私は地球の誕生から終末まで見届けた…
人間は愚かなことをした…温暖化を引き起こし生物を根絶やしにした。
挙句、戦争まで初め、生滅した。
愚かだ、その愚か者を誕生させた私には天罰が下された
堕天、不老不死、呪いだ。
そうして神は言った、
『最後のチャンスだ愚かな真似はするんじゃないぞ』
私は…
『…そんなのわからない』
周りにいた天使はクスクスと悪魔のように笑う
そうして気がつけば地上にいた
人間がまだいなかった時代
ただ、空を眺めながら時が過ぎるのを待った。
長い年月をまったり過ごした
気がつけば人間が誕生して何万年もの月日が流れた
その時代の中で私は神と崇められたり
悪魔と恐れられたりした…
結局は戦争は止められなかった…
だが、ある村の子娘が私に声をかけてきた
ヘレン『あの〜…大丈夫ですか?』
その子娘は[ヘレン]と名乗ったまだ5歳にもなっていなかった
私は、『話しかけるな…』そう言い放った
ヘレン『そっ』
そう言ってどこかへ帰って行った
翌日もその小娘は話しかけてきた
ヘレン『ねぇねぇりんごいる?』
ヘレン『おいしいよ』
『いらん』そう言った
ヘレン『そっ』
小娘は何度も何度も問いただしてきた、翌日もその翌日も毎日のように
呆れて私は。
『そんなに私に質問をするのなら親にしろ』
『いないもん』
孤児だった…
『他に仲間がいるだろ』
ヘレン『私はいない』
ヘレン『貴方と同じよ』
『おまへのようなやつと一緒にするな』
ヘレン『何よお前って!ちゃんとヘレンって名前があるもん』
『その名は誰が名づけた』
ヘレン『そこら辺にあったお花の名前』
『ふっ適当だな』
ヘレン『じゃあ貴方の名前は?』
『しらん』
ヘレン『貴方の方がよっぽど可哀想w』
『…』
ヘレン『私が名前をつけてあげようか?ニコッ』
『…』
ヘレン『返事をしないってことは大丈夫ってことね』
『勝手にしろ』
ヘレン『うーん』
ヘレン『貴方はグレーの髪で紺色の夜空のようなお顔をしているから』
ヘレン『レリエル!どう⁉︎』
『お前にしては上出来だ』
ヘレン『素直に褒めてよね!』
何故か情が湧いた…
何故だろう。
それから15年ほど月日が経った。
ヘレン『レリエル!起きて私の成人式おめでとう会が始まるよ!! 』
『辺な名前だ』
ヘレン『まぁいいでしょ!』
ヘレン『今日は祝祭なんだから!』
ヘレン『…飲みすぎた』
『まだまだガキだな』
ヘレン『私は、まだ飲める〜』
ヘレン『グーグー』
寝ると朝まで起きないなこいつは
…
“愛してる”
咄嗟に出た言葉だった。
自分でも驚いた…
恋愛感情をまだ持っていたなんて
だがそう恋も上手くはいかないものだ…
娘はすぐに村の男と結婚をした。。
ただ感情を押し殺したバレないように
三年がたったころ子供が産まれた
娘に似て綺麗だった
赤毛に青眼
そして2人目も産まれた頃
男が浮気して家を出た
ヘレン『…どうしよう』
泣き目になりながら言った
『大丈夫だ』
そう言ってお酒を出した
いまだに後悔をしている。
娘に手を出してしまった
翌日娘は何も知らぬような顔で私に話しかけてきた。
数ヶ月後
娘は
ヘレン『赤ちゃんできてた…』
ヘレン『あの人の子かな…』
『しょうがない…金はある養っていこう』
ヘレン『うん…ありがとう』
ニヤケをとめるのに苦労した
最低なことをしていたのはわかっていた
私は堕天でも神の血をもっている
混血の子ができる
だがよかった…娘との子だ…。
数ヶ月後。
『オギャーオギャー 』
赤子が産まれた
まだらに白髪が目立つ、紺色の目
でもそれでもバレはしなかった
疑ってはいただろうが信頼があるゆえだ
数十年の歳月が経った娘も老婆になりもうすぐ旅立ってしまいそうだった
私は、想いを伝えたい
だがヘレンは…
ヘレン『友達でいてくれてありがとうレリエル』
友達…
そう、こいつは私のことを友達としか思っていない
現実だ…
そうしてヘレンは眠るように息絶えた…
ヘレンの子は新しい家庭もできていただから安心できていた
私の子も結婚して子もできていた
もうやり残したことはない…だが忘れていた
不老不死だということに
『ヘレンそっちに逝きたい』
『助けろ…』
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