・irisのnmmn作品です
・青黒
・学パロ
・プセの💻25パロっぽい(特に🎼ちゃん微❄ちゃん)
・エセ関西弁
・本人様にはなにも関係ありません
・以上のことが大丈夫な方だけお読みください
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青「You、新曲のデモできたよ」
俺の閉め切った部屋ではパソコンが光輝き、その存在を主張している。複数人チャットアプリ、エンダーコード。
黒「ありがと、歌詞考えるから送って」
送信ボタンをクリックして、チャットへと投げ出された。Youがデモを聞いているんだろう。俺たちの数分の沈黙は。
黒「うん、今回も素敵」
そう言ってもらえて安堵した。
水「次の動画ってどんな感じ?」
黒「……星空かな。星と月。でもポップやったから、パステルな雲にひつじ。レースも要る」
赤「俺はそこら辺の絵、描けばいい?」
黒「星ら辺とレースは霞が素材探してきてくれるから、ラバーズはひつじとかお願い」
テキパキとメンバーに指示を出すYou。
桃「ただいま帰りました〜」
白「おっ、もう次の曲か。早いなぁ」
ミュートしてた2人が帰ってきた。この2人は唯一お互いあったことのあるメンバー。歌唱担当だ。俺たち6人は比較的近いところに住んでいるけど、誰も会おうとは言い出さないので顔も名前も知らない。年齢だって大まかなものしか分からないし。
気づいたらYouはもうエンダーコードをミュートにしていた。
青「Youもう歌詞練ってるから今日の全体作業はこんなもんで」
赤「俺も絵描いてくるー」
水「僕も編集」
白桃「……」
白桃「いっつもこうだよなぁ!!」
これが音楽グループ、いれいす
突然だがYouはいつ寝てるんだろう。ふと晩ごはんを食べている時考えた。母さんの作ってくれたシチューを口に運びながら。他の奴らは昼寝中とか、寝落ちとかの報告を聞くけどYouはいつも作業してる。前まではちゃんと学校通ってたみたいだけど、いつからか昼間も作業している。
彼を音楽に呪ってしまったのは俺だった。
あれは数ヶ月前のこと。俺はそこそこ高い点数を維持するという条件でシンセサイザーやパソコンを買ってもらった。なのに寝不足などが続いてテストの点数が急激に落ちた。俺は音楽が作りたい、みんなといれる場所なんだから。そう焦っていたから作業にも影響していた。そんなどす黒い心で作った曲だった。
『えーと、shimon。申し訳ないんやけど今回ちょっと作り直せない?』
『え?なんで?』
『テーマからズレとったからかな』
いつもは俺が作曲して、テーマも俺が決める。でもその時はテーマを貰ってそれをもとに作らないといけなかった。Youの言ってることは当たり前だった。渡されたテーマは人形劇。ポップで陽気なモノを作らなければならなかったのに、出来たのはまるでマリオネットのよう。
『……俺だって時間かけて作ったんだけど』
『うん、それは凄く伝わった。だからコレは次に使いたくて』
認めてもらえなかった。その事実が頭を殴った。
『……くせに』
『Youは作曲したことないくせに』
『それは…そう、やな』
『そもそもなんで膨大な時間削って音楽作るわけ?』
『音楽で、その歌詞で人生救えるとか思ってんの!?』
嘘だ、救われてる。俺は既存曲にオリジナルの歌詞をつけたYouの動画。それで作詞の虜になった。背中を押すような歌詞も、苦しさを共感してくれる歌詞も沢山あった。この人は作曲ができない。じゃあ俺が出来るようになろう。そう思って機材を買ったから。
『っ!!』
『…救える、救ってみせる』
『例えそれがshimonにとってはおかしくても』
その瞬間エンダーコードを落ちた。一ヶ月間俺たちの活動は止まった。Youが一向にエンダーコードに来なかったからだ。幸いストックがあったから投稿を続けることは出来たけれど。久しぶりにエンダーコードのチャットに来た時、なんと一ヶ月の間で作曲の基本を身に着けていた。あの時の救ってみせるというのは俺がいなくても1人で……って意味なんだろうか。
