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次はいつ会えるんだろう。
ゆっくりとまだ話したい。
でも母に名刺の事を言わないといけない。だから今日は早く帰らないと。
それに契約妻って、こんな感じでいいのかな──と。
先のこと等を考え出すと、次の話題に迷ってしまった。
「ご馳走様でした。すき焼き美味しかった。また作ってくれると嬉しい。そうだ、今日の費用は後で支払う。これからは俺のカードを渡すから、真白の好きに使えばいい。それと九鬼氏について、少し先に伝えたいことが。さっき言った友人、松井の調べによると──真白?」
「…………」
「真白どうかした? なんだかぼうっとしているようだけど」
気がつくと「真白?」と、テーブル越しの黒須君の疑問を含んだ声にはっとした。
「あっ、ごめんなさいっ」
黒須君に心配されてしまった。考えがまとまらなくて、慌てて取り繕う。
「だ、大丈夫です。食後のお茶を淹れようかなって、思っていて。ちょっと考えごとを。ごめんなさい。今、何か言いましたか?」
「──いや。なにも。だったら、ゆっくりしたらいい。後片付けは置いておけばいいし。お茶を淹れるぐらいなら、俺がやろう」
そう言って席を立とうとするから「黒須さんは座ってて」と、素早く席を立った。
「お仕事して帰って来たのだから、ゆっくりしていて下さい。直ぐに後片付け終わらせますから」
そのまま手早く使い終わった食器をまとめ、エプロンを掴み。トレイにささっと食器達を乗せてキッチンに向かう。
しかし黒須君の瞳は何かいいたげな様子。
その瞳から遠ざかっても、ここのキッチンは綺麗な広いアイランドキッチン。遮るものが何もない。
黒須君のそんな視線を躱すものが何もなくて。
下を向いて、なんでもないフリをして食器をまずは洗おうと思った。
(変な誤魔化しになってしまったかも。まだお喋りしたいです、なんて幼すぎるよね。黒須君が折角、相談事にも乗ってくれた訳だし。今日は長居は無用かな)
また今度ゆっくりと話す機会はあるだろうとエプロンに手を掛け、いざ食器を洗おうとしたら。
がたりと椅子が動く音がして思わずそちらを見ると。黒須君が私に近寄り、また後ろから包み込むように抱き締められた。
すとんと、足元に落ちるエプロン。
「く、黒須さんっ。今から食器を洗うから、ま、待って」
「真白。考えごとってなにかな。まだ心配ごとがあった?」
うなじに越しに囁かれ。ぞわりと肌が粟立つような感触に、吐息を漏らしそうになる。
こうして密着されると、高校生の時の黒須君は華奢だったのにと思い出す。
なのに今の黒須君の体は、とてもしっかりとした体に成長していて。男の人になったんだと言う事実にどうしても、胸がドキドキする。
「そうじゃなくて。その」
「じゃあ、俺に対して嫌なことがあった? 何か気に触ることがあったなら言って欲しい」
黒須君の声色が少し、低いものになり。
私を抱きしめる両腕にきゅっと少し力が加わった。誤解させてしまったと思い。
深呼吸してから口を開いた。
「黒須さんに嫌な事なんてありません。その、もう帰らないと行けないから。名残り惜しくて……もっとお話がしたいと思ってしまったんです」
素直に口に出すと恥ずかしかった。
「俺もだよ真白。本当の事を言うと俺はこのまま真白と、一緒に夜を過ごしたいと思っていた」
「!」
その言葉に驚いて、パッと振り返り。黒須君を見つめるが、黒須君は柔らかく微笑しながら被りを振った。
「でも、お母様にちゃんと言わないと。今日は名残り惜しいけれどもちゃんと家に返す。あとで車で送っていくよ」
そのまま私の髪を優しく。余裕のある手付きで、するっと弦を奏でるかのように梳く。
それはいっそ優雅だと感じる仕草だった。
一緒に夜を過ごしたい。
男性にそんなことを言われた経験などなく、気恥ずかしくて仕方ない。
嬉しさと、恥ずかしさでどう返事をしていいか分からず。黒須君の胸元にそっとおでこを寄せてみた。すると髪を撫でる黒須君の指先が、私の顎に伸びて。
黒須君の唇に導かれるように、唇が重なった。
