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🌷朝食
翌朝ティアが目を覚ますとミリアが部屋に来て様子を見てくれていた。
「起きた?おはようございます、眠れた?ティア」
ミリアはティアの身体抑制を外してくれた。
「おはようございます、昨日は夜遅くに騒ぎを起こして申し訳ありませんでした」
謝るティア。
やはり心がためらっていて心の力が発動しない。
昔は行動すると楽しいことが起きたのに。
「幻聴がひどかったのでしょう?そういう時は夜でも夜勤の人達がいるから声をかけて、ティアの幻聴は薬だけでは完全に抑えられないの、お話することも大切な治療だから遠慮しないで」
ミリアの言葉に黙ってうつむくティア。
「……ありがとうございます」
ティアはやっとそれだけ言った。
精神障がい者施設へ来てからティアは施設の外へ出ようとする行動を繰り返してきた。
ミリアや職員の制止を振り切って暴れるので、身体抑制がやむを得ない処置になっていた。
脱走が成功したことはない。
「もう朝食の時間なの、朝食はテーブルに置いてあるわ、疲れていたようね」
ティアは朝食の時間まで眠っていたらしい。
「じゃあわたしはこれで失礼するわね」
ミリアはそう言って部屋を出て行った。
ティアは椅子に座るとテーブルの上の朝食を食べ始めた。
オムレツ、サラダ、パン、オレンジジュース。
この施設に来てからは食べることが楽しみになっている。
コメント
3件
ERINEKOさん、第4話「朝食」読みました🍞 朝の穏やかな空気のなかで、ミリアさんの優しい言葉かけが染みましたね。「お話することも大切な治療」という台詞に、施設の温かさが感じられてじんとします。一方で、謝るしかできないティアの心の重さも伝わってきました。脱走や抑制の背景がにじんでいて切ないけれど、「食べることが楽しみになっている」という一文でちょっと救われた気持ちに。小さな日常が、彼女にとってどんな意味を持つのか——次が気になります。
ERINEKO
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