『shimon、ごめんなさい。作曲の大変さを分かってあげられなくて。1つの作るのも大変やんな、今回のやつはそのまま行こう』
『え…あ、ああ』
Youは隠した。作曲ができることを。きっと俺が知ったら自己嫌悪に陥ることを知っているから。何故作曲が出来ることを俺が知っているのか。それはYouの書く歌詞に類似した流行りの動画があったから。
イセカイハクチュウム【作詞作曲動画・塩】
動画というより、白い背景に歌詞が貼り付けてあるだけ。でも引き込まれる音楽と歌詞で誰もそんなことを気にしていなかった。中には自己解釈でMVを作っている人も居る。それほど数週間で流行っている曲だった。俺はこれがYouであることは間違えないと確信していた。作詞作曲動画が塩という人物で、歌はVOCALOID。つまりYouは一ヶ月で作曲に加えVOCALOIDの調教や扱い方まで習得した。
それらを隠した。まるで自分は作曲が出来ないかのように。いや、もしかしたらYouは作曲で頭を悩ますことが無かったのかもしれない。俺の気持ちを分かろうと始めた作曲がすんなり進んでしまい、ますます分からなくなり自分は出来ないフリをした。
両方謝罪してこの一件は終わった。でも俺が作曲を怠ったら、Youは自分の活動に専念していれいすを捨ててしまうかもしれない。それが怖くて、パソコンに向かう時間は日に日に増えた。Youはこの一件で俺を病ませてしまったのではと心配になり、俺も含めみんなを救える曲を作らなければという呪いにかかってしまったらしい。
そんな昔のことを考えてるうちに晩ごはんを食べ終えた。
その次の日。今日は学校が臨時休校だった。つまりいつも1人で作業しているYouと一緒に作業ができるってこと。
黒「…shimon?平日なのに珍しいね」
青「今日学校が臨時休校でさ」
黒「そっか」
青「ねぇ、Youって学校行ってるの?」
黒「学校…行ってないかな」
青「それってさ、前俺が言ったことと関係してるよね」
黒「関係ないとは言い切れないけど、あくまできっかけに過ぎないから気にしないで」
やっぱりそうだった。
黒「確かにshimonの言葉に焚き付けられたよ。絶対救ってみせるって。でもな、元から学校休んででも音楽に専念したいって思っとった。そのきっかけになっただけ」
黒「俺父さん亡くなってさ、気に病んで入院してる母さんが俺の歌詞で泣いてくれたんよ。素敵だねって、絶対誰かを救える歌が作れるよって」
黒「じゃあ俺はそんな歌詞を作ることが生きてくための…なんて言えばいいかなぁ」
黒「shimonには感謝してるよ。俺を音楽にもっと堕としてくれたんだからね」
その言葉が俺には皮肉にしか聞こえなかった。でも本人は悪意がない。それだけは伝わったからこれ以上なにも言えなかった。
眠気のかかった頭に響くチャイム。あの言葉が離れない。俺たち6人は近い場所に住んでいることは知っている。同じ学年であれば、ここら辺の高校を片っ端から探ればYouを見つけられるのかもと、錯乱した状態の思考はとち狂っている。
青「はぁ〜もうこの学校に居ねぇかな」
モブ「俺らのクラス悠佑来ないとヤバくね?体育祭1位取れるかな」
モブ「文化祭も怪しいよな…」
知らないやつの名前なのに妙に気になって、気がつけば話しかけていた。
青「なぁ、悠佑って誰」
モブ「おっ隣のIfじゃん。悠佑は俺らのクラスの不登校。一学期の途中までは来てたんだけどなー」
モブ「そいつ運動神経の鬼だから体育祭居ないと困るんだわ」
一学期の途中、不登校、抜群の運動神経。
帰宅したら俺は押し入れから学級名簿やクラス写真を引っ張り出していた。俺とYouは学年が同じなこともあって色々聞いたりしていたから。
『見た目?男にしては珍しいけどロング』
『運動は得意かな』
『活動名は本名から文字った』
『1番前だから先生に当てられやすい?俺は窓側の2列目後ろやから楽だわー』
『委員会は放送委員』
茶髪に黄色がかかった長い髪、
悠(ゆう)佑という名前、
席が番号順なら窓側の2列目後ろはサ行。名字は獅子尾(し)
委員会のメンバーをまとめたリストには隣のクラス、2-Cに放送委員の男子1人。
青「2年C組、獅子尾悠佑15番…」
