明晴side
やばい……
どうしようー……
《1時間前》
数日後、秋雨くんが退院してすぐ休みが取れたため
佐野くんと決めたお店で食事をしながら話すことになった
学生寮の近くの駅から二、三駅先の店だ
ここなら知り合いに会うこともないだろうとのことだった
会ったらさすがに気まずいしね
そう思いながら電車に揺られていると
ピロンとスマホがなる音がした
画面を見ると、秋雨くんからだった
そのメッセージを見た時、驚いた
『入道夫婦と泥田夫婦いんだけど』
!?
嘘でしょ!?
なんで……
というか、まさかだけど
『見つかって今一緒にいんだけど』
あーもー、嫌な予感当たったよー!
「どうしよう……」
秋雨side
「おー!」
俺は佐野と一緒に焼肉店の前にいた
「ここなら見つからないし、値段もリーズナブルだしな」
「味は?」
「美味い」
「いよっしゃー!」
俺は退院した後に、晴明と佐野で食べに行く約束をしていた
それで今回は焼肉になったのだろう
まぁ今回晴明おかえり会も兼ねてだしな
晴明も好きで俺も好きな物はこれが一番だろう
晴明はなんでも食べそうだけど……
「ほら、早く席取るぞ」
「はーい!」
俺らは店の扉を開けた
「あれ、佐野と秋雨じゃん」
「あ、本当だ」
「よっ、お前らも食いに来たのか?」
「久しぶりー」
その瞬間、勢いよく扉を閉めた
「……気のせいだよな?」
「いいや、いたな」
「なんで!?」
いや、本当になんでいるんだよあいつら
見つからないんじゃなかったのかよ
「……すまねぇ」
「いや、謝るなら晴明に謝った方がいいぞ」
そう、別にここ二人が見つかってもなんの問題もないのだ
一番の問題は、晴明だ
あいつ生まれ変わっても見た目変わってねぇし
「あーもー、どうするんだよー!」
「店変えるしか……」
「人の顔見た瞬間扉閉めんなよ!」
「ぎゃあ!?」
いきなり泥田が出てきて変な声が出でしまった
「人の顔みてビビってんじゃねぇよ」
「いきなり出てくるお前もどうかと思うけど!?」
「まぁとにかく入れって」
と後ろから押され、店に入ってしまった
「……どうすんの?」
「あいつに連絡しろ、今すぐ」
「いやお前が言えよ」
「交換してねぇ」
「おい!」
明晴side
「……つーわけ」
「いや意味わからないよ」
とさっきまでの状況を店の前で佐野くんが話した
「それに、見つかんないんじゃなかったの? 」
「それはごめん」
「なっちゃったものは仕方ないけどさ……」
まさか4人に会うなんて……
しかも元生徒だよ
気まずい……
「で、誤魔化すのか?」
「いや、変に誤魔化してもバレるだけだし、ここは開き直ってばらすのが1番だよ」
そう、別に泥田くんなら誤魔化せたかもしれないけど
座敷さんと歌川さんは感がいいし
入道くんは、もう無理だよ
「というか、秋雨くんは?」
「今入道と喋ってる」
「……入っていいやつ?」
「会うの20年ぶり」
「無理じゃん!?」
なんなんだよもう!
「まぁいいだろ」
「いいの!?元担任がその久しぶりの友情の輪の中に割り込んでいいの!?」
「元つっても前世じゃねぇかよ」
「前世でも気まずいんだよ!」
あっそ、と聞く耳持たず
変わらなすぎるよ佐野くん……
「お待たせー」
そう言い、佐野くんは僕のことを無理やり店の中に突っ込んだ
というか……
「持たないでよ僕を!」
「今小さいから持ちやすいな」
「悪かったね!」
コメント
3件
すごく楽しかったです! 続きがとっても楽しみです。 (゚∀゚*)(*゚∀゚)ワクワク
晴明君達は一体どうなるんだろう。続きがすごく気になります。
ギャグ回だよ……やっと