「んっ」
それは前みたいに深く絡み合うキスじゃなくて。唇と唇がふわっと触れ合い。またゆっくりと離れる優しいキスだった。
びっくりしている内に、黒須君の手が私の背に回った。
「今日は家に帰すが、帰ってからも俺のことを意識していて欲しい」
「……黒須さんのことは、ずっと意識してます」
そう。高校生の時から、ずっと意識してしている。
「でも俺はね、もっと意識して欲しい。俺だけのことで、真白の頭がいっぱいになればいいなって思っている。それに……」
黒須君はそう言って、顔を隠すように私の首元に顔を埋めた。吐息が熱く。首元から黒須君の熱が私の体に広がるような気がした。
「真白がどう思っているかは分からないが、俺は独占欲が強い。俺の妻たる存在に手を出そうとした人間は気に入らないし、消えて無くなればいい。でも、それ以上に可愛い真白をこの腕の中に閉じ込めて、誰の目にも触れさせたくないと思っている」
「黒須さん……」
強い言葉に、ひりつくものを感じるのは私の気のせいかもしれない。
黒須君の表情は分からないが、抱きしめる腕に力が籠ったかと思うと。
黒須君の背に回った指先が、ゆっくりと下に下がり。
腰からお尻に到達しそうになっていた。
言葉よりも、指先の動きに意識が傾いてしまった。
手の動きが気になり。あの、その、とかしか言葉が言えず。思わずソワソワして黒須君のシャツを少し引っ張っると、黒須君が重い吐息を吐くように。じっとりと言葉を吐いた。
「そんな風に可愛い仕草は俺を煽るだけだ。このまま煽った責任を取って貰おう」
その言葉が終わると、首筋をちゅっと吸われた。そのまま唇で動脈を喰まれ、歯でじっくりと甘噛みをされるとくすぐったくも、ぞわりとする快感が生まれ始めた。
「っん。私、煽ってなんか、」
「真白は首筋が気持ち良いって言ってたから、ここに沢山キスをしようか」
「……っ、はぁ。そんな事、忘れて下さい……」
「──忘れてたまるものか」
少し、語気が強くなったと思うと。腰に回った手がとうとうお尻に到達して。両手がお尻をぐにっと掴んだ。
「ひゃんっ!」
「真白の体はどこも柔らかくて、可愛い。だから、あちこちいろんな所を触りたくなる。この体は俺だけのもの……」
くすっと低い声で笑う振動さえ首筋に響き、またぞくりとした。
首元は唇で優しく嬲られ、お尻はワンピースの生地とストキッング越しとはいえ、ヒップラインを確かめるように。両手で揉もまれ。
しかも、尻たぶを上にあげられたかと思うと、ぐっとお尻を左右に割られるように弄られる。
その度に下着が割れ目にぎゅっと食い込んで、ムズムズしてしまう。
「あ、ぅん、お尻、そんなに触ったら、」
ダメ。と言う前にかぷっと、黒須君に首筋を甘噛されて背中をしならせてしまった。
(な、なんだろう。凄く恥ずかしいっ。キッチンで立ったまんま、こんなエッチな事してるからかな)
早くもじわりと、蜜壺から蜜が溢れているのが分かった。
広い部屋に私の乱れる呼吸と、黒須君の唇から漏れるリップ音が部屋に広がる。
それがいやに大きく聞こえてしまい、せめて声は抑えようと唇をきゅっと噛み締めていると。
「今日は愛らしい声を聞かせてくれないのか……残念だ。そんなに唇を噛み締めたら綺麗な唇が傷つくから、唇を守らないといけないな」
するっと、お尻に添えられていた黒須君の手が前に回り。ワンピースの前の裾をぐっと上に持ち上げたかと思うと私の口元まで持って来た。
「やっ、く、黒須さん、こんな格好」
こんな事をされたらスカートが捲り上げられて、スカート下のストッキングと下着が黒須君に丸見えで恥ずかしい。
お腹の辺りに外気を感じて下半身の露出に体を捩るけど、背後はキッチンで逃げる場所なんかない。
「こんな姿、俺しか見てないから大丈夫。ほら、真白。裾を咥えて。真白の綺麗な唇を守るため為だから」
口元に裾を持って来られた。
眼前には眼鏡越しに、有無を言わさない鋭い視線の黒須君の瞳。
それらに抗えないものを感じて──あむっと。自ら裾を噛んだ。
すると「良い子だ」と頬にキスをされ。