我ながら気持ち悪いなってひっくり返したプリントにまみれながら思った。
二人の個人チャット
青「ねぇ、You」
青「今からちょっと変なこというけど聞いてほしいんだ」
黒「…え?」
青「Youのこと色々分かっちゃったんだよね」
自分に特定班かよ、ってツッコみたくなる。
黒「ほーん言ってみれば?」
青「えーと、賽ノ目学園2年C……」
黒「2年C組15番獅子尾悠佑、やろ?正解」
青「えっ」
黒「んでshimonは2年B組24番猫宮If」
俺がYouを知っているようにYouも俺を知っていた。
青「あ、あったり〜!」
黒「バレバレやわ」
青「びっくりだよね、学学校同じって」
黒「まぁな」
青「学校でも会いたいよ〜!来てよ〜!!」
黒「うーん、うんwいつかな」
Youがカッコよくて生で見たいってのもあるけど今は秘密にしておく。
授業が始まる4分前。なんとなくエンダーコードに入った。いつも学校途中に入ったらYouが反応してくれる。授業はw?って。でも今日はエンダーコードにいるのに無言だ。作業も止まっているのに、アイコンは居座ったまま。
青「……You?」
ガダンッ
不吉な音がした。荒い息遣いも微かに聞こえる。
青「先生、僕早退します」
咄嗟に学校を出たのはいいものの、俺はYouの家を知らない。
青「Youー!!!聞こえる?聞こえたら返事して!!」
精一杯スマホに向かって叫んだ。倒れているから返事ができないのもわかってる。けど、
黒「………」
ガタガタと音がする。ピコンッと画面の向こうでなる音。時差で俺のスマホにも来た。
『〇〇地区〇〇番地』
彼からのSOS。徒競走で1位をが取れそうな勢いで目的地へと走った。
目に入った獅子尾の表札。珍しい名字だし、獅子尾さん違いということも無いだろう。ドアは開いていない。裏側の窓から入る。靴を放り出して。人気を感じないリビング。暗い廊下。
青「Youー!」
青白い光が漏れる部屋。ドアを開けた。
黒「…ッ…shimon…」
青「電気つけるよ?ってあっつ?!顔色も良くない…」
暗かった部屋は眩しいくらいに明るくなり、顔がはっきりと見えた。デスク環境はいいが、周りにある積まれたカップラーメンや空の栄養ドリンクが不健康を表している。
青「ベットの上もCD一杯…えっと、あ!ソファ、ソファにしよう」
Youを抱き、ソファへと運んだ。掛け布団に飲み物。
青「なにからすればいいか……まずカップラーメンのゴミの処理?CD片付け?えーと、えーと」
青「とりあえず冷えピタ探そう」
生活感のない家。こんな家で1人、そんな暮らし俺には耐えられない。
青「冷えピタあったよ、はい」
黒「…ありがと」
寝かしつけるようにぽんぽんと体に触れながら顔を眺める。綺麗だな、その顔。でもこんな風になるまで作業なんか良くない。みんな心配する
黒「なんか、恥ずかしいな」
青「俺しか居ないんだから大丈夫だよ」
黒「……昔、そうやって看病してもらったこと思い出すわ」
青「俺はここに居るから、だから安心して」
青「まだ熱はあるけど寝てくれた…かな?」
なにかに浸ってる暇はない。苦手な掃除を始めた。カップラーメンの汁を捨てて、栄養ドリンクの蓋とビンで分けて。ベットの上に散らかったCDを並べ、床に散乱したプリントは直感でファイリング。冷蔵庫の中身をチェックしたり。
そんなこんなで夜になり、Youは一回起きてまた眠りについた。俺もYouを1人には出来ないのでソファで寝させてもらうことにした。家族に友達の家に泊まるって嘘をついたあと、瞼をおろした。
青「You、おはよう」
おでこに手を当てたら温かさを感じる程度に熱が下がっていたので起こすことにした。お粥も不器用ながら作ったし食欲があれば食べて欲しい。
黒「……おはよ」
青「体調どう?」
黒「うん、いいかも」
青「お粥作ったんだけど食べれる?」
黒「頂くわ」
食卓に座る。俺もストックされていたカップラーメンを頂いた。
黒「ごめんな、本当に。お見苦しいとこ見せちゃって」
青「無事なら良かった。でもそんなに根詰めて作業しちゃダメ」
Youがいなくなったら俺は誰に歌詞をつけてもらうんだ?
