テラーノベル
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桜が乱れ散る川沿いの堤防を、私は母の手を握りながら小学校へと歩いていた。
すると目の前に、同じように入学式に向かっている様子の、男の子とお母さんの姿が見えた。
母「こんにちは。大杯(おおさ)小学校の入学式に向かわれているんですよね? ユミ、ほら、ご挨拶しなさい」
母の言葉に促され、私は小さく声を絞り出す。
ユミ「こんにちは……」
男の子の母親が、ゆっくりとこちらを振り向いた。
男の子の母「ええ。あなたたち、一週間前に引っ越してきた……」
母「はい。夫の転勤で引っ越してきました、吉田と申します」
母が愛想よく頭を下げると、相手の母親は値踏みするような視線を向けた。
男の子の母「ふーん……。吉田さん、今年は特別な入学式だから、緊張するわね」
含みのある言い方だった。隣に立つ男の子は、何も言わずにじっと俯いたままだ。
堤防を抜けると、丘の上に木造の校舎と体育館が見えてきた。
坂道を登り、学校に近づくにつれて、異様な光景が目に飛び込んできた。
校庭に、この村の住人が全員集まったのではないかと思うほどの人だかりができていたのだ。
手招きをする者、小声で囁き合う者、誰もが入学式を心待ちにしているというよりは、何かの儀式を待っているかのように見えた。
その人だかりを目にした途端、男の子の母親は、息子の腕をぐいと引っ張った。
男の子の母「コウヤ、行くわよ!」
駆け足で小学校へ向かう二人の背中を見送りながら、私はその母親の凄まじい目力と気迫に一瞬たじろいだ。
(コウヤ君っていうんだな……)
私は心の中でそう呟きながら、握られた母の手を少しだけ強く握り返した。
コメント
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うわ、この第2話、めっちゃ引き込まれた…。最初のほのぼのした風景から一気に不穏な空気に変わるところがもう、心臓掴まれたみたいだった。特に「儀式を待ってるみたい」な村人の描写と、コウヤ君の母親のあの異様な気迫。何か訳ありそうで、でもまだ何も明かされてないもどかしさがたまらない。続きが気になって仕方ないよ…!