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第11話 塁の嫉妬
休日。
陽葵は大学の友達たちと遊びに出かけていた。
男女合わせて何人かで集まり、みんなで笑ったり、写真を撮ったり。
その日の夜、陽葵は楽しかった思い出をSNSに投稿した。
「今日はみんなで遊んできた〜!楽しかった😊」
写真には、陽葵と大学の友達たちが写っていた。
しばらくして――。
塁もSNSを開いていた。
陽葵の投稿を見つける。
「……あれ?」
写真を見ると、陽葵の隣には男の子も写っている。
楽しそうに笑っている陽葵。
塁の胸が、少しだけざわついた。
「……誰、この人」
自分でも驚くくらい、気になってしまう。
ただの大学の友達。
きっとそれだけ。
そう分かっているのに、なぜか面白くない。
塁は投稿を閉じようとした。
でも、もう一度写真を見てしまう。
「……俺、嫉妬してる?」
その瞬間、自分の気持ちに気づいた。
今までこんなこと、考えたこともなかった。
その夜、いつものように陽葵からDMが届いた。
陽葵「今日は友達と遊んできた〜!めっちゃ楽しかった😊」
塁「そっか。投稿見たよ」
陽葵「ほんと?笑」
塁「うん。……男の人もいたね」
陽葵は少し驚いた。
陽葵「いたよ〜!大学の友達だよ😊」
塁「そっか」
それだけ返して、塁はスマホを見つめる。
なんとなく、素っ気なくなってしまう。
陽葵「……塁くん、もしかして怒ってる?」
塁「怒ってないよ」
陽葵「じゃあ、なんでそんな感じなの?笑」
しばらくして、塁から返信が届いた。
塁「……ちょっと嫉妬した」
その一言を見た瞬間、陽葵の目が大きくなる。
陽葵「え……嫉妬?」
塁「うん。陽葵が他の男の人と楽しそうにしてるの見たら、なんか嫌だった」
陽葵の頬が少し熱くなる。
自分のことを、そんなふうに思ってくれていた。
陽葵「大学の友達だから、大丈夫だよ😊」
塁「分かってる。でも……嫉妬しちゃった」
陽葵は画面を見つめながら、思わず笑ってしまう。
陽葵「……塁くん、かわいい笑」
塁「かわいいって言うな笑」
二人の間に、少しだけ甘い空気が流れる。
塁はまだ、自分の気持ちを全部言葉にはできなかった。
ただ一つ分かったことがある。
陽葵が誰かと楽しそうにしていると、気になってしまう。
それだけ、陽葵が自分にとって大切な存在になっていた。
――初めて知った、嫉妬という気持ち。
そして陽葵もまた、その気持ちを嬉しく感じていた。
コメント
1件
塁の嫉妬、めっちゃ分かります……!SNSの写真一枚でざわつく心の描写がすごくリアルで、思わずにやけました。陽葵に「かわいい」って言われてる塁、その通りだよって思わず頷いてしまった(笑)。「嫉妬してる自分に気づく」という、恋愛の最初の感情の芽生えを丁寧に書いてくれていて、読んでいてすごく温かい気持ちになりました。次も楽しみにしてます!