黒須君の頭がゆっくり頬から胸元。胸下へと下がり。
黒須君が長い足を折り、その場で跪くように腰を下ろすと自然に黒須君の前には──顕になった下着が見えるわけで。
「んぅうっ!」
見ないでっと、声を上げても布を噛んでいるからくぐもった声しか出なかった。
「今日は白いレースの下着か。真白によく似合っている。でも、暑そうだから脱ごうか」
「!」
するっと黒須君の手が私の腰に添えられたかと思うと、下着とストッキングごと器用にするりと膝上まで下げられてしまった。
「んうっ」
「あぁ、やっぱり暑かったんだな。下着の真ん中部分が濡れている……いやらしいな」
下から挑むような視線を送られ。思わず「違う」と言い訳めいて首を横に振る。
好きな人の目の前で秘所を剥き出しにして、自らスカートを口でたくしあげているこんな格好。
羞恥心で体が崩れ落ちそうになるのをなんとか、両手で後ろにキッチンの端を掴んで堪える。
「濡れていたら、拭かないと」
それってまさか。
と思った瞬間には閉じていた、割れ目に黒須君の長い指が添えられた。
ぐちっと左右に開かれた生々しい感触のあと。
もっと鮮烈で、神経に直接触れるような刺激が襲ってきた。
「んっ!」
それは黒須君の舌がねっとりと、割れ目から剥き出しになった花芯の周りを舐め始めたからだ。
既に蜜壺から蜜が溢れたたそこはしっとりと潤んでおり。黒須君の唾液が加わるとあっと言う間に
くちゃ、くちゅっと言ういやらしい艶音がリズミカルに響いた。
(や、やぁっ。そんなところ舐めないでっ。やだ、き、汚いからっ)
頭ではそんな事を思っているのに、口に出すと「むうっ」とか。モゴモゴした音しか発せない。
いっそ、咥えた布を離してしまおうかと思ったけれども。
黒須君の舌から与えられる刺激は、快感以外なにものでもなくて。
一度覚えてしまった快感は抗えないほどに甘美で、理性をぐずぐずにしてしまう。
割れ目をぱっくりと開かれ、舌が花芯の周りをじっとり舐める。舌先でくりくりとなぞる動きに涙目になり、蜜壺から先ほどより濃い。とろりとした蜜が滴り落ちるのが分かった。
でもその蜜は黒須君の舌先にも指先にも、落ちる事はなく。太ももをゆっくりと濡らすだけでお腹の奥が疼くだけ。
「うっん、むうっ」
(き、気持ちいい。なのに辛い。黒須君……っ。わざとだよね……)
舌は決して花芯本体に触れない。蜜壺に指さえ触れてくれない。
そのもどかしい動きに身悶えする。
花芯の周りをヌルヌルと這う生温かい感触に、体をビクビクと震わせて、足に力が入らなくなってしまう。
(焦らされている。でも、口が聞けないこんな状況どうしたら。裾を口から外して、おねだりしたら)
花芯に強い刺激をくれるかもしれない。
蜜壺に指を挿れてくれるかもしれない。
──前みたいに中を可愛がってくれるかもしれない。
クラクラする頭は前の秘め事を思い出し、淫猥な事でいっぱいになっていると。
黒須君が下腹部でくすりと微笑して、花芯から舌をつっぅと離してゆっくりと。下から私を見つめて喋った。
「真白からは見えないだろうけど、真白のここはピンク色でツヤツヤしていて。雄を誘っているみたいでイヤらしい。ほら、ここ」
ぬちっと、指の腹で花芯を触られるとお腹の奥がキュンと甘く疼いた。
「っうん!」
そのままくにくにと、花芯を押し潰される。
左右に優しく。くちり。くちりと嬲られる。
その度に体がびくりと跳ねた。
「ほら可愛い。俺に触られて赤くなってきた。ここを真白はどうされたい? やめて欲しかったら裾を下ろせばいい。続けて欲しかったら……俺が真白をもっと可愛いがるには──どうしたら良いか、真白は分かるね?」
黒須君が艶やかに笑うのと同時に、内太ももに手が添えられぐっと。外側に力が込められたのが分かった。
これはきっと。
自ら足を開けと催促しているのだと思った。込み上げる羞恥にまた体温が上がる。
柔らかな物言いなのに、有無を言わさない言葉と下から見上げる仄暗くも、力強い視線に体がビクッと震えてしまった。
(エッチ……! 黒須君のエッチ! 意地悪っ。学生のときはそんなんじゃなかったのに……!)
