑う。
らん:いや、なんか普通じゃないんだよな
「どういう意味?」
らん:うーん…説明むずい
少し考えてから、打ち込む。
らん:笑うんだけどさ
なんか、すごく無理してる感じ
チャットの画面が少し静かになる。
それから、またメッセージが来た。
「それってさ」
「助けてほしいタイプじゃね?」
その言葉を見て、らんは少しだけ目を細めた。
助けてほしい。
いるまが、そんなふうに見えるのか。
確かに——
目の下にはクマがあった。
それに、時々すごく疲れた顔をしている。
「……どうなんだろ。」
らんはベッドに寝転がった。
スマホを見つめながら考える。
今日の帰り道。
いるまは、ほとんど自分の話をしなかった。
質問しても「別に」とか「普通」とか。
短い答えばかり。
でも——
らんは思い出す。
夕焼けを見上げていたときの、いるまの横顔。
あのときだけ、少し寂しそうだった。
(放っとけない。)
自然とそう思っていた。
チャットにまたメッセージが届く。
「らん」
「その子の名前は?」
らんは少しだけ笑った。
スマホに打ち込む。
らん:いるま
すぐに反応が返ってくる。
「へえ」
「なんか強そうな名前だな」
「どんなやつ?」
らんは少し考えた。
どう説明すればいいのか分からない。
でも、一番近い言葉は——
「……寂しそう。」
ぽつりとつぶやく。
そして、メッセージを送る。
らん:たぶんさ
ずっと一人で頑張ってるやつ
その瞬間。
またすぐに返信が来た。
「ならさ」
「そばにいてやれよ」
短い言葉だった。
でも、まっすぐな言葉。
らんは少しだけ笑った。
「……言われなくても。」
スマホを閉じる。
天井を見上げながら、つぶやいた。
「明日も話すか。」
そのころ——
いるまは、自分の部屋で静かに座っていた。
家の中は、また重たい空気に包まれている。
遠くで大人の声が聞こえた。
いるまは、耳をふさいだ。
(……早く朝になれ。)
そう思いながら、ベッドに横になる。
でも、そのとき。
ふと今日のことを思い出した。
帰り道。
隣を歩いていた、らん。
「じゃあ今日からは、たまに一緒に帰ろうぜ。」
その言葉。
いるまは、目を閉じた。
(なんなんだよ、あいつ。)
でも——
ほんの少しだけ。
ほんの少しだけ。
胸の奥が、あたたかかった。
閉じていたはずの心が、
ほんの少しだけ、
動き始めていた。
コメント
2件
この作品も見続けるね~(*´▽`*)続き楽しみすぎる!