ほんとに?いいの?
突然の出来事につい大きな声を出してしまってハッと口を塞ぐ。大好きな彼がサウナと焼肉を断ってまで家に来ると言ったのだ。彼は口元をもにもにさせながら睨みつけるかのようにこっちを見てくる。何か言いたいことがあるけど言えない時の顔。
あのさ、じゃあ、、一緒に帰ろ?
ん
2人タクシーで帰宅。綺麗好きな彼はシャワーを浴びて着替えたいと言うので、風呂場を案内する。
何でも、好きに使っていいから。
ん
その間に急いでご飯の準備をする。今日は和食。昨日作った煮物を温めつつ、魚を焼き、味噌汁を作る。炊き込みご飯が炊き上がったタイミングでタオルで髪を拭きながら彼が出てくる。
うわっ!いい匂い!
ふふ、嬉しい。ちょうど炊けたよ。ご飯にする?
んー、先お前もシャワー浴びてこい。
え、あ、うん、そうだね。 (……え、ご飯食べるだけだよね?どうしよう、準備してない、)
動揺してるとバレないように慌てて風呂場に駆け込む。脱衣場にはまだ彼の気配が残っていて湯気に紛れた彼の匂いにくらくらする。慌てて服を脱ごうとして自分の体の変化に気が付く。(嘘だろ、治まれ…治まれ)熱いシャワーを頭から浴びて仕事の事を考える。なんとか治まってくれたので念の為全身をくまなく洗うとリビングに戻る。
おかえり。水貰ったよ!
半袖短パンでソファから見上げて片手を上げる彼。ちょうど袖口からシャツの中まで見えた。瞬間、熱が駆け巡り前に集まる感覚があり、慌てて振り向いてしゃがむ。(やばい、治まれ治まれ)思えば思うほど治まらない。(どうしよう、どうしよう)
おい
あ、ごめ、ん、ちょっと待って、こっち来ないで
もういる
え!っと顔を上げると優しい目をした彼と目が合って、心臓がドクンと跳ねた。
ん! 寝室、案内しろ
出された手を素直に掴み立ち上がる。
え?えぇ!?
何だよ、俺とじゃ嫌か?こっちはちょっとは、そのつもり、だった、のに……
後半は殆ど聞こえないくらいの声だったけど、耳まで真っ赤にして俯いてそう言った。
確かに言った。
寝室へ行こうとは思ったが心配事を口にする。
その、準備とかしてないけど、大丈夫そ?
彼は目をキョロキョロさせながら少し笑って言った。
自分の体は自分で守る。
コメント
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あれゆり組さんだ
相手変えてくの?
サウナ断ってまでなんて翔太王子ったら🥰