黒「うん、そうやな。俺が倒れたら誰も救えへんもんな」
青「俺もYouに救われてるうちの1人なんだからファンを悲しませないでよね」
歌で俺の人生全部救われるかって言われたら分かんないけど、今の俺は救われてるよ。
黒「看病までしてもらったし、俺も何かお返ししなきゃやな。なんかある?」
青「コレはYouの意見が聞きたいんだけど」
緩んでた目つきがキツくなった。そんな大層な話ではないんだけれども
青「俺ね、好きなんだと思う。今目の前に居る人が」
黒「んっ?!」
拍子抜けした声。その姿に笑ってしまう。
青「Youの創る歌詞もだし、You自身も」
青「音楽に呪われてるのがYouならYouに呪われてるのが俺なの」
青「貴方(You)が許してくれるなら」
すくっと立ち上がって、固まったYouの唇にそっと
青「もっと、堕として欲しいなぁ」
キスをした。
青「いきなりこんなことして気持ち悪いよね…あはは、どうしたんだろ俺」
この後縁を切られたっておかしくない。でも幸福感で一杯だ。
黒「じゃあshimonが俺を救ってよね」
青「……分かった!」
きっとYouの、悠佑なりの答えだ。墜とし墜とされ救い救われ。2人は互いの救世主で堕天使。
黒「……If、俺を救ってくれる?」
青「悠佑、俺を墜としてね」
そう笑いあったリビングには暖かい風にカーテンが靡いた。
黒「みんな〜、次の曲出来たわ」
赤「早っ…え、もう歌詞出来たの?」
黒「最近shimonと2人で作業すること多くてさ」
水「え〜ずるーい、僕もYouと作業したい」
青「100年後ぐらいにな」
桃「あげてあげて〜!!いや〜楽しみだわ」
黒「今送ったから聞いてみて」
白「……めっっっちゃ恋愛やな」
青黒「へ?」
桃「わ、分かる…いや悪い意味じゃないよ!?純愛で凄く素晴らしいと思う!!でも、その……非リアには刺激強いかな」
水「甘いよね〜、バレンタイン曲かっ!」
青(たっ、たっ、確かに…今思えば跳ねてポップなリズムばっかり…)
黒(ちょ、これ書いたのほんまに俺!?これって俺恋愛してますって言ってるようなもんやん…)
赤「……Youかshimon恋人でも出来た?」
青黒「デキテナイデスッ!!」
Next↪赤青×黒【空を舞えワンダー】
ちょっぴり小ネタ
みんなのユーザーネーム
黒『You(ゆー/ゆう)』→悠佑の悠をゆうをYouにした。貴方、君みたいな意味もある
青『shimon(しもん)』→Ifは日本語でもしも。もを取ってしも。しも?なんか微妙だな……あ、そういえば大乱にシモンみたいな名前のやついたなよし、しもんに決定。ローマ字にして誤魔化そ
水『霞』→ほとけがイム。いむいむいむい…むい。むい?(鬼滅の)無一郎って居たな。無一郎何柱だっけ、霞だわ。霞にしよう(接点ナシ)
赤『ラバーズ』→りうら…うら、裏表ラバーズ(ボカロ曲)
桃白考えてませんごめんね
番外編
黒くんの他名義の塩
獅子尾(ししお)→塩(しお)
前々から青くんと黒くんについて言いたいことがあって
数回前の総選挙で青くんが自分の名前でもある名前でもあるイフを選曲してて、その曲中にあるのが
「歌じゃ人生もなんもきっと救えない」
黒くんのモットー的な考えが
「歌で誰かを救えるって思ってる」
みたいなことで湧きすぎて沸騰した覚えがある。
イフのそのあとの「でも君のために歌いたい」とか…もう溶ける
コメント
5件
現実とは違う🎲の世界やね いったら声だけでグループ組んだって運命だ((( 青黒があったきっかけが黒くんの体調不良……黒くんが可愛いって思ってしまった((( 青くんは一生黒くんの呪いにかかってて欲しい((( 今回もほんまに最高でした 言葉の使い方がほんとに好き✨
うわぁ...好きッ 夜で語彙力ないけど許してね☆ 顔も何も見た事ない6人でグループ組んで歌作るって...すげ...! 白と桃は会ったことあるのか...どんな感想だったのか気になった(?) ずっと作業って...私だったら4んでるッッ!! 確かに運動神経の鬼やな、鬼ニキ☆鬼ニキ...いいななんか それだけで特定できるってすごッ!好きすぎるでしょ...! ニキも分かってたんかいッ! レンアイすると歌もか