ふぅふぅと荒く息をしながら、そんな事を思う。口で食んでいる生地は唾液が染みて、ぐっしょっりとしていだけれども。
それ以上に私の下半身はぐっしょりと濡れて。お腹の奥は切ないくらいに疼いていて。体は熱くて。
もっと黒須君に触れられたくて──仕方なくて。
黒須君の言葉に従い。
自ら足をそっと開いたのだった。
すると黒須君はふっと微笑して。
「真白は本当に素直で可愛い。このままどんどんと、俺好みの女になってくれ」
そう言ってからわざと音を出すように。じゅるりと卑猥な音を立てながら花芯を舐めて。
さらに、ちゅうっと吸い付いた。
「う、んっ、ぅんっ!」
時折り花芯に当たる、こりっとした硬い歯の感触が堪らない。舌の柔らかさだけじゃない花芯への愛撫は気持ちが良すぎた。
花芯への緩急付けた愛撫。
そられによって花芯が弾けんばかりに熱を帯び、パンパンに膨らんでいるのが自覚出来るほど。
背筋がゾワりとして目の前がチカチカしてきた。
待ち焦がれた、強い刺激を受け止めきれず目の前がクラっとする。
一人では決して得られない快感に涙ぐんで、支えている両手に力が入らずガクガクする。
さらにはお尻に手を回されて、がっしりと荒々しく揉まれた。長い指先がお尻の割れ目に侵入し、窄まりに届くのではないかと言う、ギリギリの指使いに緊張して身を強張らせる。
「〜〜っ!」
前を優しく愛され。お尻を手荒く揉まれ。黒須君に翻弄されぱっなしだった。
流石にもう、息が上がってきた。
立っていて口に布を咥えているせいか、吐息が籠り。気持ちよさがどこにも逃げれず、体に蓄積されていく。
崩れ落ちると思った瞬間を狙ったかのように、カリッと花芯を甘噛みされた。
「ぁあんっ!」
思わず声を上げてしまい。裾を唇から離すのと同時に、目の前がチカッとして。
鋭い快感のあとに腰を中心に気怠い余韻が広がり──。
足に力が入らなくなったところを、ガシッと黒須君に支えられた。
「っと、危ない。真白。今のは甘イキかな。これ以上続けたら、また真白が意識を失うかも知れないから、やめておこう。敏感な体というのも少々考えものだな」
余裕たっぷりに静かに笑う黒須君。
私は何も言えず、甘くも重い余韻に体が震えてしまうだけ。
優しく頭を撫でるられているその刺激さえぴくりと、反応してしまう。
「はぁ、はぁっ……」
「少し落ち着いたら、送っていく。後片付けは俺がやっておくから」
落ち着いた黒須君の言葉。そしてもう終わりだと片手で器用に、私の下着やストッキングを元の位置に戻した。
私の中ではまだ甘い余韻が渦を巻いて、お腹の奥が切なくて仕方なかった。
お預けをされてしまった蜜壺は今だに、黒須君を受け入れたくて泣いているかのように蜜を溢れさせている。
黒須君の胸元に縋りながら。
「はぁ、んっ。黒須さん、私まだ……」
「真白、ひょっとして続きがしたい?」
黒須君の伶俐な瞳を見つめながら、その言葉に恥を捨てて頷く。
「俺も真白を抱きたい。けれど今日は家に帰って報告をしないと」
優しく諭すような口調。これでは私の方が淫らに黒須君を求めているような、ふしだらな女みたいだと。
顔が熱くなってしまって視線を逸らし。小さく「ご、ごめんなさい」と呟くと。黒須君は私の額にキスを落としながら。
「何も悪くない。そうやって俺だけを求めて。ずっと俺のことを考えていて。もっともっと、淫らな真白の欲望を俺だけに曝け出して欲しい。俺が全て受け止めるから」
最後にまた。
「真白は可愛いね」と、言われ抱きすくめられた。
この腕の暖かさや、体の疼き。
どこか黒須君から感じる、危険を孕んだ蠱惑的な魅力。一時の快楽かも知れない危うさに切なさ。
それら全てを目を伏せても──今は側にいたい。
そう思いながら、火照る体をもて余すのだった。